今日は都内の現場を視察。首都高速道路のものすごい施設がいま建設中なのです。
現場は、田園都市線で渋谷から横浜方面で一駅目の池尻大橋駅のすぐ近く。ここに今、国立競技場と同じくらいの大きさで、道路と道路を連結するジャンクションが建設されているのです。その名も「大橋ジャンクション」。
大橋というのはこのあたりの地名から来ています。

さて、首都高速道路は、9つの放射状道路と3つの環状線が計画されているのですが、中央環状線はこの3つの環状線の真ん中の道路です。この道路は、時計で言うと11時から7時に当たる右半分が完成しているのですが、板橋~新宿・渋谷~品川に至る左側がまだ未完成。そのためになかなか渋滞が解消しない現実があります。
この中央環状線の板橋から渋谷までを『中央環状新宿線』と呼んでいるのですが、この高速道路計画は、環境問題に対する地元の目が厳しく、紆余曲折を経て、すべて地下化する計画で建設が進められています。

そしてこの地下35mで建設が進められている首都環状新宿線が、地上35mを走る首都高速3号線と交差するのがこの大橋地区で、ここでなんとしてもそちらに乗り換えができるジャンクションを建設しなくてはならないのです。
高さの差が70mで、これを道路勾配の限界に近い7%の斜路でつなげようと思うと、単純に計算して1000mの距離が必要です。しかしこの周辺で1000mもの斜路を作るだけの土地の余裕はありません。
そこで、道路を蛇がとぐろを巻くように一箇所でぐるぐると回して高さを稼ごうというのがこの大橋ジャンクションというわけ。一週は400mの楕円形をしています。
似たような施設にループ橋と呼ばれる橋の形態もありますが、ここはループを橋にすると排気ガスが周辺に散ってしまうのでそれを地上35mのぎりぎりまで建物の中に収めてしまおうというのです。
排気ガスは地下部もそうですが、すべて巨大なファンで集めて触媒でクリーンにしてから外へ出す換気塔も何カ所もつくられます。

外から見ると、コンクリートの固まりの巨大な建物ができあがりつつあるわけですが、さらに驚きなのは、この建物の屋上部を全部緑にして空中公園にする計画もあるのだそうです。これはまたスケールの大きな空中公園ができそうです。
現場はまだ東側の半分ができあがっているところで、次第にその姿を現しつつあります。


さらにすごいのは、この施設が単なる道路事業ではなく、周辺の再開発事業と一体で進められていること。道路事業ではもともとの地権者に対して補償はするものの結局はもとの住まい周辺から出て行かざるを得なくなるのに対して、周辺で再開発を行って新しく住居を生み出すことで地権者がまたもとの地区に戻ってくることができるという手法を使っているのです。
再開発ビルの容積をより多く認めることで、もとの財産の保全もしやすくなるというわけで、住民・地権者との交渉をまとめるためとはいえすごい事業になったものです。知恵者はどこにでもいるものだなあ。
地域のインフラはこうやって営々と作られています。恩恵を後代に残すために
現場は、田園都市線で渋谷から横浜方面で一駅目の池尻大橋駅のすぐ近く。ここに今、国立競技場と同じくらいの大きさで、道路と道路を連結するジャンクションが建設されているのです。その名も「大橋ジャンクション」。
大橋というのはこのあたりの地名から来ています。

さて、首都高速道路は、9つの放射状道路と3つの環状線が計画されているのですが、中央環状線はこの3つの環状線の真ん中の道路です。この道路は、時計で言うと11時から7時に当たる右半分が完成しているのですが、板橋~新宿・渋谷~品川に至る左側がまだ未完成。そのためになかなか渋滞が解消しない現実があります。
この中央環状線の板橋から渋谷までを『中央環状新宿線』と呼んでいるのですが、この高速道路計画は、環境問題に対する地元の目が厳しく、紆余曲折を経て、すべて地下化する計画で建設が進められています。

そしてこの地下35mで建設が進められている首都環状新宿線が、地上35mを走る首都高速3号線と交差するのがこの大橋地区で、ここでなんとしてもそちらに乗り換えができるジャンクションを建設しなくてはならないのです。
高さの差が70mで、これを道路勾配の限界に近い7%の斜路でつなげようと思うと、単純に計算して1000mの距離が必要です。しかしこの周辺で1000mもの斜路を作るだけの土地の余裕はありません。
そこで、道路を蛇がとぐろを巻くように一箇所でぐるぐると回して高さを稼ごうというのがこの大橋ジャンクションというわけ。一週は400mの楕円形をしています。
似たような施設にループ橋と呼ばれる橋の形態もありますが、ここはループを橋にすると排気ガスが周辺に散ってしまうのでそれを地上35mのぎりぎりまで建物の中に収めてしまおうというのです。
排気ガスは地下部もそうですが、すべて巨大なファンで集めて触媒でクリーンにしてから外へ出す換気塔も何カ所もつくられます。

外から見ると、コンクリートの固まりの巨大な建物ができあがりつつあるわけですが、さらに驚きなのは、この建物の屋上部を全部緑にして空中公園にする計画もあるのだそうです。これはまたスケールの大きな空中公園ができそうです。
現場はまだ東側の半分ができあがっているところで、次第にその姿を現しつつあります。


さらにすごいのは、この施設が単なる道路事業ではなく、周辺の再開発事業と一体で進められていること。道路事業ではもともとの地権者に対して補償はするものの結局はもとの住まい周辺から出て行かざるを得なくなるのに対して、周辺で再開発を行って新しく住居を生み出すことで地権者がまたもとの地区に戻ってくることができるという手法を使っているのです。
再開発ビルの容積をより多く認めることで、もとの財産の保全もしやすくなるというわけで、住民・地権者との交渉をまとめるためとはいえすごい事業になったものです。知恵者はどこにでもいるものだなあ。
地域のインフラはこうやって営々と作られています。恩恵を後代に残すために
