写真①:津屋崎海岸を散歩のイメ-ジ・イラスト(沖合中央に相島、右端に大峰山)
ほのぼのとした気持ちになれる
麦野裕さんの『津屋崎のイメージ・イラスト』
福津市津屋崎生まれで、「津屋崎千軒 海とまちなみの会」会員の麦野裕(ゆたか)さん(千葉県在住)が8月11日、「教安寺」にあるご先祖の墓参で里帰りされた。私と同じ69歳です。新幹線の中で描いたという「津屋崎のイメージ・イラスト」をいただき、古き良き時代の津屋崎の風景イメージが懐かしく感じられ、ほのぼのとした気持ちになりました。そのイラストのうち10枚を紹介します。
1枚目=写真①=は、津屋崎海岸を散歩し、沖合の相島(福岡県新宮町)と、自然公園や戦艦三笠を模したモニュメント、日本海海戦紀念碑、東郷神社のある渡半島・大峰山(標高114㍍)を描いたシーン。青い海の上には笑顔の太陽が輝き、白砂の浜辺では手をつないだ猫たちがステップを踏んでいます。
2枚目は「津屋崎名物の鯛」=写真②=。津屋崎海水浴場の民宿で味わった鯛茶漬けや鯛の吸い物などが美味しかったという。「魚釣り」と題した3枚目のイラストには、人魚も描かれています。むかしむかしの津屋崎の海には、人魚もいたかもしれませんね。
写真②:「津屋崎名物の鯛」(左)写真③「魚釣り」のイラスト
4枚目のイラストは、モノクロで描いた「津屋崎海岸のイメージ」=写真④=。ゴーギャンのタヒチの作品を思わせるタッチです。青春を謳歌する若いカップルが、躍動していますね。
写真④:モノクロで描いた「津屋崎海岸のイメージ」
毎年7月に行われる「津屋崎祇園山笠」を描いた5枚目のイラストは、男衆ならぬ〝猫衆〟が津屋崎人形の飾り山を「波折神社」前で担いでいます=写真⑤=。6枚目も、モノクロで描いた通称・「塩倉庫」=写真⑥=。明治末に廃止された「津屋崎塩田」の面影を残す「熊本塩務局津屋崎出張所庁舎附属文書庫」です。
写真⑤;「津屋崎祇園山笠」写真⑥「塩倉庫」
7枚目のイラストは「在自山を望む」=写真⑦=。標高249㍍の里山を望む津屋崎の田園風景は、気分爽快になるという麦野さんの気持ちを散歩する猫が笑顔で表しています。
8枚目は「宮地嶽神社」=写真⑧=。猫や牛たちが、日本一の注連縄を笑顔で見上げています。
写真⑦:「在自山を望む」写真⑧:「宮地嶽神社」
9枚目のイラスト・「旅のイメージ 1」は、麦野さんの津屋崎への思い出をたどる道が描かれているように見えます。猫の体がループ状になっており、津屋崎の魚や草花、鳥や亀たちと触れ合った子供のころの体験が走馬灯のように脳裏に浮かんでいるのでしょうか。
写真⑨:「旅のイメージ 1」
10枚目のイラスト・「旅のイメージ 2」=写真⑩=には、津屋崎のイメージが網羅されています。陸の猫や犬、鶏、草花、緑の樹木、海の魚や亀、そして人魚、空を飛ぶ野鳥や蝶……。夜空を照らす月と輝く星も描かれ、豊かな津屋崎の自然が感じられます。
写真⑩:「旅のイメージ 2」
麦野さんは、玄海国定公園指定や県立水産高校の誘致、西鉄宮地岳線津屋崎駅延伸などに貢献された麦野時夫・第12代津屋崎町長の孫で、神戸大学理学修士・物理化学専攻を終了後、出光興産に就職。定年退職後も、(財)日本自然保護協会・自然観察指導員や環境省認定環境カウンセラーとして活躍されています。2006年に刊行された著書・『幸せの植物楽(がく)』(新生出版)で、津屋崎について「玄界灘に面し白砂青松、夢まどろみの郷」と書かれておられます。そのイメージがたっぷり描かれた童心あふれるイラストを、楽しく拝見しました。