駒子の備忘録

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宝塚歌劇雪組pre100th Anniversary『Greatest Dream』

2023年11月03日 | 観劇記/タイトルか行
 東京建物ブリリアホール、2023年10月21日17時、29日17時(ともにALL回)。

 1924年に花組、月組に次いで誕生した雪組が2024年に宝塚歌劇110周年とともに100周年を迎えることに先立ち、これまで受け継がれた伝統を祝い開催する記念公演。
 構成・演出/三木章雄。

 花月100コン感想はこちら
 私の雪組はイチロさんとトンちゃんの『ブルボンの封印/コートダジュール』から。でもコムまーが苦手だったり、ミズ時代をちょいちょい観ていなかったりと、自分の中では一番愛が薄い組となってしまっています。今も、らいとぱるかりんさんナニーロにあたるヤングスター贔屓がいないんですよね、あがちんはちょっと違うんだよなあ…娘役ちゃんはゆめぴろはもちろんゆきのちゃんにひまり、すわんたんに愛空みなみたんと目が足りないのですが。
 でも、キムミミもえりあゆもちぎみゆもだいきほも好きでしたし、いそいそと出かけてきました。取れた回が二度ともメンツの違いは多少あれどバージョンが同じだったので、セトリの被りが多かったのは残念でしたが…
 1幕は白と金、2幕は黒と金のお衣装で揃えて、でもみんなひとりひとり違っていて(衣裳/十川ヒロコ)、ラストはモサクさんカリンチョさんイチロさんのトップスリーだけがさらにゴールドのお衣装で出てきて、そういうのがホント好き。1幕はショーの歌から始まってひとりずつ持ち歌を歌う感じでしたが、2幕では日本物コーナーやスータンさんを偲ぶコーナーなどがあり、トップスリーの出番が多め、という印象でした。
 セトリの順番などあまり覚えていられなかったので、歴史の浅い順に語っておきます。

 ひらめが『CH』から「愛よ消えないで」と『夢介』から「惚れた、日本一のお人好し」で、変わらず可愛くてよかったんですけれど選曲が微妙というか…未だ現役の相手役含めてやはり作品に恵まれていない気がするなー、とちょっとしょんぼりしました。何かショーの主題歌をぱーんと歌ってもよかったと思いますけれどねー。。
 だいもんは「シルクロード」。長い髪をポニーテールにしていて(エクステかも)、でもキリッとパンツスーツで、なんか「ああ、OGさんになった!」と思いました。もう綺麗な女優さんで、でもマニッシュでハンサムで、こういうときは男役スイッチがバチッと入る感じが、なんとも…! そしてあいかわらず歌が上手くて爽快なのでした。
 きぃちゃんがいる回ではきぃちゃんの「Home」からデュエットで『ひかりふる路』の「今 Now」、日本物コーナーでは『壬生義士伝』の「石を割って咲く桜」。卒業してからさらに歌声に磨きをかけた今のふたりで歌うデュエットが本当に絶唱で、オケもまあ鳴る鳴る! そりゃ楽しくなるよね!というビリビリ来る感じ、素晴らしかったです。さらにはコンビが揃うとMCコーナーをもらえるようで、きぃちゃんのご結婚祝いと生田夫人いじりがあって、たいそう微笑ましかったです。
 きぃちゃんがいない回ではだいもんが源太で「星探しの唄」を歌ったのですが、ちぎみゆのところはきんぐあゆみと同期を並べて埋めるという胸アツさ…! これもとてもよかったです。
 あゆっちは「コンタカ」をバリバリ歌ってくれて、ショーの主題歌をトップ娘役センターで歌うのってイイ!となりました。えりたんが出た回ではふたりで歌ったのかな?
 同様にミミちゃんもひとりのときはセンターで「シャイリズ」主題歌をバリバリ歌いましたが、キムがいる回ではふたりで歌い継いでいてこれまた胸アツ。キムは『』の「巡り会えた季節」を朗々と、また権利の問題で映像が残っていない『フットルース』も披露してくれてギャー!でした。キムミミの「エメ」ではホロ泣きしましたよ私…! キム、好きだったし今も好き。男役スイッチが入っている様子にも痺れました。もっとミュージカルのお仕事をやってほしいなあ、当人は歌はもういいとか言っているそうですが、OGコンには出てくれてよかったです。別の回ではルキーニからのロミオという豹変っぷりも見せたそうです。キャー!
 ここもキムミミ揃った回ではMCがありましたが、キムがきっちりトークを回そうとしているのに対してミミちゃんは愛を暴走させてトークで突っ走っていて、キムの方をがっつり向いて高速でしゃべり、客席に横顔しか見せていないよとキムが言っても聞いちゃいなくて、最後はキムがウケて膝折れで笑うという、実に微笑ましいものでした(笑)。えりあゆMCも似た空気だったらしく、えりたんが「相手役の早口トークを聞くのがトップの醍醐味」みたいなことをのたまわったそうですが、私が思うに、トップ娘役の相手役への愛情は卒業後にこそいや増すんだと思うのですよ。現役時代は、もちろんお慕い芸とかはするんだけど(オイ)お互い忙しすぎてやることがありすぎて、ゆっくり萌えている暇がないんだと思うんですよね。卒業後、まあ思い出は美化されるというのもあるかもしれませんが、ゆっくり反芻し、また外部で共演する男優さんたちなんかと比べるうちに、うちの相手役サイコーだったんじゃね?みたいに改めてなって、なのでOGコンなどで再会するともう全力ワンコになってしまう、というのがあるのではないか…という、持論です。知らんけど(笑)。
 となみが「心の中の神」を歌い、ミズが出て「青春の終わりに」をデュエット、となみが去ったらミナコが出てきて『ロシブル』の「別れの言葉」デュエットという、ふたりの相手役を見事に相手するミズのイケメンっぷりが素晴らしいターンもありました。ミナコもひとりのときは「リオブラ」センターでガンガン歌って、ミズがいる回ではふたりで歌っていました。ところでフィナーレでミナコだけが階段降りをしなかったのと、黒のドレスのデザインから、おめでたなのかな?と思ったのですが、どうなんでしょう…
 ミズは他に「生きるときめき」も。素敵でした。
 このあたりでかしちゃんが私の知らない歌を2曲ほど歌っていた気がします、すみません…『DAYTIME HUSTLER』とかかな? 「ゴールデン・デイズ」はわかったんですけど。あと新公ヴァルモンだった「あなたがいるから」ね! つくしちゃんメルトゥイユにマメちゃんトゥールベルでした、胸アツ。
 コムは大阪にしか出ないのでまーちゃんは私が観た二度ともピンだったのですが、バリバリにキメたキタさんにエスコートされて歌う『ドリキン』の「IMITATION DREAM」のディーバっぷりが絶品でした。
 ハマコの「Joyfull!!」もホント上手いのでホント卑怯。
 ブンちゃんは「On the 5th」は景気よく、そして去るグンちゃんを見送ってから歌う「殉情」がまた絶品でした。「こいさーん!」の絶叫つき。ブンちゃんはイシちゃんの分も、と『猛き黄金の国』も熱唱してくれました。
 グンちゃんは「雨の凱旋門」、そこにイシちゃんが見えましたよ…そしてブンちゃんやだいもんなどと大勢での「いのち」、沁みました。
 ハマコは「Blues Pequiem」も絶品で号泣。
 タカコの「大上海」(『嵐が丘』もあったっぽいけど私は知らない曲でした、すみません…)、イチロさんの「アポロ」、懐か死ぬ…トンちゃんとデュエットしたのは「風と光の中で」でしたっけ? これまた尊すぎてボロ泣き…曲のラストにバックハグして顔寄せて笑って、照明が絞られて…はー、きゅんきゅんした! しかし『ブルボンの封印』はトンちゃん退団作とあってヒロインの立て方を原作から改変していて、かえって原作の良さやおもしろさが全然出ていない作品になってしまったと私は考えているので、完全新作で再度舞台化して欲しいと思っている一作です。
 カリンチョさんは「花に散り 雪に散り」、ですよねー。そして「朝日の昇る前に」! あと2幕とっぱしにトンちゃんと踊った深川マンボが絶品でした。トンちゃんは「ラテン・ラバー」も素晴らしく、私は『ヴァレンチノ』初演には間に合っていないのだけれど、これは本当に彼女の持ち歌だと思います。イチロさんは他に「花の舞拍子」、「真紅に燃えて」「紫に匂う花」。
 モサクさんはグンちゃんと「たまゆらの記」。再演希望が多い作品ですよね…同じく「私は桃の花が好き」。これはやっちゃん回はやっちゃんと歌ったのかな?
 カリンチョさんとイチロさんとの『スカイ・ハイ・スカイ』の「私はカモメ」で1幕はシメでした。モサクさんは他に「うす紫の恋」、「そして、今」「さよならは夕映えの中で」「シャンソン・ド・パリ」。
 さすが現役、という艶やかさを見せて美穂圭子お姉様の「恋を呼ぶ歌」がまた素晴らしかったです。てか『ジャワの踊り子』またやればいいのになー、わりと好きな作品なんです。
 バレードは「タカラジェンヌに乾杯!」。「さよならタカラヅカ」「すみれの花咲く頃」で大団円、でしたかね…

 アンサンブルではハマコとキタさんが衣装も違っていて別格でした。キタさんの歌ももっと聞きたかったよー。しかし先日『ザマネ』でおもろすぎるマダム?をやっていたのにもう水も滴る男役っぷり、麗しすぎて震えましたよね…
 あとはきんぐが変わりなく、あゆみひーこのシンメとか胸アツで、ゆめ真音くんが娘役やっていてキュートでとても良きでした。
 しかしプログラムでユミコがトップスター枠に入っていて驚愕…劇団は彼女をトップにしなかったんだから、その責を負ってその後もずっと一線を引き続けるべきだし、本人側からこの枠でないと出ないと言われたのなら出演依頼を取り下げるべきでだったのではないでしょうか。潔くないんだよ、そーいうのが嫌なんだよ…(><)

 梅芸は今週末からですね。千秋楽のSpecial ALL回、いいなー! みなさまどうぞご安全に…
 星組100周年はちょっと先なんですよね、でもしっかり観たいと思っています! OGもいろいろ心を痛めていると思いますが、愛と勇気と誠意を大事に、変な取材とかは受けずに(劇団の調査は受け入れるべきだと思いますが)、前進していってほしいです。






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