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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

部分最適と全体最適

2005-07-06 23:08:55 | Weblog
 今日も一日雨。それに加えて気温が低い。今日の最高気温は20℃くらいでしょうか。とにかく最近は寒暖や乾雨の差が激しすぎますね。
  
 さて今日は、
■部分最適と全体最適 の1本です。

【部分最適と全体最適】
 さて、昨日行われた雪氷輸送物流システム検討調査委員会であるが、全面公開という事もあって、多くの記者さんが興味を示して基本的には好意的に書いてくださった記事が多かった。ありがとうございました。

 今日も今朝の朝刊には載せきれなかったマスコミの記者の何人かから問い合わせがあった。道新さんは今日の夕刊に載せてくださったし、明日の朝刊でも書いてくれそうなところがあるようだ。

 世間の注目に答える結果目指して、総力を挙げてがんばりたいものだ。

 
 さて、今回のこの調査は三つの部会に分かれて具体的な検討を進める事にしている。三つの部会とは氷をつくる産地部会、氷を運ぶ輸送部会、氷を使う利用部会の三つである。

 それらにはそれぞれ大学の先生を部会長としてお願いをしており、とにかく安価でこのシステムがまとまるように検討をお願いしている。しかし一つ気をつけなくてはならない事がある。それが「部分最適と全体最適」の問題である。

 今回調査の目的はあくまでも全体として氷を作り、運び、利用するのに一番安価で確実な方法を探り当てる事なのだが、氷だけがただただとにかく安くできあがっても(部分最適)、その氷では運ぶのにコストが高くなったりして、利用まで含めたトータルで高上がりにつくような事があってはならないのである。

 だから三つの部会での検討を踏まえて、常にその情報と検討結果は全体での調整会議に諮り、全体としての最適化が図られているかどうかをチェックしなくてはならないのである。

 以前6月27日版のなかでご紹介した「合成の誤謬」も似たような事だろう。ともすると自分の目の前のことだけを完璧に行えば、仕事は達成したかのように錯覚する事が多いが、一段高いところにいる誰かが全体を見極めていなくては高度なシステムが最高のパフォーマンスを発揮する事はできないのである。

    *   *   *   * 
 
 かつてアメリカの自動車産業などは個別のパーツづくりを効率化最速化すれば早く自動車ができると考えていたが、それではどうしても日本にかなわない事にやがて気がついたという。

 日本の場合は各パートがそれぞれの前後に対してより効率化するための情報を提供、共有するというマインドがあって、それがトータルとしての生産性を向上させていたというのである。

 トヨタ自動車の「カイゼン運動」などはそれをシステム化したものだが、面白いのはカイゼンのアイディアは理論をつきつめてできあがったものではなくて、どうやら「やってみて良かった」といった具合に創発的に達成されたものが多かったのだという。

 だから社会システムの変革も、あまり予見的、確信的、絶対善的に行われるのではなく、一定期間の社会実験的なトライアルを繰り返して始めて明らかになるという手続きを経た方が社会もそれを納得しやすいように思われる。

 郵政民営化法案は衆議院を通過したのであるが、特区的に民営化して安くなったり効率化されたり、あるいは不便になるのかということを事前にやってみるとスムースな移行や反省による改善もあるのかもしれないのに、と思うのである。

 役人が法律を作るのでも、「絶対に間違いがない」という確信を持たなくては自分たちも耐えられないものだが、もう少し社会の変革は緩やかで良いという風潮が欲しいような気もする。

 世の中成果を求めるサイクルが早すぎる。そういうところはスローライフで良いのではないかと思うのですがねえ。

   

 
コメント (2)
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