北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

母の恩人

2022-03-07 22:21:25 | Weblog

 先日、実家へテレビと掃除機を買いに行く手伝いに行こうとしたときのこと。

 母から直前に電話があって、「ちょっと頼みがあるんだわ」と、菓子折りを一つ買ってきてくれるように頼まれました。

「なに、どうしたのさ?」

 すると母からこんな話を聞かされました。

 先日のことですが、母が近くのショッピングセンターまでカートを押して買い物に行った時のこと。

 母はもう88歳なのですが、いまだに今までできたことはまだできると信じていて、距離にして500mはあるのですが、近くの店まで買い物に行くのです。

 その日も行くときは天気が良かったのですが、買い物をしているうちに見る見るうちに雪が積もり、帰る頃にはちょっとした積雪になっていたのだそう。

 それでもなんとか家の近くまで歩いてきてあと300mというところで、車道から住宅道路に入るところでカートが引っかかってしまってどうにも動けなくなってしまったのだそう。

「後ろから車は来るし、どうしようかと思ったら、後ろの車に乗っていた奥さんが下りてきて『大丈夫ですか』ととりあえず車道からはカートを持ち上げてくれて、そのうちに旦那さんも近くの自宅に車を停めて駆けつけてくれたのさ」

 そのうえそのご夫婦は、二人して母の家まで一緒にカートを引いて付き添ってくれたのだそう。

「だからお礼がしたくてさ。菓子折りお願いね」
「ところでそのお家がどこかは分かっているの?」
「うん、なんとなく、あのへんだなあ、というは分かっているんだわ」


 その日は言われた通り菓子折りを買って持参したのですが、後から聞いたところ母は、「いやいや、家が分からなくてさ。ここかと思って訪ねたら違ってね」と、なんともおぼつかない感じ。

(大丈夫かな、いよいよダメなら手伝いに行かないといけないな)と思っていたところ、今日弟からメールがあって、「母さんの、雪の日の恩人に訪ね当たったそうだよ」とのこと。

 母に確認はしませんでしたが、弟に「どうやって家が分かったのだろう」と送ると、「この辺りと言うところを一軒一軒当たったらしいよ」とのこと。

 だいぶ足腰が弱ってきた母ですが、まだ頭はしっかりしているし、律儀だなあ、と思います。

 でもそろそろいろいろなことの準備を始めなくてはならない時期が近づいています。

 

コメント
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