50歳を過ぎて初めて白い花のタンポポを知った。
誰が50歳だ!
いやいや、50歳を過ぎてとは言ったが、50歳だとは言っていない。
じゃあ何歳だ。
いいじゃあないか、今日は年齢の話をしようと言うのではなく、白花タンポポの話をしようってんだからサ。
じゃあ、50歳を過ぎて何年経ったンだ?
28年・・・。
ン・・・ついうっかりと言ってしまったではないか!
・・・と言うわけで、今回は少しタンポポのウンチクをたれたい。
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事の始まりは3年前の春先のことだ。
野良友のOさんの家の庭に白花タンポポが咲いているというので見せてもらった。
これは珍しいタンポポだねぇ、この綿帽子のタネを一つもらえないかなぁ・・・と気楽にタネをもらって、畑の一角に蒔いておいたが、結局そのタネは半年経っても一つも発芽をしなかった。
タンポポなんぞは白か黄色かの違いはあっても、そこら中に生えているのだから、かなりの発芽率の高い植物だと思っていたが、それはどうやら誤解らしかった。
逆に、どこにでも咲いているタンポポのあれだけの量のタネが綿毛に乗ってそこら中に飛び散り、仮にその50%でも発芽をしたら、世界中の野山はすでにタンポポ一色に占拠されていたことに思いが至った。
それほど発芽率が悪くて、さらに発芽に適した環境に偶然落ちなければ芽を出すことが出来ないという宿命?を背負っていることが理解できた。
さらに思いを巡らせると、学研の学習雑誌でタンポポの長い直根が地中に1メートルに伸びている写真を見たことを思い出す。
タンポポ自身も、きっと発芽の諸条件がいくつもの偶然の重なった結果でしか己の子孫を残すことのできないことを知っていて、何年も多くのタネを蒔き続けるために、天候の悪化などにも対応して何年も生き続けられる構造になっているに違いがない。
・・・・と素人の妄想はとどまるところがない。
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そこで2年目は慎重を期して、綿毛1個分のタネ(約80粒ある)をプランターに蒔き、もう一個分は、直接土に蒔き、さらにもう一個分のタネを皿に置いた水で濡らしたティッシュペーパーの上に蒔いてみたが、これも不発で一個のタネも発芽をしなかった。
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そして、3年目になる今年の4月、もう一度チャレンジをしてみた。
昨年と同じ濡らしたティッシュペーパーの上で発芽を待つ方法を一本に絞って再度の試みは、タネを蒔いて15日間・・・・。
オッ! 小さな小さなタネから最初に出て来たのは、小さな小さな根!
そして続いて出てきたのが待望の双葉だ。
ついにやった、1ミリほどの小さな双葉を爪楊枝の先で持ち上げ、土の入ったポットに移す。
この小さな根の部分だけを土に埋めるという細かい作業は老眼の目では難しかった。
*その後もう一つ(都合3つのタネ)発芽をしたが、この細かい鉢上げ作業にに失敗をして、結局二つの綿帽子(タネの数にして約160個)から発芽したのはやっと3個。
そして、鉢上げまで育ったのは二つ・・・3年目の発芽テストでやっとここまでこぎつけることが出来た。
・・・と言うところで今回のお話はおしまいです。
ここから先は、この小さな白花タンポポがどこまで育つのか、いつになったら花壇に下ろせるのか、花が咲くのは来年なのか、この秋なのか・・・全くわかりません。
ここから先も、これまで同様に手探りでの栽培になるので、あてにしないで結果をお待ちください。