年末の休日出勤の振り替えを今日にしてもらって今日は仕事はお休みです。
そのかわりに今日は、そんなプライベートの時間を利用して市内の小中学校の社会科の先生と懇談会です。
【学校授業の『社会科』を考える】
札幌市を中心とする小中学校の先生の中には、各自の授業の質を高め、互いに研鑽を深め合うことなどを目的として、教科ごとに研究会をつくっている人達がいます。
今日はその中でも社会科の先生達の会合が定山渓のホテルで、一泊二日にわたって行われたのでした。
今回私には、この社会科の会のリーダー的存在にあるAさんから、「komamasaさん、是非ともkomamasaさんの考える生涯学習だとか『公の精神』などについて講演をしてくれませんか」という依頼がありました。
私も、講演で話をすることもさることながら、常日頃から小中学校の先生ともっとお知り合いになりたいものだと思っていたので、二つ返事で引き受けたのでした。
※ ※ ※ ※
さて、会場となったホテルの大広間には、札幌市の先生を中心としながらも道内各地から約100人以上の先生が集まり、熱気溢れる集会が展開されました。
私の講演は15時からということでしたが、それに先立ち、13時からこの会として議論が行われます。
この会では3年ごとに研究テーマを定めて、それに向かって会員それぞれが様々な取り組みを行って、それを評価して行くというやり方をしています。そして、その取り組みについて、新年度からの3年間のテーマ案などを幹事が示し、それに対する意見が交わされました。
新しいテーマ案は「北の人間力向上戦略~今、社会科で何を育てるべきか」とされています。また、研究の副主題は、「今を知り、未来に参画する子供の育成」とされています。
テーマ案を作成した先生からその背景などが説明されましたが、印象的だったのは、札幌市が小学校五年生を対象にして行った調査の結果です。
子供達に「好きな教科は何か?」という問いを出したところ、好きな教科1位は「体育(87.2%)」、第2位は「図画工作(75.8%)」、第3位は僅差で「家庭科(75.2)%」となったのに対して、社会科が好きだと答えた生徒は、ワースト2の「算数(56.6%)」よりもまだ悪く、最低の52.2%に留まっていたのです。
このことが社会科の先生達の大きな危機感になっています。
「こんなにも社会科を好きだという生徒が少ないのはどういう事か。面白い授業ができていないため?」
私自身もこれらの話を聞くことで、社会科というのがどういう科目なのかということを始めて考える機会となりました。
社会科は、①図表やグラフを読み解く力(算数)、②資料を読み解く力(国語)、③外で起こっている出来事に対する知識(理科)などを備えて、始めてたどり着ける分野で、生徒一人ひとりと社会とのつながりについて学ぶ分野だと言うこと。
今日の私の講演でのお話しも、掛川での生涯学習のことを話す中で、榛村前市長から教わった「物事~モノとコトのはなし」について触れたのでした。
そのうえで、生涯学習とは、自分と外部の関係性を強化することだ、という私なりの持論や、その関係性をつくり、維持し、強化するということによるまちづくりなどについても述べました。
聞いて下さった先生達からは「komamasaさんの話を聞いて、改めて関係性とは何か、ということが分かりました」という評が多く寄せられました。
ある先生は「社会科では『モノ、人、コト』と言うんです。今日『モノとコト』や『コトという関係性』の話を聞いて、社会科を教える意味、社会科を学ぶ意味があらためて強く意識されました」と言ってくれました。
私の話が何かの役に立てば幸いですし、今回の研修に参加させて頂き、夜中の2時まで話し込む中で、先生達の社会科に対する様々な思いや、情熱を知ることができました。
さらには「いじめ問題」に端を発する、学校バッシングの問題や、地域のよろず相談窓口となってしまっている実態など、学校を取り巻く教育現場最前線のお話も伺うことができました。
我々のような職場の世界では、主任→係長→専門官→課長補佐→課長…と、肩書きという外形によって仕事の責任の大きさや経験の深さなどを推し量ることができますが、こうして集まった先生を見ていると、教頭、校長という肩書きがあるほかは、20代の若い人も一教師なら、50代のベテランも一教師というわけです。
この先生にどれだけの力量があるのかを外形的に推し量る術はないものと言えるでしょう。またそれだけに先生の側も、自分は大丈夫ですよと言えるだけの力量を身につけようと、こうした会での活動などを通じて日々研鑽をされているのです。
「人間が人間を導く」ということの崇高な使命がそこにはあるのですね。
たった一泊での出会いですが、これをご縁にして、より多くの先生の皆さん達と、お互いに様々な情報交換や活動の連携ができることを願っています。
ありがとうございました。
注)この日は夜2時まで飲んで語り明かしました。一日遅れで書いています。
そのかわりに今日は、そんなプライベートの時間を利用して市内の小中学校の社会科の先生と懇談会です。
【学校授業の『社会科』を考える】
札幌市を中心とする小中学校の先生の中には、各自の授業の質を高め、互いに研鑽を深め合うことなどを目的として、教科ごとに研究会をつくっている人達がいます。
今日はその中でも社会科の先生達の会合が定山渓のホテルで、一泊二日にわたって行われたのでした。
今回私には、この社会科の会のリーダー的存在にあるAさんから、「komamasaさん、是非ともkomamasaさんの考える生涯学習だとか『公の精神』などについて講演をしてくれませんか」という依頼がありました。
私も、講演で話をすることもさることながら、常日頃から小中学校の先生ともっとお知り合いになりたいものだと思っていたので、二つ返事で引き受けたのでした。
※ ※ ※ ※
さて、会場となったホテルの大広間には、札幌市の先生を中心としながらも道内各地から約100人以上の先生が集まり、熱気溢れる集会が展開されました。
私の講演は15時からということでしたが、それに先立ち、13時からこの会として議論が行われます。
この会では3年ごとに研究テーマを定めて、それに向かって会員それぞれが様々な取り組みを行って、それを評価して行くというやり方をしています。そして、その取り組みについて、新年度からの3年間のテーマ案などを幹事が示し、それに対する意見が交わされました。
新しいテーマ案は「北の人間力向上戦略~今、社会科で何を育てるべきか」とされています。また、研究の副主題は、「今を知り、未来に参画する子供の育成」とされています。
テーマ案を作成した先生からその背景などが説明されましたが、印象的だったのは、札幌市が小学校五年生を対象にして行った調査の結果です。
子供達に「好きな教科は何か?」という問いを出したところ、好きな教科1位は「体育(87.2%)」、第2位は「図画工作(75.8%)」、第3位は僅差で「家庭科(75.2)%」となったのに対して、社会科が好きだと答えた生徒は、ワースト2の「算数(56.6%)」よりもまだ悪く、最低の52.2%に留まっていたのです。
このことが社会科の先生達の大きな危機感になっています。
「こんなにも社会科を好きだという生徒が少ないのはどういう事か。面白い授業ができていないため?」
私自身もこれらの話を聞くことで、社会科というのがどういう科目なのかということを始めて考える機会となりました。
社会科は、①図表やグラフを読み解く力(算数)、②資料を読み解く力(国語)、③外で起こっている出来事に対する知識(理科)などを備えて、始めてたどり着ける分野で、生徒一人ひとりと社会とのつながりについて学ぶ分野だと言うこと。
今日の私の講演でのお話しも、掛川での生涯学習のことを話す中で、榛村前市長から教わった「物事~モノとコトのはなし」について触れたのでした。
そのうえで、生涯学習とは、自分と外部の関係性を強化することだ、という私なりの持論や、その関係性をつくり、維持し、強化するということによるまちづくりなどについても述べました。
聞いて下さった先生達からは「komamasaさんの話を聞いて、改めて関係性とは何か、ということが分かりました」という評が多く寄せられました。
ある先生は「社会科では『モノ、人、コト』と言うんです。今日『モノとコト』や『コトという関係性』の話を聞いて、社会科を教える意味、社会科を学ぶ意味があらためて強く意識されました」と言ってくれました。
私の話が何かの役に立てば幸いですし、今回の研修に参加させて頂き、夜中の2時まで話し込む中で、先生達の社会科に対する様々な思いや、情熱を知ることができました。
さらには「いじめ問題」に端を発する、学校バッシングの問題や、地域のよろず相談窓口となってしまっている実態など、学校を取り巻く教育現場最前線のお話も伺うことができました。
我々のような職場の世界では、主任→係長→専門官→課長補佐→課長…と、肩書きという外形によって仕事の責任の大きさや経験の深さなどを推し量ることができますが、こうして集まった先生を見ていると、教頭、校長という肩書きがあるほかは、20代の若い人も一教師なら、50代のベテランも一教師というわけです。
この先生にどれだけの力量があるのかを外形的に推し量る術はないものと言えるでしょう。またそれだけに先生の側も、自分は大丈夫ですよと言えるだけの力量を身につけようと、こうした会での活動などを通じて日々研鑽をされているのです。
「人間が人間を導く」ということの崇高な使命がそこにはあるのですね。
たった一泊での出会いですが、これをご縁にして、より多くの先生の皆さん達と、お互いに様々な情報交換や活動の連携ができることを願っています。
ありがとうございました。
注)この日は夜2時まで飲んで語り明かしました。一日遅れで書いています。