先日、建設関係の友人と会った際に、建設業の担い手不足が話題になりました。
職業柄、以前北海道内の舗装事業協会会員企業に調査をかけて、技術者について何歳の方が何人いるかを調べたことがありましたが、五十代半ばに人数の多い山があり、続いて四十代半ばにもう一山あるものの、そこからは歳が若くなるほど人数が少なくなり、特に三十代前半以下は実に少数の結果が分かりました。
少子高齢化とは言うものの、各年齢の人数がそんなに減っているわけではないので、その若い人たちはどうしているのだろう、ということになりました。
するとその友人が「実は自分の息子も三十代半ばなんだけど、この世代はいわゆる就職氷河期ちょっと後の世代なんだね。それで息子に『同い年の友達はどういうところに就職しているの?』と訊いてみたんですが、答えは『フリーターが多い』というものだったんです」
「なるほど、卒業してすぐに就職できなかったために望むと望まないに関わらず、その道を選ばざるを得なかったわけですか」
「うん、でもそうするとやはり会社勤めに求められるものとかが身についていなくて、会社に勤めてもやはり辞めちゃうということが多いんだそうです」
「なんかもったいないですね」
「僕の以前いた職場でも、社員募集に父親が大学の超お偉いさんなんていういい年齢の子が応募してきたんです。『あなたなら父親の声掛けがあれば採用してくれる企業なんてすぐに見つかったんじゃないの』と言ったものですが、『父は父ですから。今日ここへ来ることも父は知りません』だそうです」
「つまりは、世代の人数はいるのに会社や組織に勤めることが苦手な世代ということなんでしょうか」
「そうとは言い切れないかもしれなけど、そういうことに気がついたのでちょっと調べてみようかと思っているんです」
就職氷河期世代とは、「就職氷河期世代とは、就職氷河期に新卒で就職活動をしていた人たちのこと。1970年〜1982年、または1984年までに生まれた2021年現在37歳〜51歳の年齢の人たちを指し、別名「ロストジェネレーション世代」とも呼ばれます。(内閣府のホームページより)
国もこの世代の可能性が失われることは大きな損失だとして、「就職氷河期世代支援プログラム」を用意して、就職希望者に対する各種の支援策を用意しています。
こういうことを使ってでもより良い就業環境を求められる人ってどれくらいいるのでしょうか。
担い手不足に悩んでいる業種や地域はたくさんあるのに、いる人たちとうまくマッチングできないというのは残念です。
若い人に入りやすい、入ってみたいと思わせるような職場環境ってどういうことなんでしょう。
働き手やーい!