北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

国立博物館の阿修羅展へ行く

2009-05-31 23:39:02 | Weblog
 


 国立博物館へ開催されている阿修羅展を観てきました。

 この阿修羅像は奈良興福寺の所蔵する国宝で、興福寺創建1300年記念で開催されているもの。一週間後の6月7日までの展示で、同じく国宝の八部衆像や十大弟子像などとともに東京に勢揃いです。
 
 このように国宝が数多く展示されていますが、ひときわ目立つ形で単独展示をされているのが阿修羅像でした。

 阿修羅は元々インドの戦いの神様で、それゆえ普通は三面六臂で、二本の手で月と太陽を支え、手には弓と矢を携え、怒りの表情で表される神様と言われますがここでは穏やかで愁いを含んだような表情です。

 仏教の守り神帝釈天との戦いに身を置く神様ですがついに帝釈天には勝つことができず、それゆえにその戦いの業から阿修羅道に身を落とし苦しみの中にいると聞きます。この阿修羅の戦いの場が【修羅場】ですね。

 しかし実際の阿修羅像の正面の顔は少年の面影を漂わす穏やかな表情をしています。

 この表情が穏やかなのは、一説には釈迦の説教を邪魔しようとねらっているうちにその説教にほだされてしまったからなのだ、とも。

 また、他の八部衆が皆鎧に身を包んでいるにもかかわらず、この阿修羅像だけは半裸体の姿というのも一際目を引きます。崇高な姿に思わず目頭が熱くなりました。

    ※    ※    ※    ※

 この像が造られたのは天平6(734)年のこと。天平時代のこうした仏像は脱活乾漆像(だっかつかんしつぞう)と言われる、布を高価な漆に浸して形を作るというものでした。

 漆は日本が生んだ世界一の品質のプラスティック素材ですが、像がひび割れないようにこれを惜しげもなく使って作った像は、非常に柔らかな印象を与えます。

 また、興福寺は源平の戦いに巻き込まれて、平家によって火を放たれ伽藍と本堂を失うなど、何度も火事に遭っています。

 しかし脱活乾漆で造られた像は中が空洞で非常に軽いので、持ち出して批判することが可能で、戦火を超えて今に伝えることができたのだ、とも。

 元々は中国から伝わった技術のようですが、中国にはこの技術の像は残っていないのだとか。

 これが1300年も前の像だとは、まさに日本で発達した世界に誇る宝です。

 
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【アジアウォッチ特別編】北朝鮮核問題の裏側

2009-05-31 18:08:31 | Weblog
 いつも冷静な経済記事や政治ネタがお得意の「代表戸締役」こと渡邉哲也さんのブログ、「代表戸締役 ◆jJEom8Ii3Eの妄言」ですが、今日はホットな北朝鮮核問題の今後を占っていました。

 テレビ新聞マスコミの限界は、ネタになりそうなものだけは取り上げるにしても時間と紙面の制約から、深く突っ込んだ物言いができないこと。現代社会で存在意義を維持するためには、ほぼ致命的な力の限界です。

 対北朝鮮の制裁については消極的な姿勢の中国政府ですが、中国を日本と同じ国だと思ってはいけません。どこにもその国ならではの事情が潜んでいるのです。

 北朝鮮の核問題の何が問題で、どの国のどのような利害に絡んでくるか、深い洞察です。


---------- 【以下引用】 ----------

 


「代表戸締役 ◆jJEom8Ii3Eの妄言」
 http://blogs.yahoo.co.jp/daitojimari/52706365.html

■■■■■■■■■特別コラム『北朝鮮問題の視点』■■■■■■■■■■

 北朝鮮問題が大きな山場を迎えている。
 その意味と今後の判断における様々な視点に関して纏めてみたい。

 北朝鮮が小型核を保有することになった場合、その影響は世界に波及する。北の核はイラン、シリアとの連携が疑われており、長距離ミサイルに搭載できるようになることで、日本のみならず、欧州全域にその影響は及ぶ。

 現在、国連安全保障理事会において、その制裁に対する話し合いが行われているが、従来との大きな違いは、ロシアが制裁に協力的であり、中国も強い反対の意思を示していないことにある。

■中国問題
 中国を判断する場合、一つの政治体制として判断しようとすると大きな無理がある。
 中国の二大政治体制、北京政府と上海閥の関係を考慮しなくてはいけない。

 北朝鮮は、上海閥の傀儡と言われており、関係が非常に深い。そして、北京政府との関係は冷え込んでいる。実際、北の短距離ミサイルは北京を狙っており、それを主導しているのは上海閥だと言われている。

 つまり、上海閥は北朝鮮を北京政府への威嚇手段としてとらえ、利用しているわけである。実際、各種の国際問題が生じた際、北京政府の使節団には冷淡であり、そのたびごとに中国政府は上海閥の要人を送り込んでいる。

 現在、中国の政治体制において、北京政府が大きな力を持っている。それには大きな理由があり、その最大の要因として、三峡ダムの完成が上げられる。三峡ダム建設を計画し推進したのは胡錦涛であり、温家宝である。この三峡ダムであるが、このダムが破壊された場合、下流の上海周辺は膨大な土石流により壊滅する。

 さて、現在、中国は北朝鮮の制裁決議に関して、強い反対の意思を示していないが、北への臨検に対して、その答えを留保している。これには上海閥と北京との間の政治的問題が大きく関わっていると思われる。これは中国内のパワーバランスが大きく変化する要因となるからである。

■臨検の意味
 国連制裁における北朝鮮への臨検処置は,どのような意味があるのだろうか?
先ほど述べたように、北の核がシリアやイランなどに渡った場合、中東や欧州の力関係を大きく変化させる疑いがあるからである。

 また、先日、中東の火薬庫となっているイスラエルはリクードが主導する右派政権が誕生し、強硬な手段を執りかねない状況である。イスラエルは核保有国であり、従来より専守防衛を理由として、イラン等への攻撃についての発言を繰り返している。
 北のミサイルが、イスラムに渡る可能性が出てきた場合、先に攻撃に出る可能性も捨てきれない訳である。

■米国の政治判断に大きな影響を与えるシオニストと経済混乱
 米国ネオコンと中東シオニスト
 中東和平を標榜する米国のオバマ政権であるが、その政治中枢部はネオコンに握られている。そして、ネオコンは急進的なシオニストが握っており、ユダヤイスラエルによる中東支配を目的としている。シオニストにとって、北の核は許せないものであり、強行的な手段に出る可能性がある。
 また、現在米国は経済危機状況にあり、失業者の増加に悩まされている。これを解消するためには戦争が有効であり、大きな経済政策となりうる可能性もある。また、米国の基幹産業である航空軍事産業は、世界的な経済危機の大きなダメージを受けている。世界的に大きなシェアを持つ航空リース会社は、AIGとGEの金融部門の子会社である。AIGもGEも本体が大きなダメージを受けており、リース事業を縮小せざる得ない状況となっている。
 また、このことが航空産業の弱体化を招いていると言う指摘も強い。戦争が行われることで、在庫を処分でき、新規の受注が発生するという大きなメリットもある。すでに米国は市民権をえさに朝鮮語が出来る志願兵を集めているという情報もある。また、4月から国防発注を急増させていると言う事実もある。

 4月米製造業耐久財受注:前月比1.9%増、設備投資関連は減少
  http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aUbi.lo22FYU
 自動車受注の底入れと、国防受注の急増が寄与した。

■北朝鮮金正日政権の価値
 周辺国にとって北朝鮮の最大の価値は、金正日政権が存続することで国民が国内に幽閉され続けるということである。北朝鮮は2500万人もの貧しい民を抱えている。政権の崩壊でこの人民を国内に抑え込む鎖が解けることを恐れているのである。
 現在、金正日は健康不安説が発生し、その後継者問題に関しても軍を掌握できない状況にある。結果として、金正日が逝去し政権が崩壊した場合、大量の難民が発生するリスクが高い。どちらにしろ、それほど先の事態ではないだろう。

■ロシアの変貌
 従来、ロシアは北朝鮮を擁護する姿勢を示してきた。しかし、今回の制裁決議においては積極的に日米に協力する姿勢を示している。また、北との国境沿いに部隊を駐留させ、難民の発生に備えている。この態度の変化をどのように判断するかは評価が分かれるが、現 実的なプーチンのことである北の政権が持たないと判断したのかも知れない。
 また、極東軍区はユダヤ系の軍人が多く、これはロシアの極東戦略にも大きな影響を与えている。報じられることが少ないが、中国との国境防衛もユダヤ人入植区を作ることで人の壁を作り、防衛に当たらせている現実がある。北の核がイスラムに渡ることは彼らにつっても大きな脅威である。
 ユダヤ自治州
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E8%87%AA%E6%B2%BB%E5%B7%9E

■韓国の価値
 ロシアが崩壊し、中国の民主化が進んだことで、韓国の反共の壁としての価値は暴落した。しかし、反社会的な国家の北朝鮮はあることで、日米にとっての存在価値が存続している。韓国が緩衝地点としての作用しているからである。しかし、北が核ミサイルを保有した場合、その価値は無価値化してしまう。ミサイル戦争となった場合、その射程距離から陸上戦の価値がなくなるからである。韓国がその存在意義を維持するためには、北のミサイル計画を阻止しなくてはいけない。
 韓国は口では民族統一を唱うが、その本心は北との併合を望んでいない。なぜなら、北との併合とは、所得の標準化、韓国の貧国化を意味するからである。ここで北朝鮮を抑え込み国際的な価値を維持するか、それともこのまま座視して自国の無価値化を容認するか、決断を迫られていると言えよう。すでに、在韓米軍は2012年までの撤退を公言しており、残された時間は少ないのが現状である。

■戦争責任
 国際社会は、北の問題点を認識していながら容認してきたのが現実である。なぜなら、戦争当事者となった場合、その勝者となっても、復興責任を伴うからである。だから、どの国も、出来るだけ手を出したくないのが現実なのである。だからこそ、国連の決議が有効となり、国連の要請により軍事行動を起こしたという既成事実が必要となる。政治というのは力のバランスの結果でありパワーポリティクスである。今回の事態はこの力関係を大きく変化させる要因となるだろう。
 当面は、国連決議がどうなるか、、これが世界の今後を決める切っ掛けとなるかも知れない。

              2009年5月30日 渡邉哲也

---------- 【引用ここまで】 ----------

 中国もロシアも積極的な軍事介入に消極的なのは、難民の流出を恐れていて、手を出したものが責任を取らなくてはならないためだから、と言う視点は日本ではほとんど聞かれません。

 その結果、韓国が自らの価値を落とさないためには北の核は許せないが、アメリカ軍の韓国撤退を目の前にして時間はもうないはず…。

 なお、こういう社会的軍事的状況にもかかわらず、アメリカ軍に「自分たちでやるから韓国から出ていってほしい」という要求をしたのは無くなったノ前大統領ですから…。

 自衛の力のない国がいかに世界でバカにされているかを改めて自戒しなくては。
 
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