名古屋の名物に味噌カツ、味噌煮込みうどんに代表される八丁味噌の食文化の他に喫茶店のモーニングサービスがある。
「うどんが出て来る」「茶わん蒸しがついて来る」「お茶漬けも出る」などなど虚実織りまぜた情報が聞こえて来るがどこまでが本当の話か判らない。
私が東京に出て来た1963年頃までにはモーニングサービスなどはなかった。
そして、その究極のモーニングサービスは何と「喫茶店でモーニングサービスを頼むとコーヒーがついてくる」そうだ。
「へぇー、コーヒーまでついて来るなんて凄いね・・・」
当たり前だ! うっかり感動をしてしまったではないか。
同窓会は正午からだから朝早い新幹線で、名古屋入りをしてモーニングサービス(以下M・Sと略す)を見て来よう。
さてここで初心者には問題が一つあった。
それは注文の仕方がわからないという極めて初歩的な問題であった。
ただ「コーヒーを下さい」といえば自動的にM・Sがついてくるのか、「モーニングサービスを」と注文をすべきか迷うところである。
「モーニングで」「モーニングを」「モーニングサービスを」「モーニングセットで」などいろいろなバリエーションを試したがどれでも通じたが、ただ「コーヒーを」という注文では先方から「モーニングはつけますか?」と聞き返された。
名古屋駅の地下街で最初に入った記念すべきM・Sはバイキング方式で10種類くらいのパンから食べたいだけのパンとゆで卵を1個取り分けてくるサービスで480円だった。
私の隣にいた青年は、2度目のパンも取って来たが、そのパンの量は皿の上に10cm位も盛られていた。
では別の店のM・Sは・・・しかしコーヒーだけならとにかく、メタボな私は何軒ものトーストは食べられない。
地下街を歩いているうちにあることに気が着いた。
喫茶店の入り口には、どこもM・Sを宣伝すべく写真入りの大きなポスターが掲示されている。
さすがM・S激選区の街だ。
で、この[M・S図鑑ー1」では先ずは名古屋駅地下街と名古屋の中心部の栄地下街の喫茶店のM・Sの内容と値段を店頭のポスターで見比べてもらうことにする。
栄の地下街から次には、大須観音の商店街に移動してみた。
街は賑わっていたが、この街にはあまり喫茶店が見当たらない。
商店街を1時間も歩き回るうちに古着屋をみつけ、そこで来年のかかしまつりに使えそうな着物を300円で購入した後に、やっと一軒の喫茶店を見つけた。
この商店街は地下街のように喫茶店密度が高くはないから店頭のポスターまではない。
で、最初の喫茶店から時間も経ったことから、ここではM・Sを実食。
ここのM・Sは380円。
さて、ここまでにかなりのスペースを割いたが、話に聞くうどんにも茶わん蒸しにも出会えなかった。名古屋市内の喫茶店はこれまでとして次回「モーニングサービス図鑑ー2」では郊外の喫茶店を見ることにする。