三遊亭円生の「夏の医者」という噺の中で、 峠を越えて隣村の爺さまを見舞う途中で一服をして汗を拭いていると、いい風が吹いてきた。
「あ~、いい風だなぁ、こういうのを天国の余り風ちゅうだよ」というセリフがある。
今年の夏はいろいろ多忙な夏で、すっかり雑草に占拠されてしまった菜園に久々に行ってみると、どこが畑で、どこが通路かさえわからない状態になっている。
最優先でしなければならないのはダイコンの種まきで、とりあえず1畝分だけを耕し、青首ダイコンと聖護院ダイコンのタネを半分づつ蒔く。
・・・というのもこのダイコンは、毎年11月下旬に下北沢から収穫体験に来るボーイスカウトの子どもたちに、長芋、里芋と一緒に持ち帰らせるためのダイコンで、種まきが遅れると収穫予定日に間に合わなくなってしまうのだ。
このボランティアはもう20年にもなるが、毎年この時期の夏野菜と秋野菜の入れ替え時期には多忙を極める。
一段落ついたところで、一休み。
いちじんの風が 私のハゲ頭をかすめる。
秋の乾燥した風が心地よい。
天国の余り風というのはこういう風のことを言うのだろうなぁ。
◍オマケのウンチク
この時期の 野良仕事は蚊が多くてやりきれない。
そこで私流の防虫対策。
練りわさびを手のひらに1~2センチ出し、それを 耳の後ろ、首、オデコにも顔中に塗り広げる。
蚊はこのにおいを嫌うのか、寄って来なくなる。
但し、効果のあるのは30分くらいで、匂いが飛んでしまうとまた寄って来るから塗りなおす。
*油気はないから水で洗えばすぐ落ちますが、落とすのを忘れていると、顔のあちこちに練りわさびをつけたまま人に会うことになる。