柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

民主

2011-05-04 07:59:45 | Weblog
ビンラディン抹殺作戦完了の余波は?と言うほどには新聞書きたてません。古館の番組ではパキスタンは妙な国だという捉え方でしたか、つまりアメリカ側なのかそうでないのか。タリバンは、復讐してやるパキスタンとアメリカに、と明確です。寝返ったのか、小早川の様に。元々反アメリカではなかったのか日和見に。という「妙」さなのでしたが、交渉事ってのはそういうもんでしょうし、札束で頬叩かれれば揺れるものでしょうし。復讐劇がどう展開されるかですか次の見物は。10年前みたいな派手な奴なのか、地味に要人狙いか。反米勢力を集められれば、イランとか北朝鮮とか、それこそ核攻撃も不可能ではないんじゃないかと思いますが、そこまで破壊する「意欲」があるのかどうか。タリバンの存在目的は何か。中近東からのアメリカ排除なのか、それともそういうタリバンの活動への攻撃を止めろでいいのか、もっと卑近なバーターでいいのか(つまり資金援助という名の飼い殺し)そこのところです。この10年は物量に任せて強硬手段に訴えてきた、あの時振り上げた手をずっと振り下ろさなかったのはそういう「交渉」だったわけです、テロは許さぬという意思表示であったわけです。ブッシュが相手を悪と決めつけた時(つまり俺たちは悪くない、俺たちは被害者だと決めつけたわけです一方的に)からここまで来なければ果たせなかったわけですその目的もアメリカのメンツも。で、とうとう殺せて、ミッションは完了です。ここから次の交渉でしょうが、どう抑えつけたいのでしょうかアメリカは。新聞に写真が載ります、オバマ、クリントンの顔と他は軍の幹部たちでしょう、みな平服で(こういうところ日本人のように作業着つけないところアメリカ的)TV画面に食い入ってます。10年間、多くの犠牲を払ってやっと果たせた成果ですから。でも何百年何十年経っても人の社会や集団の利害解決方法はこういう単純な暴力なのかと溜息モノではあります。こういう過激に(野蛮に、粗野に、乱暴に、非知性的に)走らないようにする装置がみんなの意見を採り入れようとする民主主義のはずですが、それでも止まりません。何故か。多数決という独裁専制に劣る手続きを採っているからです。「みんな」という概念が嘘で空疎であるからです。どうにでもでっちあげられる操作できる代物だからです。結局よく考えてるよく知ってるごく少数の賛成論者と反対論者の間にわんさかいる、何も知らない何も考えられないバカどもの右手に依存しているからです。最良の統治形態は賢帝による独裁政治専制政治とよく言われます。馬鹿に振り回されるのがまずいからフランス革命が起こったのでしたが(あいだを端折りすぎですか、身分制度や搾取形態、アンシャンレジュームを言わないと点数はもらえませんが)、手に入れた民主主義も劣らぬ愚制ではありました。これは何も国だけの話ではありません、あなたの町の首長と議員達との関係であり、あなたの所属する会合での決定手続きそのものです。あなたは問題をきちんと理解した真っ当な賛成者ですか反対者ですか、それともそんなことはどっちでもいい、ただの参会者ですか?いいえ所詮は、人は集団は右だろうが左だろうが決められた方向に進むしかないし、そっちに向かうしかないのです。だからどっちでも同じじゃないかという考え方もできるのです。どっちでもいい、はちゃんとした意思表示だという意見もあるのでしょうし、事実世の中は、族長や君主が決めたにせよ、佞臣奸臣が決めたものにせよ、議会で多数決で決めたものであれ、何千年もこうやって回ってきたのですから、民草は旗振る人に従うしかないのですから達観として結果論として「どっちでもいい」はどっちでも一緒という色即是空に繋がっていくわけですが、いいえ、そんな俯瞰ではなくて、実際の決定についての話です。9・11の復讐劇は一応終わりました。西部劇映画のように終わりました。オバマは公約達成という感覚でいるのでしょうね。俺の言うこと聞かねぇ奴ぁ死んでもらうぜ、というやくざの決め台詞に寸分違わぬことではありました。保安官気取りなんでしょうか、それともカポネ?
コメント
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