駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『オイディプス』

2019年10月19日 | 観劇記/タイトルあ行
 シアターコクーン、2019年10月17日18時半。

 「父を殺し、母を娶るであろう」という恐ろしい予言から逃れるため、放浪の旅に出たコリントスの王子オイディプス(市川海老蔵)は、旅先のテーバイで他国の脅威を退け、法の秩序を取り戻した英雄として請われ、王になる。先王ライオスの妃イオカステ(黒木瞳)を妻に迎え安寧な日々を送るが、まもなくテーバイに疫病が蔓延し…
 原作/ソポクレス、翻案・演出/マシュー・ダンスター、翻訳/木内宏昌、美術・衣裳/ジョン・ボウサー、振付/シャーロット・ブルーム。ギリシャ悲劇の最高傑作と言われる『オイディプス王』の設定を大胆に引き継ぎ、歌舞伎、現代劇、ダンスのコラボレーションで上演。全一幕。

 たとえばイシちゃんの『オイディプス王』なんかも観ていますし、話は知っているわけですが、久々にワケのわからない舞台を観てしまいました…
 別にオイディプスがスーツを着ていようが、テーバイ市民に政見放送みたいなのをしようが、コロスたちが街から官邸?に入るのに防護服を脱ごうがいいんですけれど、単純に戯曲としてよくわかりませんでした。つまり現代だか近未来だかに翻案されているからわからない、ということではないと言うことです。
 ストーリーはあらすじにあるようには展開せず、すでにオイディプスはテーバイ王になりイオカステとの間に子もなしているところから始まるので、そもそもどうしてここに至ったかなどがあとから語られるのですが、それだと我々観客がすでに古典としてネタバレとして知っている設定を劇中の彼らがどこまで知っていて知らないなら今どう知ることになるのかその順番がよくわからず、共感も感情移入もできず謎解きもスリリングにも気の毒にも思えず、とにかくどう観ていいのか、どう捉えていいのか私はさっぱりわからなかったのです。コロスもそのリーダー(森山未来)もよくわかりませんでした。
 私は歌舞伎もくわしくないし海老蔵がどういう歌舞伎役者なのかも全然くわしくないのですが、別に歌舞伎っぽいとも感じませんでしたし、ただ単調にとうとうと台詞を言っているだけのようで、はっきり言うと眠かったです。ショーコちゃんもどういう女性なのかキャラクターとしてよくわからなかったし、海老蔵の母親の歳に見えているのかどうかもよくわかりませんでした。
 セットは素敵だなと思ったんですけれどねえ…あと照明もよかった。でも映像の使い方はやっぱりよくわかりませんでした。スタッフがみんな外国人なので、西洋と東洋の融合とかなんとかいうものを狙ったのかもしれませんが、とにかく私にはよくわかりませんでした。残念です…






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