昨日の午後、飯田橋で電車を降りて外堀通りを歩くと、堀端の街路樹のセミが喧しいくらい啼いていた。
それも、もうミンミンゼミだ。
私の住む海老名市の団地の樹木では、まだ数匹のアブラゼミがやっと啼き初めたばかりだというのに。
缶詰めなんて30数年ぶりくらいのことだった。
いや、食料の話ではなく、昨日の午後は原稿を書くために飯田橋にある出版社で缶詰めになっていた。
事情を話すと長くなるから省くが、どうしても29日中に書き上げねばならない原稿があり、夏休みで孫が泊りに来ていることもあり、家では根を詰めて原稿を書くことも出来ず、任意出頭?の形で出版社に出向いて原稿を書くことにした。
当初、1~2時間もあれば終わる仕事だと高を括って出かけたが、広い会議室にただひとり篭って、午後1時過ぎに書き始めて、ときどき内線電話で編集室で別の作業をしている担当者と相談をしながらの原稿書きが終わったのは午後7時を少し回っていた。
帰り道の外堀通りのセミはもう啼いてはいなかったが、家に帰りついた午後9時近くに団地の夜更かしのアブラゼミはまだ啼いていた。
セミも土地によって生活習慣に違いがあるようだ。
ところで、私が原稿用紙に手書きで書いた原稿は、その後女性の編集者が校正をした後にパソコンで打ち直して印刷所に送信し、紙面に割り付けた後、また編集者に戻され校正をしてまた印刷所に戻されて、本来はもう一度校正をするのだが、今回は時間がなくこれで校了となるという。
制限時間ギリギリの綱渡りのような原稿書きだった。
そして、私は午後の9時前には家に帰り着いたが、そのころはまだ編集担当者は印刷所とのやり取りをしている頃だろう。
新婚間もない女性の編集者は、何とか終電に間に合う時間に終わらせたいと言っていたが・・・。