柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

才能

2008-10-18 08:41:39 | Weblog
昨夜BSでカーペンターズの特集やってました、ご覧になった方多くいらっしゃいましょうか。案内役というか講釈垂れに萩原健太とつのだヒロですた。どうしてつのだヒロ?私が訳を知らぬだけかもしれませぬがどうして?カレン(妹)がドラム叩くから?それくらいしか繋がりがないように思います。萩原健太は業界では有名な音楽評論家です、得意はビートルズやらプレスリーやらだったと思います。全編を見たのではないですが、この二人がそれほど役に立ったとも思わなかったですね、ただカレンがドラム叩く場面でつのだヒロがあれこれ言うのは面白かったです、曰く、彼女には絶対音感ならぬ絶対リズム感があると。絶対リズム感?つまりこういうことだそうです、絶対音感とはある音をピンと出す、その音の高さがわかる才能です、それに対する絶対リズム感とは例えばある場所で録音して、その曲の続きを別の日に別の場所で演奏しても、前のテイクを聞かずとも同じ早さで(リズムで)叩ける才能だそうです。へぇ、初耳でした、なるほどなぁと思いました。カレンは唄は上手ですが、ドラムも叩けるってのも当時から有名なことでした。でも、当時のTVに出てくる映像でドラムを叩く姿なんかめったにありませんでした。知識として知っている、写真で見るだけのことでした。その昔、それこそ30年も前に京都でカーペンターズのコンサート見ました、びっくりしたこと二つ、一つはレコード通りのハーモニーが大音量で目の前に繰り広げられることへの単純な驚き、もう一つはカレンのドラムの巧さ。お兄ちゃんちょっと待ってよなんて日本語で話して会場の笑いを誘って、叩く叩く、これがまた巧いんです。遠目に、二階席から(安い席から)見ているだけでしたが、ちょっと上手な女が叩くって風情じゃないんです、バリバリ。あの印象はとても強いんです。で、昨夜の映像です。70年代を思わせるに十分なあのかすれた色あせたような画面、今のデジタルの綺麗な映像との隔たりが時代を感じさせるし胸が締まるような懐かしさが沸き上がる画面でしたが、その中でドラム叩いている彼女の姿に改めてびっくりしました。あれだけ叩いて息が切れない、口パクじゃないのもわかるから余計に凄さが迫ります。昔日本のグループサウンズでもドラムが唄うのがいくつかありましたね、カーナビーツのあい高野、ワイルドワンズの植田。でも連中唄が息切れしてましたものね、唄に気が行くとドラミングが明らかにおざなりになって。違いましたよ彼女は。つのだヒロが絶賛するのもさもありなんでした、素人目にもすごい。そしてやっぱり唄がうまいわ。声がいいんですよね、これはどこまでも天性。ヒット曲はたくさんありますが、 Only Yesterday が好きでした。この曲名の意味がなかなかピンとこずに打ちすぎていたのですが、最近何か全く別ジャンルの文章の中にこの言葉が出てきて、ほんの昨日のことなんだよという意味で使われていました。単語が容易なだけに意味が分かりにくいのはよくあることですが、このフレーズもその典型じゃないんでしょうか。only という単語のニュアンスの深さを感じたことでした。彼女の亡くなり方が亡くなり方だったので、それだけで敬遠する向きが多いことですが、一時代を築いたグループ(兄妹)だったことは確かなことでしょう、彼女の才能に改めて驚きながら思うことでした。
コメント
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