日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「『留学生試験』終了、今日から『日本語能力試験』」。

2010-06-21 08:23:15 | 日本語の授業
 昨夜一晩中、かなり荒れていたようです。早朝の道には、木の葉どころか、折れた木の枝まで落ちていましたから。風も、随分強かったようで、部屋の中まで風の唸り声が聞こえていました。まるで、エミリー・ブロンテの世界です。

 さて、昨日は第一回目の「留学生試験」でした(次は11月です)。今回は皆、「日本語」だけで受験しました。去年の学生は「日本語」以外に、大学を受験するために必要な「数学Ⅱ」「物理」「化学」も受けると言っていましたが。本人は(試験が)終わってしまえば、「やれやれ。これでしばらくはのんびりできる」くらいのものでしょうが、教員の側から言えば、「受けるまで」と「受けてから」が忙しいのです。なにせ、7月4日には「日本語能力試験」が待ち構えていますから。

 というわけで、一つ終わって、ホッとしている学生たちには申し訳ないのですが、今日、「Dクラス(四月生)」以外は、「日本語能力試験」のための模擬試験を行います。

 今年から「日本語能力試験」では、従来の「二級」と「三級」の間にもう一つ「級」がもうけられ、しかも、名称も「N1」「N2」「N3」「N4」「N5」となりました。つまり、「N1」「N2」が従来の「一級」「二級」で、「N4」「N5」が従来の「三級」「四級」に相当するのです。そして、その狭間を埋めるような形で「N3」が作られたのです。

 確かに「非漢字圏」の学生たちにとって、「二級」の壁は厚かった…。「日本語能力試験」の「四級」か「三級」レベルで、この学校に入った学生でも、在学中に「二級」に合格したのは微々たるものでした。合格すれば、もうそれこそ、万歳三唱です。

 「漢字圏」で、大卒者であれば、かつては、半年くらいでも、「一級」に合格させるのはそう難しいことではありませんでした(もちろん、本人に母語のレベルでの読解力がなければ駄目ですが)。普通は、「聴解」は駄目でも、「読解」で、かなりの高得点がとれます。文法も理解さえできていればほとんど問題はありません。それに、「文字語彙を」は丸暗記できますし(これはすごいです。すぐ忘れてしまうのが玉に瑕なのですが、二週間くらいで、多分根性で、暗記できるのです。一級範囲くらいだったら)。それに、第一、「読解」の得点が高いのです)。

 ただ、この方法は空しいものです。「合格している」というだけのことで、何の役にも立ちません。何せ、日本にいれば、周りはすべて日本人。「一級」に合格していれば、だれも手加減して話してくれなどしません。それで判らないとでも言おうものなら、「えっ。『一級』に合格しているのに、判らないの?」と非難のまなざしで見られるに、決まっています。

 その上、これからは、三分野(言語知識・読解・聴解)で、平均的に点を取れないと合格できないそうですから。「『聴解』はゼロだったけれど、【文字語彙』と『読解』で満点だった、それで『合格』できた」は、不可能になります。

「Cクラス」は、おそらく明るいでしょう。まだ「文章の難しさ」の区別がつくほどにはなっていないでしょうから。午後の二クラスはどうでしょうか。まあ、今から思い煩ってもしょうがないこと。今日からは「日本語能力試験」です。それ目指してやっていくしかありません。

日々是好日
コメント
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