とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2021第3回熊野古道ジャーニーマラニック:伊勢路編その2-3日目

2021-03-17 21:07:50 | 熊野古道
この日の宿も素泊まりのため、前日買っておいた朝食を部屋の中で食べて、午前6時に宿を出る。オープンしてまだ1年くらいの海外資本のホテルだ。


ホテル前の立派な歩道橋を渡っていく。


熊野灘に面したロケーションのいい場所だ。調度日の出の時間に近く、水平線が赤みを帯びてきていた。


歩道橋を降りると阿田和駅が目の前にあり、始発の電車に乗って、前日のゴールとした二木島駅で下車する。


二木島駅から住宅地の細い路地を通り、熊野古道の表示に従って階段を上っていく。


階段を上りきった場所からは、二木島駅と二木島湾が見える。この日もいい天気になりそうだ。


杉と桧の山林を縫うように、ほぼ全区間に端正な石畳道が通じており、適度なアップダウンで快調に進む。


この日最初の峠は、二木島峠だ。


二つ目の峠は、逢神坂峠だ。逢神とは伊勢の神と熊野の神が出会う場所という意味だが、かつては狼が出没したことによるとの説もある。


1時間20分ほどで、二つの峠越えを終え、新鹿の集落に下りる。当初の予定では、前日ここまで来るつもりであったが、とても1日では歩いてこられなかった道というのが、よくわかった。


新鹿海水浴場。ここも美しい浜だ。


国道をしばらく進み、トンネルの手前の石段を登る。


波田須の道。波田須は、二千年以上の昔に不老不死の仙薬を求めて中国からやってきた徐福が上陸した里と伝えられている。海と山の間に棚田や民家が点在する。徐福が求めた不老不死の薬だといわれる天台烏薬の木は、波田須神社や徐福の宮周辺に植えられているそうだ。


波田須の石畳は、伊勢路では最も古い鎌倉時代の道である。一つ一つが重厚で大きく、江戸時代の石畳とはっきり区別がつく。


徐福の宮を過ぎると、波田須の集落と絶景が広がっている。


ルートから少し外れた場所にある波田須の文字岩。西丹後守屋敷跡の前の巨石に、仇討ちに来た夫婦を返り討ちにしてしまったことを自ら戒め、「勤愼忍」と刻んだものだ。


この日、3つめの峠となる大吹峠に到着する。


大泊から、この日4つめにして最後の峠となる松本峠の登り口に入る。熊野市の大泊と木本を結ぶ松本峠は、名勝・鬼ヶ城の山手に位置している。苔むした風情のある石畳は、最も古道らしい雰囲気を残しているといわれ、ガイドブックの表紙などにも松本峠の写真が使われている。


松本峠では、およそ135cmの大きなお地蔵さまが出迎えてくれる。足元を見ると、お地蔵さまには似つかわしくない弾丸の痕が残っている。江戸時代のはじめ、薄暗い峠を越えてきた鉄砲の名人が妖怪と勘違いして発砲してしまった跡だと言われている。


松本峠を下っていく途中では、ゆるやかな曲線を描きながらはるか遠くまで延々と続く七里御浜の風景が一望できる。熊野古道随一の眺望とも言われている場所だ。


あとは、平坦な道が続く浜街道を一直線に進む。


獅子岩。巨大な獅子が海に向かって咆哮するような姿をした高さ25mの奇岩。国の名勝・天然記念物だ。そばを流れる井戸川の上流に鎮座する大馬神社の狛犬として、隣の神仙洞と共に位置付けられている。


花の窟(はなのいわや)神社に到着する。ここは、720年(奈良時代)に記された日本最初の歴史書である『日本書紀』の神代第一で「国産みの舞台」として登場している。この地は熊野三山信仰に先立つ古代からの聖地「窟の熊野」として重要な意味を持っており、まさに日本人のルーツといえる場所だという。


たくさんの幟が立ち並ぶ参道を進んでいく。


ここが、「花の窟」。花の窟神社の御神体で、高さ70mに及ぶ岩壁だ。日本書紀によれば、多くの神々を生んだイザナミは、最後に火の神カグツチを生み落とし、陰部を焼かれて死んでしまい、そのイザナミを葬った場所がこの花の窟だとされている。


道の駅「花の巌」で昼食を済ませ、再び七里御浜沿いに進む。


伊勢路最後のコースを、美しい浜を見ながらゴールを目指す。


14:20。朝、出発したホテルに無事到着する。これで、その1、その2、その3を併せて計3回で熊野古道伊勢路をすべて完踏することができた。3日目は、前日辞めたコースが加わり距離が長くなったが、後半の平坦な道が幸いして遅れることもなく予定より余裕のある時間にゴールできたのはラッキーだった。


阿田和駅前の観光案内所で十分休憩した後、阿田和駅から熊野市駅で下車する。熊野市駅からは「ワイドビュー南紀8号」に乗るつもりだったが、待ち時間があまりにもありすぎるので、途中下車して、近くの銭湯で汗を流してから帰路についた。

参考1.3日目のコースマップ


参考2.3日目の高低図&コースタイム

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