オフ日のきのうは
三月から続けてきた
毎月一回の三ツ星フレンチでの
「アラカルト・デジュネ」
を頂いてきた。
5回目の今回のテーマは
「プレ・サレ」と
「セルリラーヴ」(根セロリ)
だった。
きのうも真夏日の暑さで、
二日つづけて
プチ熱中症になったので、
用心の為に
ネック・クーラーを巻いて
まるで「鞭打ち」患者みたいな
恰好だった(笑)。
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マダムの活けてくだすった
卓上のフルールが
清々しくも心和ませてくれた。
40年来の常連店だが、
「おまかせ」コースでも
一度も同じムニュだった事がなく、
シェフの手元には
しっかり記録があるのかもしれない。
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まずは、
アミューズ代わりに
セルリラーヴの
グリルが“お味見”として
供された。
初めて
テイスティングする素材なので、
心して味わった。
カブのような歯応えと風味で、
フランス産とあって、
その土を感じさせるような
根菜の味の輪郭があった。
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つづいて、
プゥルプ (蛸/poulpe)に
コキーユ・サンジャック
(帆立/ coquille Saint-Jacques)の
ムースを合わせて、ブリックで巻き
フリットした『ポワソン』(魚料理)。
これには、
セルリラーヴのフレ(生)が
ルーコラとサラダ仕立てで
味わうことができた。
生では、
さほどにクセは感じられず、
シャリリとした根菜
といった感じであった。
フランス産ルーコラは
穂先のみの
ベビーリーフだったので、
まったくエグミがなく
その鮮烈な香りが際立っていた。
シェフに
調理前のブリックを見せて頂いたが、
ちょうど、生春巻きで用いる
「ライスペーパー」と同じような
丸い小麦製の皮だった。
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メインは
待望のモンサン・ミッシェル産の
「プレ・サレ」。
これは、
沿岸の塩気のある牧草を食んだ
仔羊肉で、その身肉にも
うっすらと塩味が付いて、
また、独特の香りを持つ。
今回は、業者の手違いで、
プレカットされてきたというので、
シェフお得意のロティに出来ず、
『ソテ・ダニョー』となった。
それでも、
ヴィアン・キュイ(ウェルダン)
にはせず、
ほんのり芯をロゼにソテされていた。
一口目には
高貴な香りが鼻孔を抜け、
陶然となった。
この合いの手としての
ガルニチュール(添え合わせ)の
セルリラーヴのピュレが
最もその真価を発揮していた。
ほんの少しの
ポム・ド・テール(馬鈴薯)を合わせて
作られるのが、定番のようである。
シャンピニオン・ド・パリ
(マッシュルーム)
も、佳い香りがして、
これもまた名脇役を演じていた。
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デセールには
初めて頂くアブリコ(杏)の
グラスが供され、
艶冶な杏色と香りが
十分に楽しめた。
「枇杷」は
仏語では何というのか
ググッてみたら、
「nèfle/ ネーフル」とあった。
今日、本国のフレンチでも、
柚子のブームだったり、
醤油なぞも使うようになったので、
ビワも使われているやもしれぬ。
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優雅なデジュネ(ランチ)を済ませ、
高揚した気分のまま、
ミュゼ(musée/美術館)に赴き、
開催中の『ブルターニュ展』を
観覧してきた。
奇しくも、
頂いたばかりの
プレ・サレのモンサン・ミッシェルも
ブルターニュ地方にある。
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驚いた事に、
愛媛美術館所蔵の
クールベの『波』も
展示されていた。
美術の教科書にもあり、
高校時代に模写して、
今もT中カウンセリング室に
飾ってあるので、
その初めての本物を
食い入るように観た。
間近で筆致を見てみると、
自分のラフな模写よりも
波の動的な様子が
線の重ね塗りで
精妙に描かれているのが
判った。
感動とは違った
本物に接せた興奮と高揚感が
隠せなかった。
この一枚だけで、
1500円の入場料は
十分に元が取れたように思った(笑)。
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フランス美術を鑑賞後は、
郊外の農園に予約していた
アーティショー(アーティチョーク)を
取りに行ってきた。
畑になっていたものを
直接選んで、
その場で切ってもらった。
YouTube解説サイトで
事前に予習しておいたので、
帰宅後、さっそく下処理したが、
イタリアンのパスタに
使われているものとは種類が異なり、
ちょっとガッカリした。