日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「台風による『突風』」。「なかなか聞けない『セミ』の声」。

2011-07-21 08:37:56 | 日本語の授業
 昨日は「豪雨」が断続的に降りました。折悪しく、帰る時にザーッと来た組は「わああ、センセイ、雨だあ~」。「止むまで待とう」といければいいのですが、アルバイトの時間が迫っている学生にはそんな余裕はありません。「ええい」と、がむしゃらに自転車を漕いで帰らなければならないということになります(大丈夫だったかな。この雨も降っても数分で止んでしまうのです。降っている時はすごいのですが)。

 そして、今日は「突風」です。台風は遠ざかっているように見えたのですが、この風は「(台風の)置き土産」なのでしょうか。

 しかし、いつもながら、草花は勁い。ちっとやそっとの風では、びくともしません。ベランダにおいてある鉢植えの花も草も、右に左にと、大きく体を揺らしながら、それでも健気に立ち上がります。もしかしたら、人間が匍匐前進で前に進まなければならないようなときでも、彼らは平気で、軽く頭を下げるだけで終わるのではないかしらん。

 実は、この夏の、暑さ対策として、鉢の下に、人工芝を敷いていたのですが(つい、先週のことです)、「いざ台風が来て大風が吹く」ということになりますと、少々早まったことをしたと悔やまれていたのです。随分、座り具合が悪くなったようにも見受けられましたから。もっとも、人工芝も、パチンパチンと嵌め込んでありますから、これを外して、片付けるというのも大儀であると、ナマケモノの一族としてはそんなずるいことまで考えていたのです。けれども、彼らはへこたれてませんね。人間のちっぽけな思いつきなど構っちゃいられないとでも思っているようです。

 ところで、先週の土曜日、買い物帰りに、ジリジリジリジリ、ジー、という声を聞きました。「これは、あれれ、あれ、『セミ(蝉)』…の鳴き声!?」。慌てて自転車を止めて、足でヨタヨタとバックさせ、その声がしたであろう木のそばまで行き、蝉を捜します。どうも蝉の声を聞かないと夏が来たような気がしないのです。聞けば、いよいよ暑さが増すであろうに、習性というのは恐ろしいものですね。しかしながら、いくら、生い茂った葉っぱを透かすように目を凝らして見ても、蝉の姿を見つけることはできませんでした。

 思わず、一瞬でしたけれども、まさかテープではあるまいな。

 けれども、これは、あり得ないことではないのです。かくいう私だとて、実は、この夏、数回、インターネットで蝉の声を聞いていたのですから。なかなか姿も見せず声も聞かせてくれないセミに業を煮やした、ある人が、音量を上げて、聞いているのではあるまいか。それを私が耳にしたのではあるまいか。はたまた、悪くとれば、道行く人が「あれ」と驚く姿が面白くて、だれかがやっているのかもしれない…などと、せいでもいいことをあれこれ考えてしまいます。

 これも、なぜかと言いますと、私は数回、「ウグイス(鶯)」の声の偽物に引っかかったことがあるからなのです。しかも、「違う場所で」ですから、同じような嫌なヤツが、どこにでもいると見えます。

 最初は有頂天になりました。街中で「ウグイス」の声を聞くなんて、これはもう私だけであるにちがいないと天狗になってしまったのです。嬉しくて嬉しくて、聞いた当座は、もしかしたら、顔も輝いていたかもしれません(?)。何と言いましても、「初音」ですから。

 ところが、「初音」の鑑賞と気負い込んで、その場に立って耳を傾けていますと、どこか、おかしいのです。声の調子も同じ、高さも同じ。長く尾を引くように囀るそのリズムも同じ、どこか機械的なのです。こんなことなんてあり得ませんから。

 そこで、注意しながら聴いてみますと、どうも声は、近くの民家の二階から聞こえているようなのです。ムカッ。…で、がっかりするよりも先に、むかっ腹を立ててしまいました。人を馬鹿にしてやがる。

 聞いた時の感動はどこへやら、「聴かなきゃよかった。興ざめだ」とプンプンしながら、帰ったという始末。思わず、この時のことを思い出して、身構えてしまったのです。でも、…まさかね。

 とはいえ、台風も関東地方を襲う頃となりましたし、近くでは「ノウゼンカズラ(凌霄花)」が、半ば野生化したような逞しい姿で灌木に巻き付いていましたし、「ヘクソカズラ」があちこちで姿を見せていますし、おまけに早朝、草むらで虫の声まで聞いてしまいました。「秋やなああ」。

 そういえば、台風のおかげで、今日は、久しぶりに涼しくなりました。下手をすると、セミの声よりも先に、秋の「虫の音、すだき候」となるかもしれません。

 日々是好日
コメント
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