とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2021栂海新道縦走ツアー:3日目朝日小屋停滞

2021-10-06 18:36:45 | 山登り
深夜2時頃、朝日小屋の部屋で寝ていると突然大きな音が鳴り響いた。すわっ、地震か!と思ったが、揺れはなく、何だったのかと思いながらそのまま寝入ったが、しばらくすると、再び大きな音と稲光が続いた。何と雷が小屋の周辺に落ちていたのだ。その後も、何度も稲光と共に大きな雷鳴が轟いていた。雨音も激しくなっていた。

雷は、明け方には収まったが、雨は降り続いている。この状態では、尾根伝いの栂海新道では、再び雷雲が来たら逃げ場がない。また、雨の中強行して進んでも、無人小屋である栂海山荘では、冷えた体を温めることもできない。メンバーと相談して、もう1日朝日小屋に連泊することを決断する。

幸い、朝日小屋では携帯の電波が飛んでいて、いろんな場所への連絡は済ますことが出来た。この日、雨の中小屋を出て行ったのは、蓮華温泉方面に下山する登山者だけであった。栂海新道に行く登山者は誰もいない。午前中は、何もすることがないので、本を読んだり、寝ていたりとゴロゴロして過ごす。

連泊したのは、我々ともう一つのグループだけだった。ただ、小屋に停滞するといいこともある。もう一つのグループは、栂海新道を管理している山岳会のメンバーだったのだ。食事時などに栂海新道のいろんな話を聞くことが出来て、参考になった。また、そのメンバーの中には、貝畑和子さんという女性がおり、話を聞いていくうちに、驚くべき女性だったことが分かった。

新潟県生まれで、現在は岡山県に住んでいるというが、栂海新道を管理している山岳会のメンバーと幼馴染で、今回は一緒に登ってきたらしい。体力増進、健康のために30歳から走り始め、以後、急速に力をつけ、大阪国際女子マラソンは1987年の第6回大会より 2002年の第21回大会まで16回連続の参加。フルマラソンだけでなくサロマ湖100kmや四万十川ウルトラマラソン、スパルタスロンやサハラマラソンなどのウルトラマラソンに出場、好成績を残している。1997年と98年にはIAU100km世界大会の代表にも選ばれ、今や国内だけでなく、海外にも活躍の場を広げる21世紀の「ウルトラマラソンの女王」であったのだ。

午後になって雨も上がり、小屋の外で貝畑さんとも一緒に写真を撮る。小柄で、一見華奢に見え、どこにそんなパワーがあるのだろうと思ってしまうが、人は見かけにはよらない。気さくで飾らず話好きの女性であった。


午前中、部屋でゴロゴロしてなまった体をほぐすため、小屋の周りを散策する。


夕方、4日目以降の山の天気を調べると、どうやらしばらく好天が続くようだ。1日ずらしたおかげで、今後の山行に希望が持てた。

「2021栂海新道縦走ツアー:4日目朝日小屋~朝日岳~長栂山」に続く。