日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

今週から、「新学期」が始まりました。

2016-09-02 08:29:09 | 日本語学校
曇り。時々晴れ。

今朝は涼しいですね。「もう秋です」と言いたくなるほどに。…でも、実際は9月になったばかり、台風接近が続くであろう9月になったばかりなのです。

とはいえ、「セミ(蝉)」の声がパタリと絶え、草むらから虫たちの声がか細く聞こえてきています。

「セミ」を説明するとき、私などは壁にへばりついて、「ミーン、ミーン」とやってみせるのですが、その意味に気づいた学生が、他の学生に説明する時には、仰向けに死んでいる「セミ」のまね。いやはや、…でも、そうなのですよね。彼らは、「セミ」の声を辿って、樹を見上げたりはしませんものね。地面に落ちているあの姿を思い出し「ああ、あれか」と思うだけなのでしょう。

さて、学校です。

今週から二学期が始まりました。スリランカの学生達は、総じて、学校に通っていたときよりもスムーズに話せるようになっているものですから、心配はしていなかったのですが、(「生活日本語」に長けており、アルバイトに足るだけの日本語は、たいてい、聞き取れ、話せるようになりますから)、問題なのはベトナムの学生たち。

休みが続くと覿面に落ちます。音が正確にとれなくなり、発音もあいまいになって、さあ、大変。それのみならず、語順も、ベトナム文法でやろうとしはじめますから、何が何だかわからなくなってくる。果ては、日本語のようだけれども、何語なんて言われるようになってしまう。

で、これまでの経験から、そうなってはいまいかと畏れていたのですが、思いの外に、…大丈夫でした。

これはアルバイトが関係しているのでしょう。以前の学生達は皆、工場でのアルバイトでした。が、最近は、(同国の)先輩たちに紹介されて、レストランなどで働けるようになっているのです。

以前は、学校に来ぬ限りは、日本語を聞いたり、使ったりするというチャンスはなかったのですが(部屋に戻れば、同国人との会話ですし)、休み中も、レストランで働けるとなりますと、「耳」は学校にいたときと同じレベルか、少しぐらい落ちるとしても、それほどの事はない…ということになります。

多分、彼らが国にいたときには、日本に行けば自然に話せるようになると思っていたのでしょうが、実際は大違い。アルバイトが工場でラインに乗っかってのものですと、まずは話すチャンスなんてありませんもの。

せっかく学校で学んでもそれを使う機会がないと、いつの間にか「(日本語の)音」は消えていき、あやふやな音(ベトナム的な音)と化していきます。

学校では、その都度注意していても、生活の中にそれを生かされる場所がないと、弱いものです。すぐに「母語の音」に戻っていきます。

今年来た学生達は、まだ定着といった段階(来日後半年ほど)ではありませんから、大変です。ところが、それほど落ちてはいなかった…(もちろん、「発音」が良くなってはいませんでしたけれども)。これだけでも「御の字」です。

これまで通り、休むことなく学校に来て勉強を続けていれば、「雨垂れ石をも穿つ」です。

きっと彼らの希望通り、進学でき、日本の会社に就職することもできるでしょう。日本人は、真面目な人が好きですから。

日々是好日
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