日本語学校からこんにちは ~水野外語学院日本語科~

TOKYOベイエリア,市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

もっと、いろいろなことに興味を持ってもらいたいのですけれども…。特にベトナムと中国からの学生達。

2017-12-07 09:42:42 | 日本語学校
晴れ…ですが、白い雲があちらでもこちらでも、ポッカリと浮かんでいます。

今日も寒い…。もっとも、冬、寒くなかったら、おおごとですね。それに今日は「大雪」に当たっていますもの、「冬至」まで、あと少しです。

さて、学校です。

授業の時、文章読解のために、それらに関係するDVDを見せることがあるのですが、あまり興味を示さず、始めると、すぐ眠ってしまったり、おしゃべりをし始めたりするのは、中国やベトナムから来た学生たち。

その反対に、興味津々となるのは、ネパール、スリランカなどから来た学生達。

「金儲け」とか「現実的で具体的」(自分の生活の範囲内でです。それが一般的で、抽象的なことになるともうだめです)なことであったら、ベトナムや中国の学生も振り向いてくれるのですが、そうでないことにはほとんど興味、関心を示しません。

これはお国柄というべきか、それとも、興味を持たない方が無事安穏に過ごせると、もう、習慣でそう思い込まされているからなのか、どうも後者の方のような気がするのですが

いくつかの放送局があり、それぞれ先を争って、新しいこと、珍しいこと、他の放送局でやっていないようなことを放送したがるような日本の放送局(もっとも、時々政治家からクレームがついているようですが、それも公表されています)とは違い、彼らの国ではいろいろと制限があるのでしょう。

中国も政治的な打算から多くの制限があるようですし、ベトナムも、生活に追われてそれどころではないといったところなのかもしれません。

それから考えますと、財政的な面はともかくとして、ネパールからの学生達は有産階級であるかのように見えます。カネ、カネ、カネ、モノ、モノとはならないのです。

今年の4月から、ベトナム人学生の数が随分減り、反対にネパールの学生が増えてきました。そして、その4月生も、一応『初級』が終わり、今は『中級』に入るための助走段階に入っています。こうなりますと、クラスの雰囲気というか、クラスのある種の傾向に特徴が出て来たような気がします。

日本語のレベルは(ベトナムや中国の学生に比べて)下であっても(ベトナムでは、ある程度、国内で日本語の力が付けられてきます。ところが、ネパールではそうはいきません。ゼロレベルに近いところから始めなければならないような学生もいるのです)、好奇心や言いたいことがあるようなのです。

とはいえ、文章を読み解くための参考としてのDVDです。単語の段階で困ることもあるのですが、それでも対語訳などがあるので、意味はわかるようです。ただし、具体的にはどんなことなのかわからない。世界的に大切なことであっても、国として関心がない、あるいは関心を持ってもらっては困るようなことは素通りされているのでしょう。教育現場に於いても、公共放送であっても。

それだけに、日本で見せられるものには新鮮な驚きがあるようで、反応も今迄とは違うのです。こちらとしても、「そんなに楽しみにしてくれるのか。それではうんと頑張って、もっといいものを捜そう」という気になってくるのです。

日本語を教えるという建前から考えますと、日本語のレベルから考えた方がいい。けれども、大学に行きたいという学生には、それなりの知識というか、わからなくとも、「見たことがあった」くらいのことは知らせておいた方がいい

これまでは、「あれも知っておいた方がいいだろう」とか、「これも見せてやりたい」などと欲張って、家に帰ってからも、テレビに釘付けとなっていたのですが、ベトナムからの学生が増えていた時期には、もう、録画しても無駄だな的な気持ちになり、そろそろ、自分も卒業しようと思っていました。。

だいたい、家に帰ってからも、自分のことができないのです。あれがなかったら、かなり解放される…と、そんなやる気のない自分になりかかっていました。ところが、今年の4月生、「今日は何ですか。何でも見たいです」と来る。

コイツは困った…です。もう、そろそろ自由になろうと思っていたところでしたから。

もし、昨年、昨昨年同様、ベトナム勢が多かったら、止めていたでしょうね。こちらが準備してもしなくても同じでしたから。こちらとしては、教える文章の理解を助けるために見せようとしていても、途端に私語を始めたり、眠られたりするのであったら、見せるよりも漢字を一つでも覚えさせた方がいい。

そういうわけで、またテレビとお友達になる生活がしばらく続きそうです。だって、見ることによって理解も知識も増えていきますし、日本人と話せることも増えていけば、いい人達と知り合いになれる機会も増えていくことでしょうから。

どこの国の人だって、同じなのです。足りないのは知識だけなのです。知らないから話せない(日本人の場合は知っていても、相手の国のことばで表現できないから知らないと思われるだけなのですが、彼らの場合は違います)。

ネパールの学生に「環境問題」について話した後、「ネパールも大変だね」と言いますと、「ネパールにはそんな問題はない」という返事が返ってきて、驚いたことがありました。地球温暖化によりヒマラヤの氷が溶け、大きな池となり、もしそれが決壊すれば下流の村が大洪水に見舞われるかもしれないと大騒ぎになったことがありましたから。ところが、「そんなこと、聞いたこともない」。…えっ?本当ですか。「本当に知りません」という返事。

急には無理であろうとも、一年生のうちからできるだけたくさん文章を読み、関係がありそうなDVDを少しでも見せていけば、ちっとはどうにかなるかもしれません。まずは「視覚」から。聞き取り、読解はその後のこと。最初は慣れることからですね。そして、一番大切なことは興味を持ってもらえることなのです。

日々是好日
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