国会の長期延長で、国会あけの人事異動の時期が定まらずやきもき。夏期休暇はいつ取れるのか、やきもきです。
今日は、
■のっぽマンションの規制 の1本です。
【のっぽマンションの規制】
上司の代理で札幌市都市計画審議会に代理出席をする。
この審議会では重要な案件を一度提示する予備審査と、そのとおり実施して良いかどうかを問う本審査という二段階の手続きがあるのだが、今日はある案件の予備審査を行った。
それは札幌市の市街化区域のほぼ全域を対象とした高さ制限の提案である。
札幌市内も含めて大都市では土地バブルの沈静化に伴って地価の異常な高騰がなくなり、土地を求めやすくなったことと、高齢者の増加に伴って雪かきの大変さを避ける意味でも「住むならまちに近いところ」という都心居住へのニーズが高まっている。
またや投資対象としても、地下鉄やJR駅に近いところでは人気が高く、民間デベロッパーは階数が20階以上の超高層マンションの建設を行ってそのニーズに応えようとしている。
しかしそれらもこれまでは建坪率や容積率といった、敷地面積に対する建物の規模しか制限要素が無く、郊外の住居専用地域は別として、広い土地を取得すれば「高さ」という景観に対して影響する度合いの強い部分に対しては規制がなかったのである。
そのため都心では住居専用地区はないので今は閑静な住宅街だとしても、突然のっぽマンションが建設されるという事態になり、周辺住民とのトラブルになる例が増えて社会問題化しつつあるのだ。
そこで今回札幌市では市内を6段階に分けて、札幌市中心や厚別副都心を除いて建物の高さ制限をすることを提案したのである。
制限区分は、琴似地区など交通や集積の利便が高いところで高さ60m(20階相当)、幹線道路沿いで高さ45m(15階相当)、など交通の利便などを勘案した高さ制限の段階を設定している。
さらに、そのような交通アクセスから見た高さ制限に加え、円山や羊ヶ丘など、大規模な緑地の近接部分ではさらにもう一段階低い設定を提案し、札幌市の背景である緑地付近での調整を図っている。
古くからの住宅地での生活を満喫している住民にとっては、突然ののっぽビルの登場に困惑と怒りを感じる人も多いだろうが、そこに住みたいという住民ニーズや土地を売りたいという地主の意向なども絡んで、なかなか調整の難しい事項である。
今日の審議会の中でも、「もっと強い規制を」という論調の委員も多く住民からの不満を代弁しているようだ。
しかし都市が都市である責任を考え、土地の売買も自由取引ということになると、一定のルールをかけてトータルでの景観を守りつつ経済活動を方向付けるというやり方は必要なのだろう。
都市計画法では、一団の土地の住民が結束して総意でもって高さ制限などを求めた場合は、審議してそのように定める制度もあるので、真に地域住民が求める地域作りも可能な道は残されている。
都市に住むなかで、誰が何をどれくらい我慢しなくてはならないのか、を改めて考える良い機会だろう。
札幌市民の大人の度合いが試されるのかも知れない。
なお、本審査は来年2月ころの予定である。それまでの真剣な意見交換を期待したい。
今日は、
■のっぽマンションの規制 の1本です。
【のっぽマンションの規制】
上司の代理で札幌市都市計画審議会に代理出席をする。
この審議会では重要な案件を一度提示する予備審査と、そのとおり実施して良いかどうかを問う本審査という二段階の手続きがあるのだが、今日はある案件の予備審査を行った。
それは札幌市の市街化区域のほぼ全域を対象とした高さ制限の提案である。
札幌市内も含めて大都市では土地バブルの沈静化に伴って地価の異常な高騰がなくなり、土地を求めやすくなったことと、高齢者の増加に伴って雪かきの大変さを避ける意味でも「住むならまちに近いところ」という都心居住へのニーズが高まっている。
またや投資対象としても、地下鉄やJR駅に近いところでは人気が高く、民間デベロッパーは階数が20階以上の超高層マンションの建設を行ってそのニーズに応えようとしている。
しかしそれらもこれまでは建坪率や容積率といった、敷地面積に対する建物の規模しか制限要素が無く、郊外の住居専用地域は別として、広い土地を取得すれば「高さ」という景観に対して影響する度合いの強い部分に対しては規制がなかったのである。
そのため都心では住居専用地区はないので今は閑静な住宅街だとしても、突然のっぽマンションが建設されるという事態になり、周辺住民とのトラブルになる例が増えて社会問題化しつつあるのだ。
そこで今回札幌市では市内を6段階に分けて、札幌市中心や厚別副都心を除いて建物の高さ制限をすることを提案したのである。
制限区分は、琴似地区など交通や集積の利便が高いところで高さ60m(20階相当)、幹線道路沿いで高さ45m(15階相当)、など交通の利便などを勘案した高さ制限の段階を設定している。
さらに、そのような交通アクセスから見た高さ制限に加え、円山や羊ヶ丘など、大規模な緑地の近接部分ではさらにもう一段階低い設定を提案し、札幌市の背景である緑地付近での調整を図っている。
古くからの住宅地での生活を満喫している住民にとっては、突然ののっぽビルの登場に困惑と怒りを感じる人も多いだろうが、そこに住みたいという住民ニーズや土地を売りたいという地主の意向なども絡んで、なかなか調整の難しい事項である。
今日の審議会の中でも、「もっと強い規制を」という論調の委員も多く住民からの不満を代弁しているようだ。
しかし都市が都市である責任を考え、土地の売買も自由取引ということになると、一定のルールをかけてトータルでの景観を守りつつ経済活動を方向付けるというやり方は必要なのだろう。
都市計画法では、一団の土地の住民が結束して総意でもって高さ制限などを求めた場合は、審議してそのように定める制度もあるので、真に地域住民が求める地域作りも可能な道は残されている。
都市に住むなかで、誰が何をどれくらい我慢しなくてはならないのか、を改めて考える良い機会だろう。
札幌市民の大人の度合いが試されるのかも知れない。
なお、本審査は来年2月ころの予定である。それまでの真剣な意見交換を期待したい。