日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「新学期、第一日目」。

2010-08-24 09:49:20 | 日本語の授業
 今日も暑い日になりそうです。

 さて、昨日は、「新学期」第一日目でした。
 学生達の様子はどうだったかと申しますと、まあまあ…でした。少々の例外を除けば、まあ、よしとしなければならないでしょう。これはクラスのレベル(『初級Ⅰ』、『初級Ⅱ』などの)によって違いが出て来るようです。

 例えば、『初級Ⅰ』の前半で「休み」に入った場合と、『初級Ⅱ』の中ほどで「休み」に入った場合とでは、「休み中」、同じくらい怠けていても…「休み明け」の状態が違うのです。

 『初級Ⅰ』で「休み」に入った場合は、多少勉強を怠けていても、まじめにやっていた人に比べて、それほどの差にはなっていないようなのです。却って、日本に馴染んだという部分がプラスに働いて、「休み前」は、ほとんど勘が働かなかったところも働くようになった…かに見える人すらいるのです。どちらにしても、この段階では、「休み前」、学校で学んだことは、それほど多くはありません。しかも、中には、当時、突然に「日本語なるもの」を聞き、目を白黒しながら教室に座っていた人さえいたのですから。

 もちろん、「休み中」も勉強を続けていた人は、「数」にしても、「日にち」にしても、正確に覚えています。そこは差が出ます。これは仕方がないことなのですが、単語を忘れているにしても、クラスの空気は、それ故に緊張するというようなことはないのです。それどころか、「久しぶりに教室に出た。前は聞き取れなかったのに、何となくわかる気がする。へえ、もしかして、私、上手になったのかな」といった余裕すら感じられるのです。

 それにひきかえ、問題は『初級Ⅱ』です。差は歴然たるものでした。「夏休み中」に日本語から遠ざかっていた学生と、コツコツと宿題に励んでいた学生との差が、これほど大きくなるとは考えてもいませんでした。

 「学生」と、ここで私が言っているのは、「非漢字圏」の学生のことです。「漢字圏」の学生は、「休み前」と「休み明け」とで、はっきりと感じられるような違いはありません。それに、多少サボっていたとしても、今週は、授業でも復習をかなり取り入れていきますから、それで十分補えると思います。ところが、「非漢字圏」の学生はそうはいかないのです。『初級Ⅰ』の範囲であれば、どうにかなっていたかもしれないくらいの学生でも、授業中にリピートが出来なくなっていくのです。『初級Ⅱ』は、一文がかなり長くなっています。その上、一文の中に含まれる文法事項も一つや二つではありません。単語の数も比較にならないほど増えていることですし。

 これまでは、「休み明け」の初日にこういう比較をしたことがありませんでしたので、気にもしていなかったのですが、気をつけて見てみると、どうも、なかなか面白いものです。

 それから、『上級Ⅱ』のクラスでは、「夏休み」の影響は、まだ表面的には出ていません。オープンキャンパスに行って、日本人学生や先生方と話をし、大学進学が現実味を帯びて来た学生や、大学院への進学を考えている者の中には、教授方との連絡など、目の前にすでに道が見え始めている学生も出始めたようですから、日本語の勉強云々というよりも、実際的な面での勉強が始まっているのでしょう。単語の数や文法の理解などと言ったものは、専門分野に関する書物を読んでいくうちに身につけられるでしょうし。

 「夏休み」というのは魔物ですね。これまでは、「休み中」の補講が長く、「夏休み」がないと学生達から悲鳴が聞こえている…ような状態だったのですが、今年のように十分に長期休みがあると、母国で勉強の習慣がきちんと付けられている学生と目的意識を持っている学生は強いけれども、勉強の習慣も付いていないし、目的も別にないといった学生は、やはり、外国へ来ても、さあ勉強とはいかないようです。

 とはいえ、「休み」は明けました。「休み前」と同じように、宿題をしてこなければ「カーン」とやられます。しつこくチェックも入ります。勉強の習慣が出来ていなかった学生も、習慣がないではすまされません。直に「勉強モード」に切り替わることでしょう。

日々是好日
コメント
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