悪者

 「悪者はおのれの心の欲望を誇り、 
 貪欲な者は、主をのろい、また、侮る。
 悪者は高慢を顔に表わして、神を尋ね求めない。
 その思いは「神はいない。」の一言に尽きる。
 彼の道はいつも栄え、
 あなたのさばきは高くて、彼の目に、はいらない。
 敵という敵を、彼は吹き飛ばす。
……
 彼は心の中で言う。
 「神は忘れている。顔を隠している。
 彼は決して見はしないのだ。」(詩10:3ー5,11)

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 「悪者」というのは、ここでは、神とその秩序を無視する者、位の意味合いであろうか。
 そのような者ほど、表面上栄える。
 表面上、とは、物質的な栄え(マモニズム)のことで、神の栄光とは全く異なるし、神の秩序とは寧ろ逆の方向にあるものだ。
 このような者は神を無視しているが故に、「敵という敵を、彼は吹き飛ば」して
、何とも思わない。
 自分のためならば、何をやっても平気、そういう人種である。
 神とその秩序を無視し、挑発さえしているからだ。

 しかしこの者にとって救いは、「神は忘れている。顔を隠している。彼は決して見はしないのだ。」と、神の存在そのものは認めているところにある。
 彼は実は、神を見出せないでいる、あわれな人なのだ。
 物質的な栄えが、なんの慰めになるだろう。
 この人は、知っている神を認めれば、ほんとうは一番欲しかったものをつかむことができるはずだ。

 救いようがないのは、本当に神を知らず全否定し、真顔で「神はいない。」と言う輩である。
 マモニズムにまみれ、自分の利益のためなら他人を平気で押しのける。
 この輩には、真の意味での希望も救いもない。
 神を全否定し自分が一番というこういう輩こそ、真の「悪者」である。

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