写真①:「恋の浦」海岸の絶景に見取れる主人公・立川浩幸(左)と花田福子
・連載エッセー『一木一草』
第32回:『ここにある幸せ』放映
NHK福岡放送局制作の「福岡発地域ドラマ」
『ここにある幸せ』を視聴して
NHK福岡放送局制作の平成26年度「福岡発地域ドラマ」『ここにある幸せ』(津屋崎物語)が、1月16日(金)午後7時30分からの総合テレビ(九州沖縄ブロック)で放映されました。
東京で暮らす立川浩幸(28歳。松田翔太役)が会社勤めのノルマや人間関係に疲れて仕事を辞め、小学校5年生の時の級友が転校して行った福岡県の小さな港町・福津市津屋崎を訪れ、古民家に独りで住む級友の母で明るく話し好きな花田福子(72歳。宮本信子役)と出会います。津屋崎漁港や干潟など福子の様々な思い出の場所へ連れ回されて恋愛談や苦労話を聞かされ、「恋の浦」海岸の絶景=写真①=や人情に魅せられ、生きる力と喜びを感じて「ここが自分の古里だ」と確信。そして、福子の人生を聞き書きして綴った本・「ここにある幸せ」=写真②=を贈り、東京での同棲相手で愛想をつかされた恋人・高梨千恵子(中村映里子役)を呼んで「恋の浦」の絶景を見せ、「素敵でしょう。いい所でしょう。気に入った?」と自慢し、「うん」と同意を得るシーンで終わる感動ドラマになっています。
写真②:主人公の立川浩幸が花田福子に贈った福子の人生を聞き書きした本・「ここにある幸せ」の表紙
この終わりのシーンで流れるテーマソング『ここにある幸せ』(竹中あこ作詞・歌、大森俊之作曲)も、ドラマのイメージにぴったりの感じでした。
「自分の人生には何も無い」と生きる目的を見出せなくて悩む浩幸は、東京から戻って半年後に肺炎で亡くなったという級友が福子に「浩幸君は、すごいよ。お話を作るのがうまい。きっと小説家になる」と言っていたと聞かされます。福子から「生きるのがうまくいかないのなら、ここから行き直せばよか」と励まされ、福子の人生を聞き書きした本のプレゼントを思い立ちました。「自分の得意なこと、やりたいことは何なのか」に気付いた浩幸の想いに、私もhttp://blog.goo.ne.jp/magpie03/e/1a7949ce9e8d34b851afc4027cf0c7f4">「本当にやりたいことは」を作詞した時の気持ちが重なりました。2011年に1番から4番まで作った歌謡詩で、1番は次の通りです。
本当にやりたいことは 何なのか
自分がやりたいことは 何なのか
子供のころに楽しかったこと
これまで得意だったこと
わくわくすること 生き生きすること
それが自分に納得できること
それをやったら喜ばれること
本当にやりたいことをやればいい
浩幸のように悩める若者に、
〈これまで得意だったこと
わくわくすること 生き生きすること
それが自分に納得できること
それをやったら喜ばれること〉
を見つめ直し、前向きに生きる道を見つけてほしいと思います。