とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

吉岡しげ美「歌い、語る、生命への想い」

2010-09-17 21:08:51 | 社会人大学
昨日は、7回目の社会人大学だった。講師は、ピアノ弾き語りの音楽家「吉岡しげ美」さんだ。この人は、武蔵野音楽大学音楽教育学科声楽専攻卒業後、27歳で日本女子大学児童学科に学士入学、同大学院家政学研究科児童学専攻修士課程修了。のち、共栄学園短期大学児童福祉学科教授を経て、現在、西武文理大学サービス経営学部教授を務めている。

主な音楽活動は、与謝野晶子、茨木のり子、新川和江など日本の女性詩人の詩に曲をつけ、ピアノの弾き語りをしているそうだ。84年からは金子みすゞの詩、97年からは万葉集に曲をつけ歌い始め、近年は「枕草子」「百人一首」にも曲をつけ歌っているという。出会った詩人30人以上、500曲以上の作品がある。国内はもとより、アメリカ各地、中国、フランス、ドイツ、モンゴル、ポーランド、フィリピン、韓国等各地でコンサート活動を行なっており、作曲家としてもNHK子供番組他、多くの番組に作品を提供し音楽を担当している。最近では、中国鎮江市で日中友好七夕コンサートを毎年開催し、当市から名誉市民の称号を授与されたという凄い方だった。

昨日も講義と言うよりは、ピアノ弾き語りのトーク&ライブのミニコンサートであった。コンサート慣れしていると言うか、トークもうまいしピアノ演奏しながらの歌も声量があってよかった。最初は、大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した童謡詩人「金子みすゞ」の詩に曲をつけて歌ってくれた。詩の題名は「私と小鳥と鈴と」である。

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、
みんないい。

この詩に曲をつけてあり、あとで全員で吉岡さんの指導の下にコーラスとなった。この詩の意味は、私、小鳥、鈴はそれぞれ違っているが、それぞれ個性があって、それがいいんだよという詩である。詩だけ読むと、なんだか良くわからないが、曲をつけて歌うとなんとなく伝えたいことがわかるような気がしてきた。

その後も、与謝野晶子の詩に曲をつけたものとか枕草子の曲をつけたものなどを歌ってくれた。だが、私はあまりこれらの女性詩人の詩をほとんど知らない。金子みすゞという女性詩人がいたことすらも知らなかった。しかし、会場のほかの人たちは結構知っていたようで、ちょっと気恥ずかしかった。また、現在20歳前後の若者は小、中学校で金子みすゞの詩が教科書に載っていたようなので知っているようだ。詩集が好きで何度も読んだりしている人は、きっと感動したかもしれないが、詩集を手にした事もない私にはちょっと退屈だった。後半は、いい子守唄代わりとなってうとうとしてしまった。

一生懸命歌ってくれた吉岡さん、どうもごめんなさい。もう少し、詩を勉強しておけばよかった。