駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇星組『ME AND MY GIRL』

2023年10月16日 | 観劇記/タイトルま行
 博多座、2023年10月9日15時(初日)、14日15時半。

 1930年代イギリス。ロンドンの下町ランベスに住むビルことウィリアム・スナイブスン(水美舞斗、暁千星の役替わり)は、恋人のサリー(舞空瞳)と自由気ままな日々を過ごしていた。そんなビルに、思いがけない幸運が舞い込む。なんと彼が由緒正しきヘアフォード伯爵家の前当主の落とし胤であることが判明したのだ。亡き前当主の遺言で財産と当主の座の継承者となったビルは、弁護士のパーチェスター(ひろ香祐)に連れられ、サリーとともにヘアフォード家に向かうが…
 作詞・脚本/L・アーサー・ローズ、ダグラス・ファーバー、作曲/ノエル・ゲイ、改訂/スティーブン・フライ、改訂協力/マイク・オクレント。脚色/小原弘稔、脚色・演出/三木章雄、翻訳/清水俊二、訳詞/岩谷時子、音楽監督/吉﨑憲治。1937年ロンドン初演、宝塚歌劇では87年月組初演以来何度も再演されているミュージカル。
 
 初日はAパターン(マイティービルにありちゃんジョン卿)、マイ楽はBパターン(ありちゃんビルにマイティージョン卿)で観ました。公演後半はもっと深まり、進化していくのかな?
 初日雑感はこちら、直近の2016年花組版感想はこちら、外部で観たときの感想はこちら
 これまでに来日公演みたいなのはなかったのでしょうか? 海外版というかもともとの原作版を映像でも観たことがないので、本来はもっといろいろニュアンスが違った作品だったのではあるまいかと私は勝手に考えているのですが、そういう部分は宝塚版はいろいろ拾えていなくて、お伽話的ハッピーラブコメとして消費されている気がして気になる…というのは初日雑感でも語りました。『ピグマリオン』が『マイ・フェア・レディ』になってしまったように、ミュージカル化、ハッピーラブコメ化するとこぼれ落ちるものも多いと思うので…
 でも、これまで月組と花組でしか上演されていなかった演目が、星組でやるとこんな感じになる、というのもよくわかる気がした、おもしろい上演でもありました。ときどきありますよね、何度も再演されている作品なのに上演組が偏ること…
 組カラーというか、時のトップスターの持ち味によるんでしょうけれど(宙組ができる前は星組はむしろノーブル担当というか、コスチューム・プレイの組だったイメージですし)、星組さんはやはり体育会系というか、ガッツとファイトの組で、元気で泥臭さを厭わない、からりとアグレッシブなムードがあると思います。お稽古も「とりあえず、やってみる!」みたいなノリで進んだようですし、そういう、あまり細かいことは考えない、けれど団体芸としてとてもよくまとまった、明るく楽しい単純明快な『ミーマイ』だったかな、と感じました。
 今の状況で『鴛鴦歌合戦』からハッピーエンドのラブコメ作品が続いたのも、ファンには精神的に助かりましたよね。まあそういう意味ではヘルムートの最期の演出変更はなかったそうですが東京公演が始まった『フリューゲル』もハッピーエンドのコミカルな作品ではありますが、こちらは出演者のコロナとインフルエンザの大量罹患を理由に早くも2日目から公演が止まってしまいました…私は先日5回目のコロナワクチンを打ってきましたが、なんせ注射が嫌いなんでインフルエンザの予防接種は受けたことがなく、インフル自体もこれまでに一度しか罹ったことがないので(四十すぎで初めて罹ったときには自分でも驚いたものでしたが…)、これからもマスクとうがい手洗いでしのぎたいと思っているのですが…ダメかしらん。今の猛威は本当に大変なことになっているようですしね…ショーでは客席降りもありましたし、どこからもらってくるかホントわかりませんよね。みんなどうぞお大事にして、代役その他もあまり無理せず、けれどなるべく早い安心安全な再開を、心静かに待ちたいと思います。

 さて今回の『ミーマイ』は、役は少ないんだけれど別箱ならまあちょうどいいとも言えますし、上演台本が多少ちょいちょい変わってはいましたが、基本的には勝手知ったるいつもの流れで、別に過不足はなかったと思いました。でももうちょっと細かい情報もあると補完妄想もはかどるのにな…とかは、観ていて感じたりしました。
 この時代の爵位は長男の長男へ相続されていくもので、次男以下や娘や庶子は蚊帳の外、なのでしょう。ビルは庶子ですが、亡くなった伯爵の遺言があったので、そして彼に他に男児がなく、一族に男系男児もいなかったのでお鉢が回ってきたのでしょう。ジェラルド(天華えま)もジャクリーン(極美慎)も、前当主の妹(マリア(小桜ほのか)の姉)たちの子供なのでしょうからね。
 …と判断したのは彼らの姓が違うからですが、しかしヘアフォードというのは爵位の名前であって家系の名前、名字とは違うはずだから、もしかしたらボリングボークかカーストンがこの家の名字なのかしら…でもおそらく前ヘアフォード伯爵の妹たちがそれぞれ外に嫁いで、それぞれ一粒種に恵まれた、のがジェラルドとジャクリーンなのでしょう。ジェラルドの母親の嫁ぎ先は爵位持ちの貴族ではないのでしょうね、それなら父の爵位をジェラルドがいずれ継げるんですからね。でも継ぐべき爵位がないから、ジェラルドはヘアフォード伯爵位とその財産を狙っているのでしょう。父親はどんな人なのかなあ、どこかの貴族の次男や三男なのかなあ? それとも実業家とかなのかなあ、ジェラルドを自分の会社に入れて働かせようとはしていないのかなあ。領地から上がる収入で食べていける貴族なら働かないでいい(というか領地管理ないし社交が仕事なのであって、普通の意味の勤労はしない)のでしょうが、ジェラルドはどうもそこまで収入のアテがないようでもあるし、厳密には裕福な貴族のボンボンではないんだったら今の生活態度はいかんと思うぞ。ビルが精算してくれた借金というのは競馬か何かで作ったものでしょうが、そう何度もたかれるものではないので、これからはちゃんとなんとかしてジャッキーを食べさせてやってください。でないとうちの可愛い娘を嫁になど出せん!(モンペ)
 ジャッキーの方は…この時代でももうちゃんと働いて自立している女性はいたでしょうが、ジャッキーはそんなことは目指さなくていいのよ、こんなに美人なんだからいつかお金持ちのところにお嫁に行けるわよ、それで悠々自適やりたい放題よ、と言われて蝶よ花よと育てられ、のびのび天真爛漫に育って、ああなのでしょう(甘い(笑))。前当主が亡くなったのはいつなのか、落とし胤捜しをパーチェスターがどれくらいの年月やっていたのかはよくわかりませんが、それとジェラルドとジャッキーの婚約の時期の前後関係はどういうものだったんでしょうね…?
 ジョン卿とマリアにしても、幼馴染みで30年越しの恋はいいにして、お互い結婚歴はあるんでしょうか? それで死別して今は独身、とかなのか?
 マリアは「ディーン・マリア公爵夫人」とされていて、前ヘアフォード伯爵の末の妹ですが、どこかの公爵と結婚したからこの称号なんでしょうか? でもその公爵が亡くなっていて今は独身、ということなら、この公爵位は彼らの息子でなければ親戚の男児に継がれたはずで、彼が結婚していれば公爵夫人の称号はその妻のものになります。それともこの「公爵夫人」というのは、一族の未婚の女性に贈られる名誉称号みたいなものなのかもしれません…王族にはよくそうした女公がいますよね。
 ジョンはジョン・トレメイン卿という名前ですが、ヘアフォード家の遠い親戚か、はたまた前当主の学友、親友みたいな立場で、遺言執行人とされているのかもしれません。男性ならこれくらいの歳まで独身でいることも許される気もしますが、どうなんでしょうね?
 というか彼らはいったいいくつくらいなんでしょう? 木登りして遊ぶような歳から30年後なら、せいぜい四十絡みくらい? アラ還とかではない感じなのでしょうか。となると前当主もハイティーンくらいのときに「不幸な関係」を結んでビルが生まれたのかもしれませんね。てかビル、サリー、ジェラルド、ジャッキーって二十歳前後くらい…で合ってるのかな設定??
 そのあたりの細かい設定、説明があまりなく、ある意味で記号みたいなキャラクター像の中で、演じる人がそれぞれ個性を出すから、可愛らしくも単純でチャーミングな小品に仕上がっているのかもしれない…とは、思いました。

 ここでは何度も言っていて大変心苦しいのですが、私はマイティーにあまり興味が持てないでいるので、ありちゃんビルを楽しみにしていました。しかし意外や意外、芝居はAパターンの方がいいな、と感じました。てかマイティーってやっぱり上手いんですよねえぇ…!
 まあ、ビルって意外とトップスターには難しい役なんだろうな、とは以前からも考えてはいました。下町育ちの、掏摸か詐欺師まがいのこともして稼いでいるような、明るくてチャーミングだけれど粗野でやんちゃな青年…というのが役どころですよねビルって。この「粗野」とか野卑、とかが、教育を受けて洗練された紳士になっていく後半との対比のためにも必要なのですが、やはり「品の良さ」「品格」を目指して磨かれてきた上級生スターにとって難しいんだと思うのです。マイティービルにもそういう野蛮さ、ワイルドさは決してありませんでしたが、なんか苦労人っぽい感じとか、そこから来る優しさ、包容力みたいなものを感じる、庶民臭のちゃんとあるビルだったと思います。対してありちゃんは見た目のスマートさもあって、むしろジェラルドが似合いそうな、いかにもいい子ちゃんな感じが滲み出ちゃっている気がしたんですよね。ビルってやることが多いし、一度出たら出番も長い、まあまあ大変な主役なんだなとは感じたので、まだまだいろいろ段取りに追われていて、演技らしい演技ができていないのかもしれないな、とも思いましたが…なので公演後半に観たらまた印象が違っていたのかもしれません。
 マイティービルはビールのビルで、ありちゃんビルは今までどおりビルディングのビルでした(笑)。貴族社会ではウイリアムという名前をビルという短縮愛称で呼ぶことがほぼないんでしょうね、それでジャスパー卿(蒼舞咲歩。絶品すぎた!)には耳馴染みがなかったのでしょうし、最後にビルを送り出すときにマリアが初めて彼を「ビル」と呼ぶのが効いてくるんですよね…
 ジョン卿はどちらも上手く、でもやはりありちゃんの方が意外性もあって目を惹きました。マイティーのジョン卿は本人比でわりとフツーの出来だった気がして、それでやはりAパターンの方がまとまり、おちつきがあるように感じました。そしてフィナーレはBの方がバランスよく感じました…
 サリーはビルが違っても特に大きな演技の違いはなかったかと思います。いい感じにガサツくてよかった、と私は感じましたが、もうちょっときれいめのサリーの方が好き、という層はいるかもな、とも思いました。「足の爪まで化粧して~」の台詞はなくなっていましたね。ヘザーセット(輝咲玲央。渋くてたまらんかった! しかし女に惚れたことがないとはどういうことなんだ、惚れた女を妻にしたのではないのか)に対してスカート摘まんでガニ股で「どうぞよろしく」ってやらかすところ、最高にキュートでした! あと歌がホントに上手くなったよねえぇ…! 「一度ハートを失くしたら」、絶品でした。「レディ・ジャクリーンに仰って~」のくだりの鼻息の荒らさもホント最高でした。
 ジャッキーもビルが違っても特に変化はなかったと思います。誰よりもおっきくて、綺麗さっぱり美人、誰憚ることない美人で、もう清々しいことこの上ありませんでした(笑)。ジャッキーってヒロインのライバル役であり、これまで基本的に男役がやることでそこはかとないオカマ臭が常にあり(差別用語ですが他にいい表現がなく、すみません…)、そこがアクやクセや女性キャラとしての弱点にもなってきた役だと思うのですが、かりんさんは本当にてらいなく、生き生きと楽しんでこの役をやっている感じで、別に娘役仕草がとても上手い、とかではないんだけれど、とてもナチュラルでまったくオカマ臭がないところが、とてもとても新鮮なジャッキーでした。そしてそれでもちゃんと成立するんじゃんこの話、と思えたのも新しい発見でした。
 手脚がすらりと長く細く、声も変に高くも低くもなくて、あくまでゴージャスな美女で、我が道を行く魅力的な女性。でもそもそもビルにとっては的外れなのでフラれるし、一方でジェラルドはちゃんと彼女の彼女らしいところを理解し愛していて懲りずにプロポーズしてくれるのでしょうから(指輪を仕込み忘れた回があったそうじゃないですか! でもニッコリ笑って続けたらしいですよカワイイなぴーかりん!!)、上手くまとまるんであって、ホントよかったよかった、です。
「あなたは私に夢を見させる」はそれこそやることの多い大ナンバーですが、初日の完成度は素晴らしかったと思います。流れるようで段取りを感じさせなかったし、マイティービルとの距離もめっちゃ近くてよかったです。胸でも脚でも見えすぎると下品だし全然見えないとつまらないわけですが、ちょうどいい感じにガウンの裾が割れましたしね(笑)。ありちゃんビルとは私が観たときはまだ距離が詰められていない感じで、全体的にもややバタバタして見えたかな…でっかい者同士でソファが小さかったのかもしれません(笑)。
 ビルのお披露目パーティーの黒と金のドレスもいいけど、ラストのオレンジのドレス姿が本当に綺麗でした。脇がスッキリ美しくてねえぇ…惚れ惚れ。
「家つき弁護士」でノッてきてジェラルドと腕組んで踊って、お互い正反対の方に進もうとしてコケかけるくだりがあるんですが、ジェラルドの方がジャッキーに引っ張られ気味なのもとても良きでした。あとジェラルドよりジャッキーの方がすらりんと背が高いのが本当にいい。こういうカップル、別に珍しくないし、女性の背の高さが美点とされている文化圏っていいな、と思うんですよね。そしてぴージェラルドがちゃんと貴族としての鼻持ちならなさも漂わせる、ただのパープーなお坊ちゃんじゃない役作りをしているのが、逆にジャッキーが意地悪とか策略とか言ってもたかがしれている単純さの、本来的には気のいい女性で実はそれほど高慢ではない、という感じとマッチしていて、とてもいいカップルに見えました。ここに幸あれ。
 初日のカテコの膝折りお辞儀の生まれたて子鹿っぷりも愛しかったですが、次に観たときはスムーズになっていたからたいしたものです。でも屈んでもデカい、はー愛しい。
 あと、今回やたらジャスパー卿と仲がいいジャッキーなのも新鮮でした。めんどくさい老人だと敬遠したりせず、常に親切に気遣い、でもあくまでナチュラルに対応していて、ホントいいお嬢さんなんだろうなジャクリーン…!と感心しました。彼女がこう育つんだから、彼女の両親は本当に素敵な人間なんじゃないかと思うのです。
 ただマジで「お金? 何ソレ美味しいの?」って言いそうではあると思うので、頼むよジェラルド…!
 そのジェラルドも、ビルやジョン卿が変わっても特に変化はなかったかな? ぴーの役作りは、気のいいだけのボンボンではなくて、貴族としてのいけすかなさもあるような、小僧みたいなファッションでも精神的にはちゃんと大人であるようなジェラルドで、おもしろかったです。本当に絶妙に上手いよね、ぴーすけ…
 あと、フィナーレとっぱしの主題歌が絶品! 本人が作品の大ファンでゆりちゃんビルの大ファンで芸名も一字取っている、というのは有名な話だと思いますが、それもあるし、ホント声がイイので、正直マイティーが歌う主よりありちゃんが歌うよりイイと思う。ぴーは今後も長く組にいていただかないといろいろ支障が出てくるぞ、と心配になるくらいの実力者だと思います。

 MVPはマリアほのかちゃんだと思いました。しっとりしたおちつき具合がちょうどよくて…専科さんがやる、ホントの、気難しそうな老貴婦人みたいなマリアはやっぱちょっと違うと思うんですよねー。最後にビルの頬にキスするところ、どちらのビルもまあまあ背が高くて伸び上がってしていて(ありちゃんはやや屈んでくれていた)、微笑ましかったです。
 ひーろーのパーチェスターは、全体のバランスを見てややおとなしめにやっている印象でした。それでいいと思いました。
 娘役はホント役がなくて、バターズビー夫人が白妙なっちゃん、ソフィア・ブライトンが水乃ゆりちゃん、チーフメイドが都優奈ちゃん、くらい。にじょはなちゃんのワーシントン夫人とか、うーんやりようがなかろう…でしたよね。メイドや淑女や幻想に美蘭ちゃんやるりなたん、ひよりんをせっせと見つけていました。男役も、天希くんが毎度美形だなあ、と眺めるくらい…やはりちょっともったいないですよねえぇ。

 フィナーレは、本公演だったらロケットからでしたっけ? ジョン卿はラストシーンにいるから歌唱指導は無理ですもんね? ジェラルドも、メインキャストはみんな着替える暇がないもんね。
 今回は役のまま、ぴーほのかの主題歌から。なんせ歌が上手いふたりなのと、一族の老若男女をふたりで代表しているようで、私はいいなと思いました。
 そしてかりんさんとジョン卿役者とのタンゲーラ。すなわちAパターンではありちゃんと、Bパターンではマイティーと。Aでは金髪ショートボブの鬘、Bでは赤毛外跳ねにしてきましたかーわーいーいーーーー! 男役は白燕尾…かな?(見えてない) かりんさんも白燕尾ですが女性バージョンで、袖はなく二の腕が剥き出しで白長手袋、パンツは裾が広がってスリット入り、白ハイヒールに白シルクハット。要するに男装のディートリッヒふう。キャーーーー!! ヒールなのでありちゃん相手でもでっかかったし、初日は必死でカウントを取っているのがわかるようなダンスでしたが(笑)、マイティー相手のときにはだいぶリラックスして踊れていたような…てか尺が短いよ! もっと観たかったよ! でもボロが出ないよう最低限の尺でよかったのかもしれません!(爆) でもでもゴージャスで、オトナなムードの場面で、素敵でした。
 からの…プログラムではひっとんの役名が「レディルージュ」だったので娘役群舞かな?
と思っていたら、ギラギラ真紅スパンコールダルマに雉羽根で出てきたのでどっひゃー! たっぷり歌うは「顎で受けなさい」! さらにルージュダンサーAのりらちゃん、水乃ちゃんが出てきてアダルティ! そしてひっとんをセンターに娘役ちゃん全員でのロケット! はーたまらん!! しかし手拍子転調がわかりにくい編曲だったのはマイナス。手をつなぎました、ここから脚上げです、手拍子入ります!ってタイミングはもっときっちりわかりやすく作らないとダメです。要反省のこと。
 男役群舞は燕尾で、これはABのフォーメーション違いはなし…だったかな? 続いてひっとんがAのときはピンク、Bのときはペールブルーのドレスで出てきて、まずはひとりゆったり踊ります。ビル役者のお着替えタイムのためだけれど、こっちゃん元気かな? ゆっくり休んでね、星組はがんばっているよ…と思うなど。そしてデュエダンはリフトもあってしっとり、かつラブく、素敵なものでした。これはありちゃんとのカップルが本当にディズニー・プリンセスのようで、よかったなあぁ。でもマイティーとも花組時代に組んだこともありましたよね、そういう意味ではこっちゃんがいないと何組なんだ今ここは、状態ですが、それもまたよし、です。宝塚はひとつ!
 パレードはエトワールの白妙なっちゃんから。白のドレスでしたが、ラインナップには他の娘役とお揃いの赤いドレスに着替えていました。最後にウェディング姿の3組が降りておしまい。ジャッキーのドレスだけデコルテが覆われていて、お嬢様っぽくてとてもよかったです。
 だが階段はジャッキーの後にジェラルドを降ろし、ラインナップでもジェラルドをサリーの隣に置いたのは解せん…ここは女子ふたりの並びが観たかったし(全員女性です)、何より番手がそうだろう、プンプン(怒)。でもプログラム、スチールはふたりのビルのあとサリー、1ページ開けてジャッキー、そのあと学年順…でしたが素化粧写真のプロフィールページはまずひっとん、そしてマイティー、ありちゃん、かりんさんという学年順で、この公演ではトップはひっとんなんだ、ということがきちんと表されていてよかったです。娘役でもトップはトップ、尊重してもらわないと困ります。
 初日カテコでなっちゃんがひっとんをつい「星組トップスター」と紹介してしまった部分は、スカステニュースでは目敏くカットされていました。確かに組の「トップスター」と言えばそれは男役トップのことなのであり、娘役のトップは「トップ娘役」であって、そこに矜持がある部分もあるのでしょう。そういう峻別と尊重は大事。そして主役の役替わりに目がいきがちだけど、ヒロイン役を組のトップ娘役がしっかり演じている、ということをちゃんと尊重し、きちんと言及することも大事。あたりまえのことではないのです。もちろんここにも代役設定はしてあると思うけれど、元気で健康で全日程出てくれるだろうひっとんは本当に偉いし、だからこそ労り褒め気をつけてあげていただきたいです。


 初日開演前に、理事長が緞帳前に下手袖から出てきて、厳粛な表情で短いご挨拶をしてくれました。悲しい出来事のこと、亡くなった生徒に哀悼の意を捧げること、さまざまな事情で止まった公演があること、未だ止まっているものも安全の確認が取れ次第再開予定であること、この公演はこのあと予定どおり開幕し、千秋楽まで上演予定であること…前日の花組東京公演大千秋楽にも現地に出向いて観客に挨拶があったようで、まずはその誠意を信じたい、と思いました。
 カテコではご当地出身ということで、九州ジェンヌのご紹介あり。地元っ子の鳳花るりなちゃんが私が二度目に観に行った日から休演で、しょんぼりで心配です…怪我よりインフルの方が復帰が早そうだけど、無理せず、しっかり休んで癒やして、そして笑顔で戻ってきてほしいです。
 今回は二度とも日帰りしてしまいましたが、泊まってゆっくりごはんしたい街です、ホント。また定期的に宝塚公演がありますように。それか、歌舞伎か…(ガクブル)久々にお会いできたお友達も多く、楽しい遠征でした。
 B初日はニュースでやらないのかなあ、千秋楽待ちかなあ…早く舞台写真が山ほど欲しいです。千秋楽までどうぞご安全に。そしてバウ公演の方もいいものでありますよう、お祈りしています!!!



 






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