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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

大学の危機

2009-05-26 23:41:27 | Weblog
 ある私立理科系大学の教授を交えて懇親会をしました。

 席上、教授の口からは学生を集めることの大変さが苦笑いと共に語られました。

「そんなに学生を集めるのが大変なんですか?」
「少子高齢化で大変です。それで試験入学ばかりではなく、推薦による枠をどんどん拡大しています」

「学校推薦というのはありましたね」
「それは、一定の成績レベルが認められる高校に対して何人、という推薦枠をあたえるやつですね。最近はそれに理事推薦枠やOB推薦枠なんていうものもあって、果ては自薦までありますからね」

「自薦って…、自分で『私は大丈夫だと思います』という推薦ですか?」
「そう、面接と論文で審査ですけどね(笑)」

    ※    ※    ※    ※

「大学だって数が多いと淘汰されるのではありませんか?」
「それは現実的な危機ですね。もう大学統合は始まっていますよ。慶応などは医学部はあったのに薬学部がなかったので、共立薬科大学というところを統合しました。そんな風に、自分を強化するための統合だったらよいのですがね」

「それを言えば高校だって大変なはずですよね」
「そう、定数確保のことを考えれば、附属高校を作るという発想がありますが、今から高校を新設しても学生は集まらない。となれば、既存の高校を買う、統合するということもあるんですよ」

「うわー、理にはかなっていますが…」
「しかもそれには笑い話があって、統合した高校で生徒の成績を伸ばすと、学校の成績レベルが上がって、自分の大学へ自動入学どころか、六大学やその下クラスの推薦枠が増えちゃって、成績上位者はみんなよその大学へ行っちゃって、自分の大学へ来るのは成績が会のものばかりなんてこともありましてね…」

 いよいよ卒業した大学名が通用する時代ではなくなりつつあるようです。

 どう頑張っても学生数が減って行くことは止められない、となると大学は縮小ビジネスのまっただ中にあるわけです。

 その中で勝ち残るにはどうするか。大学名も教育の質も、もはやビジネスの一つの要素に過ぎないのかも知れません。ううむ…

 
コメント
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