25日の朝起きると老夫婦の枕元に置いた靴下の中にそれぞれ何かが入っていた・・・。
なぁ~んてことはないが、その日は朝から年賀状を作らなければと例年のごとく木版を彫り始めていた。
すると玄関のドアが開いて息子と一緒に大きな袋を担いだ孫がニコニコしながらやって来た。
孫が持ってきた袋の中には最近ひざを痛めた婆さん用の伸縮式の杖と、壊れたカメラを使っていた爺さんには新しいデジカメが入っていた。
5年ほど前から使っていたデジカメのバッテリーカバーが閉まらなくなってしまっていたが、写真そのものが撮れないわけでもないので、その部分を荷造りテープで止めて使っていたのを見かねた息子が最新型のデジカメをプレゼントしてくれたのだ。
これまでのデジカメでも決定的な不自由はないが、次に買い換えるなら、その前はフィルムカメラは一眼レフのニコン<F-2>を使っていたので、できれば絞り優先のマニュアル撮影の出来るものがいいと思っていた。
思ってはいたが、それは自分の頭の中だけで思っていたことで息子に話したことはなかったが、今日のサンタのプレゼントはコンパクトカメラのカテゴリーながら、一眼レフ並みのマニュアル撮影の出来るものだった。
思えば私たちの世代が子どもだった昔にはクリスマスもサンタクロースもなかった時代で、自分のところにサンタが来てくれたことはなかったが、まさか70歳を過ぎてサンタのプレゼントが届くとは、長生きはするものだ。
「もーさんの時代はキリシタンが禁制の時代だったの?」
「そう、あのころは天草四郎と言う人がいてね・・・そこまで昔ではないわい!」
ただ、デジカメと言ってもマニュアル機構を使いこなすには、190ページもある説明書を読んで勉強をせねばならない。
おっと、その前にまず版画を彫りあげて年賀状の年内投函、仕事場の大掃除などなど今年の冬休みは宿題が多い。