とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

落語会に行った

2009-02-20 21:02:05 | 呟き
昨日は、仕事が終わると直ぐに家に帰り、市内の市民ホールで行われた落語会に行ってきた。落語会に行くのは初めてである。出演した落語家は、笑点で有名な三遊亭楽太郎師匠と桂歌丸師匠である。講演タイトルは「二人会」だが、前座で桂花丸という落語家が登場したので3人の話を聞くことになった。

まず最初に登場した桂花丸さんは、開口一番「私のこと知ってる人いますか?」と始まった。もちろん知っている人はほとんどいない。最初から自虐的なギャグだが、これで一気に会場の空気が和んだ。花丸さんは、笑点にいつも出ているそうである。でも誰も顔を見た人がいない。座布団を運ぶ山田君に舞台裏から座布団を渡す役をやっているそうである。手ぐらいはテレビに映ったこともあるかもしれないが、顔は写ったことないようである。そんな話の後、蕎麦屋で代金をうまくごまかした男のまねをして、自分も代金をごまかそうとした男の話をしてくれた。オチは、ごまかすどころか余分に払ってしまうというバカな男の話である。前座とはいえ、最初から大いに笑わせてもらった。しかも、扇子を箸に見立てて蕎麦をすする仕草は、名人級であった。見ていて本当に美味しそうで、お腹が減ってきたくらい見事だった。

そして、次に登場したのが「楽ちゃん」こと三遊亭楽太郎師匠である。笑点でも歌丸師匠を罵倒しているだけあって、最近入院したばかりの歌丸師匠が今日も楽屋で寝てましたなんて話から始まった。そのまま入院してくれてたら自分が笑点の司会者になれたなんて話で笑わせてくれた。二人とも仲はきっといいから、こんな悪口を言い合えるのだろう。他には最近の政局の話題(先ごろの閣僚の飲酒?会見)をチクリと皮肉ったりして落語家はニュースも良く見てるんだなと感心した。楽太郎師匠の話は、お得意様の武士に酒を持ってくるように言われた酒屋が、門番の武士を騙してあの手この手で酒を持ち込もうとする話である。門番は酒の持込を禁ずる役目なのでなかなか簡単に持ち込むことができないのだ。門番が結局は何度も酒を飲んでしまい、頼んだ武士に届けることはできないのだが門番がどんどん酔っていく様が面白い。これも扇子一つで面白おかしく話が進む。このオチは結局門番も酒が飲みたかったということだ。

最後は、桂歌丸師匠である。今月の2日、肺気腫に伴う感染増悪のため、横浜市内の病院に1週間入院していたので、今回は病み上がり後の初高座だったのである。ニュースで入院したのを聞いた時、今日の高座がどうなるか心配であったが元気に登場してくれたので安心した。時折、水を飲みながらの話であったが声も張りがあり病気を感じさせなかったのは大したものだ。歌丸師匠の話は、古物商の男が、薄汚れた古い太鼓をお殿様に持っていったところ、たいそう太鼓が気に入られ大金で買い取ってくれた話である。二束三文と思っていた太鼓が法外な値段で買われていった様子を面白おかしく話してくれた。

3人とも、飽きることなく笑わせてくれ、楽しくひと時を過ごすことができた。会場も満員で、小学生から年寄りまで幅広い年代が集まり、落語を楽しんでいた。コンサートでは、終わった後もアンコール等でまた出てきてくれるが、落語会はいたってシンプルだ。司会も何もなく、最後はあっけなく師匠が戻っていくと幕が下りて終わった。昔ながらの落語会とはこんなものかもしれない。初めてであったが、落語家の話術がいかに人を引きつけるかを追求してきたことを感じた。日本の文化の一つを改めて再認識した。