柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

欲望

2008-10-15 08:42:03 | Weblog
リーマンブラザーズの元トップが私の責任だったと認めてました。公的資金の注入が各国で行なわれ、株価は一時的(かどうかはわかりませぬが)に持ち直してます。TVや新聞の解説やらレクチャーものなどを読むに、結局どこも金回りが悪くなって、どこが焦げ付くのかわからない(疑心暗鬼)から金を貸せない、金を借り入れられないという状態。金を貸して(投資して)利鞘を稼ぐのが金融機関の仕組みです(なんでしょう?)から例えば自転車操業しているところ(この前倒産した日本の保険会社もそうだったんでしょう)へ金が回ってこなければ即、という顛末になろうとは理解し易いところです。そのきっかけが耳タコになってるサブプライムローン、貸し倒れ問題。大きな利益を見込んで(ここがきっかけ中のきっかけです、焦げ付かせた方、借りた方、貸し付けられた方、返済できなかった方が悪いという事なんでしょうが、貸す方が欲をかいただけのことです)計算通りにいかなかったという図。話は単純なことなんでしょう。で、アメリカでの記者会見が放映されているのを見ていたら、こういう発言がありました、今のシステムでは欲望を抑えられないと。TV放映ですから切り取った言葉です前後の脈絡は不明なのですが、非常に印象的というか、この言葉で何だか謎が解けたような気になりました。欲望。マルクス主義(社会主義、共産主義)は人の欲望を抑えつけることによって成り立つ思想、人の欲望は決して抑えつけられないもの、だから破綻もした、だから粛清に次ぐ粛清といった恐怖政治を敷くしかなかったという評価があります。人より豊かな生活をしたい、人より沢山金を持っていたい、人より高い地位につきたいなどなど人の生きる上での一番のモチベーションである欲望をもぎ取るという無茶が是なのか非なのか。それを非としてさらに競争を自由にして自分の工夫でいくらでも上昇できる社会が資本主義だと、比較論的に定義できましょうか。で、確かに資本主義自由主義社会は産業発展を成し遂げました。社会主義は50年足らずで破綻しました。しかし、欲望はきりがないわけです。もっともっと。サブプライム問題も金儲けのひと手段に過ぎなかったわけです、あれだけ大転けしたのですからさぞやハイリスクだったのでしょうしそういうことは皆分かっていたはずですが、上手くいけばハイリターンだったのでしょう、だから大量に貸し付けた。欲望。資本主義の根幹ですが、それが資本主義で作り上げた社会を潰していくという皮肉です。清水寺の住職ではないですが、この一連の金融危機経済混乱を一言で表すなら欲望、これでしょうね。何だかストンと腑に落ちた気がしています。ならば解決にはこれしかないでしょう、辛抱。我慢しろ!違いますかね。
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