はらはらと粉雪が舞ってうっすらと積もっています。
国会も始まって、来年度予算を含め社会のさまざまな問題が議論される季節です。何が社会の問題なのかをしっかりと見つめたいものです。
【給食費の問題】
日曜の朝のテレビでも、各社が教育改革の問題を取り上げていました。
全国的に解決をしなくては行けない問題もあれば、都道府県や地域のレベルで解決をしなくてはいけないこともあるはず。
学校の後輩で、小学校の先生になっている友人のA君がいたのを思いだして、今未払いが問題になっている給食費について訊いてみました。
給食費を払わなくても平気で、逆に督促に赴いた先生達に対して逆ギレとも思える言動を繰り返す親の姿が報道されるに及んで、社会の関心も高まりつつあります。
今の常識的なとらえ方は、生活保護を受けるなど真に生活に苦しんでいる家庭は例外として、ごく一般の収入のある家庭が給食費を払わずにいるのはおかしいのではないか、というあたりだとおもいますが、それにしては学校や自治体が催促や督促に及び腰のようにも見えます。
そこで「小学校での給食費の実態や、もっと強く催促はできないのかねえ?」と訊いてみたのです。
すると後輩のA君からこんな答えが返ってきました。
「先輩ですね、まずこういう類のお金を『学校徴収金』と言うのですが、これらには、『給食費』『教材費』『PTA会費』『用紙費』等があるんです。それで、今話題になっているのは、このうちの『給食費』ということなんです」
「うん、そこが問題になっているよね」
「給食費というのは、食材費です。給食を作るためには、人件費、燃料費、施設設備費、修理費等様々な経費がかかりますが、保護者に負担していただいているのは、そのうちの『食材費』だけなのです。ですから、小学校ならば自治体ごとに違うかも知れませんが、一食200円ほどの、とっても安い費用で提供できるというわけです」
「なるほど、それ以外は自治体が負担してくれているんですな」
「そこでお尋ねの件です。最近は新聞紙上でも裁判所に申し立てをする自治体が増えてきたようですね。(例えばこちら → http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/061224/gkk061224000.htm)
しかし、この裁判の起きている町を眺めると、いずれも比較的規模の小
さな町や市が多いようです」
「それって何か意味があるの?」
「北海道新聞にこんな記事がありました。私のいる小さな町ではやれるかもしれませんが、komamasaさんのいる札幌ではつらいかもしれませんよ」
北海道新聞の記事にはこうありました。(以下北海道新聞より引用)
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070125&j=0019&k=200701251419
給食費未納6500万円 札幌市昨年度 額、率ともに減少 2007/01/25
13:14
文部科学省が二十四日発表した昨年度の学校給食費徴収状況で、札幌
市は給食費総額六十億円のうち六千五百万円が未納だった。未納率、未
納額ともに減少したが、全体の九割の学校で未納があった。近隣では石
狩市が法的措置を講じているが、市教委は「各校ごとの私会計のため、
市が法的措置をとるのは困難」との立場。徴収の成功事例などを集めた
マニュアルを作成して近く各校に配布し、未納防止に努める方針だ。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「この記事のどこがポイントになるの?」
「ポイントは、【市教委は「各校ごとの私会計のため、市が法的措置をとるのは困難」との立場。】というところですよ!」
「うーん、わからん」
「つまり、私のいるような小さな自治体では給食費を学校単位で扱いません。つまり水道料金などのように役場が徴収し、役場が八百屋さんなどに材料費を支払っている公会計で扱っているんです」
「ふむふむ」
「しかし札幌市などは、市役所は給食費には一切タッチせず、学校長が集金し、学校長が支払う形で、これを私会計というんです。この場合の学校長は、行政の一部としての学校長ではなく、学校を代表する役に過ぎません。だからそういうところでは、給食費関係の様々な決済の印も全て校長の『私印』で行われていると思いますよ。ですから、もしも訴訟を起こすとすれば、学校長が個人的に起こす、ということになりそうです。これなら校長先生も二の足を踏みますよね」
「へー、そうなの」
「そうです。もっとも、生活保護などの認定を受けた人の分は行政が肩代わりしてきっちり払い込んでくれると思います。問題はそうではない親御さんがなかなか払ってくれないというケースなんです。対応が本当に大変ですよ。札幌市民としてチェックしておいた方が良いのではありませんか?」
* * * *
後輩のA君からのメールには大変そうな様子が伺えました。私も本来は、あまり法律や決まり事を増やすべきではないという立場ですが、このような現実を聞かされると、やはり社会秩序を保つためのルールとその実効性を保たせるような権限が必要なように思えてきました。
給食費は払わない人がいると、行政が肩代わりしてくれる性格のものではないので、足りない分は全員の給食の品揃えに影響をしてくるのです。献立予定のイチゴがいつの間にかリンゴになっているかも知れません。
今度は札幌市内の先生にも訊いてみようかな。
こういうことも訊いてみないと分からないものですねえ。うーむ、深刻だ。
国会も始まって、来年度予算を含め社会のさまざまな問題が議論される季節です。何が社会の問題なのかをしっかりと見つめたいものです。
【給食費の問題】
日曜の朝のテレビでも、各社が教育改革の問題を取り上げていました。
全国的に解決をしなくては行けない問題もあれば、都道府県や地域のレベルで解決をしなくてはいけないこともあるはず。
学校の後輩で、小学校の先生になっている友人のA君がいたのを思いだして、今未払いが問題になっている給食費について訊いてみました。
給食費を払わなくても平気で、逆に督促に赴いた先生達に対して逆ギレとも思える言動を繰り返す親の姿が報道されるに及んで、社会の関心も高まりつつあります。
今の常識的なとらえ方は、生活保護を受けるなど真に生活に苦しんでいる家庭は例外として、ごく一般の収入のある家庭が給食費を払わずにいるのはおかしいのではないか、というあたりだとおもいますが、それにしては学校や自治体が催促や督促に及び腰のようにも見えます。
そこで「小学校での給食費の実態や、もっと強く催促はできないのかねえ?」と訊いてみたのです。
すると後輩のA君からこんな答えが返ってきました。
「先輩ですね、まずこういう類のお金を『学校徴収金』と言うのですが、これらには、『給食費』『教材費』『PTA会費』『用紙費』等があるんです。それで、今話題になっているのは、このうちの『給食費』ということなんです」
「うん、そこが問題になっているよね」
「給食費というのは、食材費です。給食を作るためには、人件費、燃料費、施設設備費、修理費等様々な経費がかかりますが、保護者に負担していただいているのは、そのうちの『食材費』だけなのです。ですから、小学校ならば自治体ごとに違うかも知れませんが、一食200円ほどの、とっても安い費用で提供できるというわけです」
「なるほど、それ以外は自治体が負担してくれているんですな」
「そこでお尋ねの件です。最近は新聞紙上でも裁判所に申し立てをする自治体が増えてきたようですね。(例えばこちら → http://www.sankei.co.jp/kyouiku/gakko/061224/gkk061224000.htm)
しかし、この裁判の起きている町を眺めると、いずれも比較的規模の小
さな町や市が多いようです」
「それって何か意味があるの?」
「北海道新聞にこんな記事がありました。私のいる小さな町ではやれるかもしれませんが、komamasaさんのいる札幌ではつらいかもしれませんよ」
北海道新聞の記事にはこうありました。(以下北海道新聞より引用)
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http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070125&j=0019&k=200701251419
給食費未納6500万円 札幌市昨年度 額、率ともに減少 2007/01/25
13:14
文部科学省が二十四日発表した昨年度の学校給食費徴収状況で、札幌
市は給食費総額六十億円のうち六千五百万円が未納だった。未納率、未
納額ともに減少したが、全体の九割の学校で未納があった。近隣では石
狩市が法的措置を講じているが、市教委は「各校ごとの私会計のため、
市が法的措置をとるのは困難」との立場。徴収の成功事例などを集めた
マニュアルを作成して近く各校に配布し、未納防止に努める方針だ。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「この記事のどこがポイントになるの?」
「ポイントは、【市教委は「各校ごとの私会計のため、市が法的措置をとるのは困難」との立場。】というところですよ!」
「うーん、わからん」
「つまり、私のいるような小さな自治体では給食費を学校単位で扱いません。つまり水道料金などのように役場が徴収し、役場が八百屋さんなどに材料費を支払っている公会計で扱っているんです」
「ふむふむ」
「しかし札幌市などは、市役所は給食費には一切タッチせず、学校長が集金し、学校長が支払う形で、これを私会計というんです。この場合の学校長は、行政の一部としての学校長ではなく、学校を代表する役に過ぎません。だからそういうところでは、給食費関係の様々な決済の印も全て校長の『私印』で行われていると思いますよ。ですから、もしも訴訟を起こすとすれば、学校長が個人的に起こす、ということになりそうです。これなら校長先生も二の足を踏みますよね」
「へー、そうなの」
「そうです。もっとも、生活保護などの認定を受けた人の分は行政が肩代わりしてきっちり払い込んでくれると思います。問題はそうではない親御さんがなかなか払ってくれないというケースなんです。対応が本当に大変ですよ。札幌市民としてチェックしておいた方が良いのではありませんか?」
* * * *
後輩のA君からのメールには大変そうな様子が伺えました。私も本来は、あまり法律や決まり事を増やすべきではないという立場ですが、このような現実を聞かされると、やはり社会秩序を保つためのルールとその実効性を保たせるような権限が必要なように思えてきました。
給食費は払わない人がいると、行政が肩代わりしてくれる性格のものではないので、足りない分は全員の給食の品揃えに影響をしてくるのです。献立予定のイチゴがいつの間にかリンゴになっているかも知れません。
今度は札幌市内の先生にも訊いてみようかな。
こういうことも訊いてみないと分からないものですねえ。うーむ、深刻だ。
