北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

団塊の世代は地域を救うか

2005-07-14 23:07:35 | Weblog
 今日も北海道らしい爽やかな一日。今週は連日飲み会が続くので体力が持つかどうか。

 さて今日は、
■団塊世代は地方を救うか の1本です。

【団塊世代は地方を救うか】
 お昼に教育大学旭川分校のK先生が私を訪ねてきてくださった。

 K先生とは私が4月に北海道へ戻ってきてから携わった土木学会の仕事でのおつきあいなのだが、実はまだお会いした事はなく、お互いに初対面。

 しかし実際にお会いして話を伺うと実に熱心に教育とまちづくりについて造詣が深い事がすぐに分かった。特に現在は生涯学習教育に関わる仕事をされていて、一般に文科省の方が生涯学習を語るとすぐに習い事や本を読むということに特化されがちなのだが、K先生はご自身が土木出身という事もあって、まちづくりの理念としての生涯学習についてしっかりとした持論をお持ちで、それがまた掛川のいや榛村前市長の考えている事と一致していて、嬉しくなってくるのである。

 生涯学習で自分の町を知り、郷土に興味を持ち故郷を愛するという課程の延長に始めて意識の高いまちづくりを我と我が事と思う市民が育つことにつながるのである。

 現在教育大学は大幅に領域の再編を行っており、今後生涯学習教育部門がどこへ行くかも実は分からないのだと言うが、まちづくりに出て行く精神を持ち続けて意識の高い学生や教師の皆さんを育てて欲しいものだ。

 私でできる事があれば協力は惜しみませんよ。

    *   *   *   * 

 夜は連日の飲み会ですが、今日は地方の町の著名なまちづくり家と一緒のお酒で、大いに楽しみな会に参加しました。

 夜のお相手は、地方の小さな町作りを熱心に行っているAさん。Aさんに、「これからは団塊の世代が増えてきますけれど、こういう人たちを受け入れる事で活力ある地域作りができるでしょうか」と尋ねてみた。

 すると「私はあまり希望を持っていません」と言う。
「それはなぜですか?」と訊くと
「私も東京などへ行くたびに、我が町出身の縁ある人たちを訪ねてどう考えているかを訊いてみる事があるのですが、その反応はひどいものですよ」

「ほう、それはどういうことですか」
「東京にいる人たちの全部とは言いませんが、多くの人から出る発言は『あなたの町だったら公営住宅もがらがらだろうから、二軒くらい取っておいてよ。私たちが行って住んであげるから』というものです。彼らには故郷を愛する気持ちよりも、施しをするような感覚ですよ」

「そういう人たちだったら来ない方が良いですか?」
「もちろんですよ。そういう思いで地方に来られたのでは地域社会をおかしくしてしまうと思いますよ。ただ団塊の世代を迎え入れて人口が増えれば地域が発展するなどと言う短絡的な発想は間違いです。もちろん良い人なら受け入れたいと思いますけど、多くはそういう人ではないという印象ですね」

 団塊の世代とひとくくりにするのはこれもまたある種の間違いを含んでいるのかも知れないが、これからの消費の一大ターゲットでありながら、その精神がどこかバブル時代の思いを引きずっているのだとしたら、大いに考えなくてはならないところだろう。

 経済的に恵まれて消費力があり、健康と時間にも恵まれた世代としての団塊の世代には経済を活性化する期待が大いに高まっているところである。

 しかし一段高いところにいるという優位な存在を誇示するのではなく、いよいよ自分たちの力を慎ましく社会に貢献するという立場で行動をしてくれなくては逆に世代間の格差を見せつける結果にもなってしまうのでは無かろうか。

 もちろん団塊の世代だけではなく、一人一人が社会から貪る性向を改めて、社会になにがしかのものを差し出す機運が育つ事を望むものである。

 そのマインドの転換こそを社会が目指さなくては人心は安定しないだろう。

 分をわきまえた、足を知ることが必要だ。

 

  
コメント
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