柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

相反

2011-05-25 08:03:09 | Weblog
原発事故の事故調査・検証委員会のトップに畑村洋太郎さんが就いたとどの新聞も大きく採り上げてます。新聞にもこの人のプロフィールが載ってますが、失敗学というジャンルを作ってあれこれ本を書いている人です。事故が起こった時にとかく犯人探しして、つるしあげて、個人の責任、能力欠如、注意不足に事を収束終息させがちだが、ハインリッヒの法則などを引用して失敗(事故)は個人の問題ではなくシステムの問題だと言う説です。To err is human,to forgive is devine.これです。選考理由についての仙石さんのコメントが載っていて、この分野(失敗学でしょう)の権威であり、原発と利害関係のない人だからと。今までは金も何も貰ってないということですけれど、さてこの地位に就いたらどうなりますやら。思いもよらぬ手口で言い寄り搦め捕り籠絡していくのが敵さん(原子力村構成員)の手口ですからね、今後を保障するモノでも何でもないことなんです、所詮はこの人も学者さんに違いないので。で、中国新聞の記者はこの人の論調を取り上げて、個人の責任を追及しすぎると本点を逃してしまうという人である、つまり却って責任の所在が曖昧になってしまうかもしれない、国民感情に沿わぬ(誰かをつるしあげろ!という感情ですかね)結果になる危惧もあると書いてます。産経新聞は社説で、この委員会の強制力のなさを指摘しています。何だかこういうのが多いことですね。調査しても直せと言えないとか、悪いとわかっても罰せられないとか。そんな会の言うことを誰が聞くのよという話です。今回のこの委員会もその類のようで、社説が指摘糾弾するのは、委員会の委員任命が国会の承認不要で首相にその権利があることで、つまり、今首相の事故当初の指示や判断が問題になっているところです、それを調べる委員を首相が選んだんじゃぁダメでしょうにということです。至極真っ当。原子力村とは利益相反しないけれど、首相とはきっちり相反するんですからね。首相に都合のいいような結論が出易いわけです。もっとも、そんなこと疑われながらこの学者もやりたくないでしょうけれどね。さてこっちも涙の(怒りの)辞任劇に移りましょうか。まずはお手並み拝見といったところですが、システムの不備、それはそのまま原子力村のズルズルさなのですが、そこに斬り込むって言ってもこりゃものすごい抵抗勢力(これも何だか懐かしいフレーズになってしましました)に挑む仕事です、多くは期待できません、だって大した強制力ないんですから。誰々が悪かったとやった方が簡単ですけれど、それじゃぁ天下国家の計を立てられぬわけです。次の事故を起こさぬための徹底解明。言葉にするのは容易なことですがとてつもなく高い壁が聳え立ってます。嗚呼。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする