駒子の備忘録

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この世界終わる日まで輝く愛を捧げよう~澄輝日記FINAL(一応、多分)

2019年08月18日 | 澄輝日記
 2019年7月21日、宙組の澄輝さやとさんが宝塚歌劇団をご卒業なさいました。
 ヘンな敬語かもしれません、すみません。でも純然たるファンモードだと生徒さんに対してこういうところ、あるから…ここは、ご容赦ください。
 以後、毎度のことで長い、このひと月あまりの日記です。


 私が自分にファン自認、あるいはファン自称を許したのは(めんどうな人間でホントすんません)会に入ることにして以降だと思うのですが、そのときからずっと、そしてたとえば『オーシャンズ11』集合日以降も、本当に日々楽しくて幸せで、笑ってばかりの尊き日々でした。卒業なるものがいつかは来ることはわかっていましたし、おかげさまでとあるご縁により早くに心構えさせていただけたこともあって、本当に悔いなく、楽しく、元気に走り抜けさせていただきました。
 それでも、いつのころからか、喉がつかえてものがうまく言えないような、胸がつまって何事に対しても自然な反応ができないような、脳の一部が冷たく冷えて凍って固まってものがうまく考えられないような、そんな状態でずっといる気がします。何があっても、何を感じても、すぐさま脳内で言語化して、そのままツイッターなりブログなりお友達との呑み食べ語りなりで吐き出して、それで昇華して取り込んで自分の血肉として、そしてリセットしてまた次に進む…というようなことをずっとずっとやってきたつもりのこの私が、です。
 それくらい、やっぱりショックというか、単純に寂しかったし意外に動揺したし、要するにうまく受け止められない、咀嚼できないでいるんだと思います。もう会えないのだ、ちょっとしたおしゃべりができないのだ、新しい役が観られないのだ、新しい歌やダンスの場面はもうないのだということを、よく理解できないでいるんだと思います。
 サヨナラ公演の演目自体を私が評価できないこと、ハッピーエンドのコメディーだけに泣けないままに終わっていること、もあるのかもしれません。だって私が公演イチうるっとしたのって大劇場初日ラインナップ、すっしぃさんの内側に入ったときの驚きの涙、だったかもしれませんもん。次点は東京大楽、セレモニーのご挨拶で、初めてにして最後、要するに唯一の新公主演をした『クライタ』の歌詞を引いて語り出したとき、かな。嗚咽号泣しそうで、でもオペラグラスの視界を涙で曇らせたくないから、ずっと口腔内を噛みしめて耐えましたが、そんなことは今までの人生で一度もなかったことかもしれません。でもこれも「もう景子先生に足向けて寝られない!」とか言語化してつぶやいたもんな。てか寝るし。『青薔薇』が駄作だったら初日から暴れるし(ちなみに初日から遠征予定ですがチケットはまだ入手できてませんみりお怖い!)。だからこのときも、本当の意味では泣ききれなかったんだと思います。あ、最後のお茶会でのお歌にはけっこう泣きましたけれど、そのあとの退場時のアクシデントがおもしろすぎて見事に引っ込んだからな…(笑)

 大劇場千秋楽に引き続き、東京大楽の楽屋入り出待ちもフェアウェル・パーティーも、笑顔しかない空間でした。愛と幸せに満ちていました。その空気にふわふわとくるまれて、私はやっぱりまだ、喪失感なるものをうまく受け止められず、「澄輝さやと」さんとのお別れがうまくできていないんだと思うのです。この名前の男役スターはもういないとわかってはいて、おそらくこの先この名前で活動する人もいず、当人は本名だけの存在にすっかり戻ってしまうのだろう、と私としては考えている、にもかかわらず、です。
 卒業後も財団時の芸名のまま、芸能活動を続けるOGはたくさんいます。私はどの生徒さんに対してもそうですが、わりと、宝塚歌劇の男役でないと好きじゃない、とか娘役じゃないと好きじゃない、ということはあまりなくて、いわゆる一般的な女優さんとか歌手とかタレントさんになっても好きな人はわりと好きなままです。舞台やコンサートなどけっこうホイホイ行きます。現役時代はあまり好みのスターさんじゃなかったけれど女優さんとしてはすごく好きになった、という人もいます。
 でも、ぶっちゃけ私はこの人に、卒業後にそうした活動を求めていないんですね。というか、この人のことを卒業後になんらかの芸能活動をしそうな人だと思っていないのです。ホント過保護でモンペでかつもしかしたら当のご本人を見くびった発言かもしれず、大変申し訳ないのですが、でも、やっぱり、「…ないんじゃない?」としか思えないでいるのです。
 トップスターでも退団後の芸能活動は山あり谷あり、主役ばかりでないのはもちろん、集客に苦労すること始め、いろいろしょっぱい事態が起きたりすることもままあるわけじゃないですか。ましてやトップでなかった生徒など…あえて言っています、何かを貶めるつもりはないのです。でも、事実そうでしょ? 世の中は世知辛く、しんどいことがたくさんあるでしょ? それでも愛し続けていく自信はあるつもりだけれど、でもやっぱりそういうしんどい思いはさせたくないし自分がしたくない…というこの考えの甘さと卑怯な保身よ…ホント自分で自分が嫌になります。過保護と言って保護しているのは自分の心なのです。傷つくのが嫌なんですね、ホント弱虫でしょーもない人間ですみません。
 当人が荒波に出ていくというのなら、もちろんついていきます。万難を排して全力で通いまくります。でも、ある程度の自己顕示欲とか承認欲求みたいなものとか、あとはいわゆる自己プロデュース力みたいなものがないと、劇団を離れて個人で芸能活動していくって難しいと思うんですよね。たとえ新たに芸能事務所みたいなところに所属しようと、まず本人の意思ありきであって、事務所が何から何までお膳立てしてくれるわけじゃないだろうし。そういう欲が、あるだろうか? あの人に? 私にはあるとは思えなくて…それとも私がへなちょこすぎて上手く想像つかないだけ…?
 別に、すべてをやりきって満足しただろうからもう一切何もしないだろう人だ、と思っているわけではないのです。しばらくはゆっくりできて、何より好きなボーッとできる時間がいっぱい持てて幸せだろうけれど、でも仮にも15年間ほぼ毎日びっしりお稽古やら公演やらの予定がある日々を送ってきた人が、急に毎日が日曜日の楽隠居みたいな暮らしなんてさすがにもの足りなく思うようになるんじゃないのかなとか、それでやっぱり何かの活動はやりたくなったりはするかもしれないよねそれを楽しいと思ってそれこそ15年間もやってきた人なんだからさ、とかは思います。だからやりたくなったときでもやり方がわからない、とかだとかわいそうだなとかまたモンペを発揮して先回りして心配したりもするのですが、そういうあれこれも踏まえて、で、やっぱり、やり方がよくわからないしもういいかやめとくか、とかってなりそう…というのが申し訳ありませんが私のイメージなのです。イヤでも、ともちんとかPちゃんとかえりちゃんとかあいこちゃんとか、いろいろ芸能活動している先輩OG(同期でも先に退団していたら先輩でしょう)が自分のライブやイベント企画にゲストとして誘ってくれたりしたら、もしかしたら…? そこから地道にコツコツ活動していく、とかは、あるのかも…? なんせ毎度低く見積もっては毎度凌駕されて驚き感動しますます好きになる、ということをホント毎度毎度繰り返してきた私ですからね…
 でもなあ…別に単独ライブでも如水くらい瞬殺だろうけど、じゃあ第一ホテルなら? 東京會舘なら? …とか、もうそういうしょっぱい心配をしたくないんだ、という…そして始めに戻るのでした。
 せーこやりくがお仕事の発表をしているのを見るにつけ、偉そうな言い方でアレですが声がかからなかったわけはないとも思うんですね。でもとりあえず断っている、断れているということなんだろうし、もしかしたら会の解散式を何かの一区切りと考えているのかもしれませんが、やはりその先も、特に何もないのではないかしらん…と、思ってしまうのでした。
 だから本当にもう、宝塚歌劇の男役としての「澄輝さやと」はもちろん、芸能人としての、「澄輝さやと」の芸名を持つ存在としてのあの人には、解散式を最後に会わないのだろう、と私は思っているのです。芸名から離れてももちろんあの人はこの世に存在し続けますが、私たちとは「スターとファン」でなければもうどんな関係でもなくなってしまいます。だって友達同士じゃないんだもん。連絡先すら知りません。路上で落ち合って話すような機会もなくなり、手紙を手渡しする機会もなくなる。郵送もできなくなります。会えない、話せない、関われない、想いが伝えられない、CS放送に新しく現れることも機関誌に掲載されることもない、なんでもなくなるのです。
 退団同期が続々とインスタを始めてますが、そういうタイプでもなさそう…だからSNSでつながる道もない、気がするのです。
 あたりまえですが、寂しいです。でも、いかにもだなと思えるし、他人になっちゃうんだからあたりまえなのだとも思うし、だからどうにもならないのだとも思っています。友達になりたいと思っている、というのとも違う気がしますしね…
 ただ、『オーシャンズ11』の歌詞ではないですが、一ファンとしてこのスターを愛した日々に偽りはないし、消えるものでもありません。この先がないならここで終わりで固定されて以後変質しない、それを望んでいる、とも言えるのかもしれません。私は変化を恐れる弱虫なのかもしれません。このままなら、私たちのこの愛はここで凍結されて、以後いつまでも変わりはしないのですからね。
 もちろん、去る者は日々に疎し、ということはある。でも、やっぱり、そのまま変わらず残るものもあるのだと思いたい。今は日々そんなようなことを行ったり来たり考えていて、手段がありさえすれば伝えたいものだとも思っています。今も耳に残るあの伸びやかな歌声に乗せて。
 そんな、日々です。

***

 梅雨が明けることはありませんでしたが、東京大楽は楽屋入り待ちも出待ちも雨が降らずに保ってくれて、助かりました。集合時間もそんなには早くなくて、前乗り宿泊などを特に予定していなかった私としてはこれまた助かりました。
 退団者会のガードが日比谷公園に集まって隊列を組んでいたのと同じ時間に、在団者会のガードは劇場前とシャンテ前に入って場所取りを始めてくれていたんですよね。もちろんこれまで私もそちら側としてずっとやってきたことですが、私は贔屓の入りを見守るついでに退団者の入りも見守れるという、役得みたいなものを感じて楽しかったです。だから苦になっていないと思いたい…けれど、改めて、退団者会としてその前に入らせてもらうとなると、在団者会ガードのありがたさに泣きそうになりました。
 また、列を作っているときには気づかなかったのですが、いざ劇場前のブロックに入ってスタンバイしてみたら後ろの列にお友達がいて、そう組んでくれたんだなと会の気遣いにこれまた泣きそうになりました。誰もが認める貢献会員さん方がちゃんとセンターにいらしていて、そういうのもさすがだなと思いました。こういう振り分け作業みたいなのって本当に大変だと思うんですけれど、本当に丁寧な会でした。感謝しかないです。
 大劇場では軍服ふうの白装束でしたが、東京ではすっきりと白スーツでした。実際には揃いではなかったのかな? 金のラインの入った白いジャケットとつややかな白のパンツ、白のシャツ姿は、過剰な華美さはまるでなく、本当にすっきりと晴れやかですがすがしく、スマートでノーブルでした。
 掛け声がまたよかったと思うんですよね! 自画自賛ではなくて、台本がいい。ガードの声を揃えるために会のスタッフが何度も何度も「せーの!」と合いの手を入れるのをダサいと私はずっと感じてきたのですが、うちの会の掛け声にはそういうことがなく、ひとつの流れの文章のうちスタッフも一文節を担当するような形になっていて、内容も演目を踏まえたもので、長すぎることもなく、とても粋だと思いました。ちょっとしたアクションも含まれていて、それに反応してくれたのがまた嬉しかったです。
 返す言葉はまあ普通だったと思うんですけれど(笑)、ツボだったのは、楽屋に入ろうとしたときに、それまでガード列に対してセンターに立っていたわけですが、そこからまっすぐ楽屋口に向かっちゃうと半分が遠いままになっちゃうから、ちょこちょこと帝国ホテル側に少しだけ戻って手を振り出して、そのまま手を振りながら再び楽屋口側にまたひょこひょこと進んでいき、最後に楽屋口前ではブンブン両腕を振って、それが全然対称に振れてなくて、のちにお遊戯会みたいなばらんばらんの向きの手をしたギャラリー写真がネットに上がったことですね。もっとさっと歩いてもいいのにぴょこぴょこしちゃうところとか、ホント全然ロイヤルじゃないし、でも気遣いがありがたいし、なんかもうイロイロ愛しすぎましたしおもしろすぎました。
 ガードはそのままミッドタウン方向に抜けてゴジラ像あたりで流れ解散になり、私はジョナサンでお友達たちと落ち合って朝ごはんにしました。店内は白いお洋服の人でいっぱいで、他のお友達たちにもたくさん会えました。ここでも笑いっぱなしだったなー。
 ダブル観劇だったので慌ただしくはありましたが、大休憩にもちゃんとシャンテでがっつりごはんして、大楽の開演前にはまたお友達たちと落ち合って記念写真を撮りまくって、売店のソフトクリームのスタンドすら「白着てる! 仲間だ!!」と写真に入れるありさまのテンションで、楽しかったです。まあちょっとおかしかった、とも言えるかもしれません(笑)。

 大楽のソールの演技指導は客席に向けて「愛してるぜ」&ウィンク&投げキス、みたいなもので、ソールがやっているうちからもう「これをあとで自分たちだけでやらされるのか…まあでも短めでよかったかな」みたいな素の顔しているフランクさんがたいそう愛おしかったですが、みんなで一度やったあとゆりかちゃんダニーが「フランクとバシャーとの出会いにも感謝! 愛してるぜ」みたいなことを言い出してふたり以外のイレブンがふたりにウィンク&投げキスしてくれて、ふたりも客席も大喜びでしたね。ここはふたりは聞かされていなかったのでしょう。その後、バシャーそしてフランクがそれぞれ単独でやってみせてくれました。
 でも、せーこダイアナが補正予算3万ドルをせしめるのに、公演バッグの中からさらにゆりかちゃんトートバッグを出してお金を入れさせたところの方がウケたかもしれません(^^;)。公演バッグだけなら大劇場千秋楽と同じだったところを、さすがはせーこちゃんです!
 フィナーレの輝きはもはや夢のようでした。銀橋からの戻り際、会総見のときほどではないにせよ二階の会席あたりに送っただろう視線、たまりませんでした。
 セレモニーでは、キキの手が空くまで組からのお花を大劇場ではアラレが持っていたのが、東京ではあきもになっていておっと思ったのと、お花のグラデーションが大劇場と東京では逆になっていて、白が上に来ていてレフ板代わりになって顔がより明るく見えたのが印象的でした。エビちゃんとはやっぱり会話がなかったようで、それにもにまにましました。
『クライタ』の歌詞はもちろん刺さりましたが、今後の人生に言及したくだりが、まあよくある言い回しではありましたが、私には、ああやはりこの人はここでひと区切りつけるんだな、この名前で芸能活動を続ける気はなくてこの先は全然ちがう生き方をしていこうと考えてるってことなのかな、と思えたのでした。
 雉羽根に刺さることなくゆりかちゃんの大羽根の懐に入れるようになったところに成長を感じました(笑)。カテコで微妙なタイミングの掛け声に気づきつつもおたおたして「ハイ!」とだけ応えて笑うところも愛しかったです。

 出待ちスタンバイの集合も日比谷公園でした。ガードは今度はシャンテ側に入りました。素化粧に袴姿、大劇場千秋楽も美しかったけれどやはり完璧に美しいリーゼント、輝いていました。またまたどこで掛け声を聞くかちょっとおたおたウロウロしたあと、うんうん頷きながら笑顔で聞いてくれて、訥々と応えてくれて。沿道の両側に会釈しながら帝国ホテル側まで去って行くのを、無事にしっかり見送れました。
 そこから私たちガードはまたまたミッドタウン側へ抜けてゴジラ像前で解散になって、私は地下鉄で移動。フェアウェル・パーティーの会場ではまたまたご配慮いただきお友達と同じテーブルになれて、前菜に手をつけ始めたところでもう当人が登場しちゃいましたが、大劇場フェアウェルよりゲストの現役生の数を絞っていて当人の話がたくさん聞けて、当人もよりリラックスしているようで、楽しかったです。時間もたっぷりかけていて、遠征の人や関東でも遠方住まいの人は宿泊手配をしていた人が大半だったと思いますが、終電を気にしているような人はドキドキしたでしょうね。私はこんなにたっぷりやってくれるものだとは思っていなかったので、とても嬉しかったし、満足しました。
 閉宴後、お友達の泊まるホテルの部屋に寄らせてもらって、澄みわたる梅酒で乾杯しているうちに日が変わってしまったと記憶しています。その後タクシーで帰宅し、お友達たちとLINEなどアレコレし合ってから眠りにつきました。
 翌日は有休にしていて、ゆっくり起きて、お友達たちとこれまたLINEその他でのんびり思い話に浸ったり撮った写真をやりとりし合って、まったりのんびり過ごしました。出社してアタマが仕事モードになっちゃうと、心のこういう柔らかな部分はシャットダウンするしかなくなっちゃうので、そういうことをしないですんで、気が楽でした。卒業生の誰かがすぐさま次の舞台の発表をするとかの慌ただしいこともなく、穏やかに日常に着地していけたように感じました。お友達たちのありがたさが改めて身に染みましたし、やっぱりずっと幸せでした。

***

 そうだ、ハッピーなネタじゃなくて恐縮ですが、印象深かった出来事があったので書き付けておこうと思います。主に自分のための鬱憤晴らしです、すみません。
 フェアウェル閉宴後に乗ったタクシーが、運転手の態度が悪かったんですよ! 無礼だとか横柄だとかじゃなくて、調子に乗っているというか。若いから? 男だから? ムカついたしホントあきれたなー。
 まず、告げた行き先に関してガタガタ言うところにちょっと嫌な予感はしたんですよね。近くて申し訳ないなとは思いましたが、わかりにくいところではなかったし、大通りの反対側になりますが向かいの適当なところで下ろしてもらえばそれでよかったしそう説明したのに、道順だのアレコレ言うんで、かえってホントに道わかってんのか?とまず不安になりました。
 で、まあ白い服着た集団がズラリとタクシー待ちしているんだから運転手さんとしては何事かとは思ったとは思うんですが、こっちは3人で乗り込んで行き先を言ったあとそのままこっちだけで話の続きをしているんだから、黙って運転していればいいじゃないですか。なのにわざわざ話に割って入ってまで「なんのイベントだったんですか?」とか聞いてくることにも私はかちんとしたんですけれど、どうせわからないくせにと思いつつ「宝塚の…」とか答えたところ、まあ立地的に思うところがあったのか、「ああ、僕もよく寮から乗せますよ」とか言うんですよ。私たちはそうやって出勤してくる人を毎朝楽屋入り待ちで迎えていたんですけれどね…と思って私たちが黙り込むと、おべんちゃらのつもりなのか「あなたたちも劇団の人? 寮に行きます?」とか冗談口で言ってきて、夜目にはそれなりに若く見えたのかもしれませんが私たちが生徒に見えるようじゃ運転できるだけの視力がないってことだから今すぐタクシー運転手辞めろとしか思えなかったし、ウダウダ言わずにこちらが言った行き先にとっとと向かえと思ったし、こういう人間がストーカーに不用意に場所教えたりとかしてるんだろうなとまで考えて、どんよりしました。
 で、こちらとしてはあからさまに不機嫌になってみせたつもりで、「ただのファンです」とか答えたんですよ。でもそんなものは通じず、さらに「何組のファン?」とか言ってきて、これまたどうせ知らないくせに…とさすがに答えないでいたら、「一年三組?」って言ってきたんですよ! 寒くないですか!? 宝塚歌劇団に組があることは知っていて、花組とか月組とかいろいろあるとまでも知っていて、その上でのギャグなんですよおそらく! 凍るよね!? びっくりですよね!?!?
 それでもう相手にすることをやめて、私たちは私たちで話を始めて、しばらくは放っておいてくれたのですが、また途中で、私たちのとある言い回しがおもしろかったらしくて「その表現いいですね、メモっていいですか? 今度使います」とか口を挟んできたのです。運転手さんとの会話を楽しむ乗客もいるだろうけれど、乗客同士が話していたら運転手さんは知らん振りをするのが業務上のマナーなんじゃないですかね? 客の話に聞き耳立ててて、聞いていたことを悪びれもせず明かし、さらにあえて客同士の会話に加わろうとするとかなんなの? タクシーの中を呑み屋みたいな社交場と勘違いしてるんじゃないのコイツ?
 しかも、お友達がややキレ気味に「乗客の会話を記録するとか勘弁してください」と言ったら、笑いながら「ハイハイ勘弁します、冗談ですよ」って答えたんですよ。何その日本語? 運転手が乗客に使う言葉か? 敬語になってないだろ? てかおもしろくないんだよ!!!
 その後はさすがにこちらも黙り込み、目的地についたのでとっとと下りて、もらった領収書のタクシー会社に電話して抗議…はわざわざしませんでしたが、ホントどっと疲れました。
 おじさんじゃなかったんですよね、若い男性の運転手で、でもたとえ乗客だろうと女は自分の相手をして自分を楽しませてくれるべし、って思ってそうで、それが窺える軽口で、とにかく不愉快でした。そうでなきゃあんなナメた口の利き方にならないだろうと思うんですよね。空車のときには信号がことごとく赤で常に足止めされる呪いにかかるがいい!!!
 お目汚し、失礼しました…  

***

寂しくて映像も見られない!みたいな繊細さは私にはないので、スカステニュースもさっさと再生しましたし『オーシャンズ11』ブルーレイも再生しました。卒業特集みたいな形で過去の番組をたくさん再放送してくれていたのもありがたかったです。
「旅美写美」はスカステ加入前だったか、見てはいたけど記憶がなかったか、とにかく録画を持っていなくてずっと見たいと思っていたので嬉しかったです! てかすっごい関西弁(神戸弁?)ですね、萌える! 今では対外的なところではほぼ出ないので、貴重すぎます。てかぷくぷくやな! そして見たことあるデニムやな!!(笑)
 ともちんおもてなし番組とかは今見ても痩せて顔が尖ってて疲れて見えて、今さら心配になりますね。大空さんとのリクエスト・トークも顔は細いけど、そこまでではない気がします。もしかしたらこの頃いろいろ思うところがあったのかもしれないし、それでもやっぱり男役が楽しくてまだまだがんばりたいとか思っていた時期なのかもしれないな、とか今見るとまたいろいろ思います。それでいうと大空さんが新公主演したばかりの愛りくをゲストに呼んでる番組も、ふたりがめっちゃ下級生で女の子で可愛いな!?と滾りました。
 しかしブリドリとかドリタイのゆるさもホントひどいよね…(笑)
 あと『TRAFALGAR』新公がやっと放送されて嬉しかったです。生では観ていなくて、スカステでは以前一度見たことがあったはずなんですけれど録画を持っていなくて、おそらくハマる前でスルーだったんだと思うのです。お芝居を好きになったターニング・ポイントのお役だったと聞いてから、ずっと見たいと思ってたのです。
 改めてりくのいっぱいいっぱいぶりに泣きそうになりますし、本公演どおりなんですけどどんだけ予算なかったんだって装置のスカスカさに唖然としますよね…ずんちゃんがわりとカチャの完コピなのにも驚きました。本公演のともちんのトマスもとても好きでしたが、このトマスは確かにいいですね。逆にれーれは感心しなかったかな。私がスミカが好きすぎるってのもあるけれど、このヒロインは在り方がけっこう難しいと思うんですよね…確か『美生涯』新公ありさにも似たことを感じた記憶があります。
 ただ、今考えるとホント、この抜擢って乱暴きわまりなかったよな、と思います。89期が卒業してすぐ93期って…そりゃりくはダンサーとしてショーでは早くからピックアップされていましたけれど、それにしても…うちはともかく(オイ)いちくんやさっつんあたりを起用してみてもよかったのではなかろうか…じゅまちゃんとかさ…
 卒業直前にいろいろ語っていたところからするとりくはこのとき心底驚いたみたいだし、そりゃ決まったらやるしかないんだけれど嬉しいとかなんとかよりできないことに焦ったり不甲斐なく感じることの方が大きかったみたいだし、ホント大変だったろうなと思いました。一方で愛ちゃんは、だったら自分もやりたいと燃えただろうし次の『誰鐘』新公主演が来てさらに奮起したと思いますけれどね。そこからの愛りく新公独占時代が続いて、だけどなんかそのあとの扱いがおやおやおや…?ってなってきたときに、だったらどれかをうちにやらせておいてもよかったんじゃないの? また別の展開があったかもしれないよ? とやや詮ないたらればを考えたこともありました。でもまあそれでもなんともならないものはなんともならなかったのでしょう。ともあれ上げといてあとになって梯子外すとか卑怯なことすんなよ責任もって上げろよ、とは憤っていましたが、この先愛ちゃんがもし大逆転劇を演じてくれるならそれはもう心から楽しみにしています。
 とにかく、下級生のそういう様子を上級生として見ていて、がんばっている愛りくを偉いなと思いつつ自分には無理だなと思ったり、だけどいつかは自分だって、と思ったりしていたのだろうか…と思うとこれまた今さらに泣きそうになります。『クライタ』はラスト新公だったし、自分でも主演がしたいと思っていたみたいだし、巡ってきて本当によかったですよね。サルヴァトーレはキャラクターとしてはわりとわかりやすい人だと思うので、演じるのはそんなに難しくはない気もしますが、なんせスーツ姿がカッコ良くないと様にならないというポイントがあったので、そこは年期が要ったでしょうし、あのタイミングで良かった、そうでないとなんともならなかった、みたいなことをわりとことあるごとに言うので、当人も出来映えには満足しているのでしょう。
 実際、この新公映像は私としてもとても見やすいです。主演だから、真ん中だからってのももちろんありますが、ヒロインを描くのが下手な景子先生の作品らしく、これは完全にサルヴァトーレの物語になっているんですよね。下級生たちの布陣もいい。私は大空さんの映像をもうわざわざ見ないので、私の中ではもうこちらに上書きされちゃったかもしれません。
 どの映像を再生しても、わあ好みの顔! 好みの声! 好みの姿、ダンス! と毎回新鮮にハッと心つかまれます。新しい姿をもう観られない、生の舞台で好きなようにオペラグラスを使って穴の空くほど見つめることができない、というのは確かに寂しいですが、美しく結晶化したような思い出の映像のあれこれが手元に残ることで、なんとか慰めることにいたします。
 だからルドルフもぜひいつか全編放送してほしい…あといつか権利がどうにかなったら、絶対映像抑えているであろうリフもぜひ…頼みます…

***

 先日、組替えの発表がありましたね。いろいろ噂はありましたが、私はナシですませるだろうと踏んでいたので、意外でした。
 ひとこに関しては、ずっと雪のプリンスで来ていて先日待望のバウ主演も果たしましたが、いかにも上が詰まっていて足踏みさせられているように思えたので(とはいえ『壬生』の総司と『MR!』は久々に弾けて見えていいなと感心したのですが)、いい機会なのではないでしょうか。とはいえ花組の…何になるのかなあ? 私は劇団はマイティーを路線で起用する意思があるんだと思っていて(私自身はあまりピンとこないスターさんなのですが、最近ホントにぐっと垢抜けてきたとは思っているので)、れいちゃんの二番手に据える気があるんだろうなと思っていたのですが、ならこのタイミングでのあきらの東上公演ってなんなんだ? ってのはありますよね。でもやっぱりひとこが新三番手になるのかなあ? それでも今は雪の四番手なんだから栄転ですし、花組に合うんじゃないかなと思うので今から楽しみです。
 雪はどこかでだいもんが卒業を発表したら順当に咲ちゃんが継いで、ナギショーが残るなら引き続き別格扱いで、番手としてはあーさ、あやな、あがちん、あみちゃんと続いていくのでしょう。
 ただひらめの里帰りはなんなんだ…便利使いせんでくれ…娘役は次期トップとしてのお輿入れ以外、組替えはほとんど意味がないんじゃないのかなあ? 残念ながらトップ娘役でないと活躍できる枠が限られているわけですから…とはいえ過去にもしろきみとかくらっちとか、なんだったの?って組替えの例は枚挙にいとまがないのですが…花組らしい上級生娘役の卒業が続いていることは確かですが、鞠花さんががんばったりしょみちゃんが踊りまくったりおとくりちゃんが歌いまくったりするでしょうし、組替えによる補強なんて要らないと思うのだけれど…とはいえいろんな文化が混ざって各組の娘役芸がより複雑に繊細に、高度になっていくことは歓迎です。
 あかちゃんは出されてしまう形に見えないこともないけれど、星組に似合いそうでこちらも楽しみです。というか私は花組の番手はれいちゃん以下マイティー、ほのちゃんであきらは別格扱い、あかちゃんとつかさっちも準別格みたいな扱いになるんだろうなと思っていたので(今回無風だった月組がちなつ別格で珠城さん以下れいこ、あり、おだちんと続き、れんこんるねっこが準別格みたいになるんだろう、というのと同様です)、出してもらえるならかえって活躍の場が広がりそうで、期待しています。
 愛ちゃんの星組ってのも驚きましたけど、めでたいですね! 星全ツはもちろん、ロマコンに巴里祭(都合がつかず去られず残念!)と活躍の場が広がって、専科異動は成功だなこれからもあちこちの組に出てどんどん衝撃与えていってほしいなとか思っていたので、あっさり組子に戻るのは意外でしたが、結果を出したからこそこっちゃんの二番手に…ってことなんだと私は思っているので素直にお祝いしたいです。かいちゃんみたいな微妙な三番手扱いのまま卒業へ…とかだと残念なので。こちらも先日星組を拝見して、せおっちがかいちゃん卒業後の新三番手をきっちり務めていて頼もしく、花組同様同期だけれどこのままこっちゃんの二番手になるのかなと思っていただけに、この展開は意外でしたが、そのまま三番手スライドならまあアリですよね。こちらの路線は以下ぴー、かりんちゃん、あまとくんと続いていきそうですね。
 で、しどりゅーが宙組に来るわけですが、同期のそらがすでに四番手扱いなのにどうする気なんでしょう…私はしどりゅーはいろいろできるので星ではもったいないと最近感じてはいたけれど、うーん…
 あと、あきりくの穴を埋めるんですねとか、ロイヤル枠の後任ですねとかいう言われ方が、嫌。まあ私もここで番手のことなどつけつけ書いていて読んだ方を傷つけているかもしれませんし、どこにセンシティブになるかは人それぞれなので全方向に留意することはできないとは思いますが、組替えってそういうものじゃないじゃんと思うんですよね。卒業で開いた穴があるならそれを埋めていくのは下級生の仕事だろうし、そもそも他人で埋められるものではないのではないか、みんながそれぞれ別の輝き方をしていくしかないのではないか、とか思うワケですよ…
 てか何度も書いてますが宙こそ番手が怪しくて、というかキキずんそらと四番手まで確定していてそのあともえこ、こってぃと揃っていることになってはいても、このあたり誰もトップスターの未来図が描けない気しかしないところが不安なんです…キキ、ずんちゃんはトップにするとは思うけれど、あとはまた他組からの落下傘があったり、番手調整の火除け地みたいに使われそうな気がしてなりません。ホント育成が下手だよな宙Pよ…まして娘役など全然手が回っていないとしか思えません。
 万人が満足するとか納得するなんてありえないのかもしれませんが、生徒とファンがなるべくたくさん幸せでいて、生徒がそれぞれ輝けますように。あと、劇団はとにかく演出家を育ててくれ、演目を精査してくれ!! 頼む!!

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 退団した生徒がすぐさま始める印象があるインスタですが、さすが世代として若いですよね。私はツイッタラーだから(笑)、アカウントは取りましたがOGのインスタを見るのにしか活用していません。
 SNSにも暗そうで、存在くらいは知っていると思うし(笑)人にやり方を教えられて始めるくらいのことはあるかも…と思いつつ、せいぜい愛猫の写真をあげるだけのポポスタグラムにしかならないんでないの?とこれまた見くびっている私です。てかここまでやらないとなると、やはり明らかにやらない意志を感じるけどな…
 とりあえずは誰かのインスタに映り込むだけだろう、と思っていたら第一号はたじぃでしたね。確か大劇場千秋楽のお手伝いの幹事をしてくれていたと聞いています、ありがたや。てかなんにでも係りとか責任者とかを決めて、ホントなんでもちゃんとやるよね宝塚って…
 生きてた! 食べてた! 笑ってた! 安心したよありがとう世界!! と思いましたよね。消息が知れるって、嬉しいことです。舞台ではキリッとシャープでスマートでも、入り出はゆるゆるだった人ですが、それとも違うリラックスした、柔らかな表情をしていて、やはりなんかしら背負っていたものはあって卒業でそれを下ろせて、本当にゆっくりのんびりできているのかな、ならよかったなと心底思いました。
 その後も雛ちゃんや風輝くん、まんちゃんと上げてくれていて、また星組観劇に宙組子と一緒に出かけたようでもあり、ありがたいような交遊の狭さを心配するモンペ心が発動しそうな、でもまだまだこれから世界が広がっていくんだろうし…と、焦らず見守りたい気持ちです。
 イヤこのまま本当にインスタもやらないようならホントに消息が知れなくなるわけですが、世界のどこかにいて幸せでいてくれることを祈っている…という想いに偽りはないのです。
 SNSって、別に芸能活動の宣伝としてのみやるものでもないし、単純な日記扱いとか、どう活用してもいいんだろうけれど、世界に公開する以上「映やす」意識が必要で、それがありそうに思えないんですね…あと、私はインスタのノリがよくわかっていないのと、なんか特に芸能活動をしていないOGが結婚して出産して…となってもそこは若い女子だけに幸せマウントの取り合いとかしてそうなイメージがあるので(偏見ですホントすんません)、怖そうだし不向きそうだからやっぱり触らなくていいと思うよ、とか思ったりしてしまうのでした。
 あ、でも先日またまた星組観劇していたとの目撃ツイートを見かけて、二度目? リピート珍しいね? まあ同期もいるし、愛ちゃんとかだいもんほどじゃなくてもファン歴がわりとちゃんとある人だし、意外に(笑)ちゃんと宝塚歌劇ファンだよね、そういう観劇日記を夏休みの宿題の作文レベルでいいからインスタで書いても楽しいかもよ…? とかは思いました。どこまでも見くびりかつ甘やかす私…でも「歌劇」のえと文とかわりとちゃんと書けてたしな、やっぱやればいいのにな。
 そうそう、ジェンヌさんって卒業を発表するととたんに降るようにお見合い話が来て東京大楽では寿退団になっていたりする例が多いそうですが、そういう意味ではご縁に恵まれて結婚してくれて全然いいとも思っています。またまた偉そうな言い方でホントすみませんが。結婚したからってゴールでもなんでもないし幸せが確約されるということでもなんでもないとわかってはいますが、それでも。
 要するにずっと男役っぽくいてほしいとかフェアリーでいてほしいとかは全然思っていないってことです。むしろちゃんと人間になってほしい(笑)。その上で、信頼し合えるパートナーに恵まれてくれたりすると私が勝手に嬉しい、というだけのことです。
 ウェディング・ドレス、綺麗だろうなー、と想像しただけでじんわりできる親戚のおばちゃんポジションにもはやつけます、私。
 とりあえず解散式は、綺麗なお姉さん姿で来るのかな。ドレスで来るようなキャラじゃないから、フェミニンなワイドパンツくらいかな。見たことあるシャツとかで来るのかな(笑)。ポポ毛付きかな。
 楽しみです。

 でも、このままだと解散式で本当に終わってしまうんだな、とも思うので、それは寂しいし悲しいし、なんかもうその日にならなければいいのに、という気も、しています。

***

 8月21日に、会の解散式がありました。
 あくまでも私個人の印象ですが、当のご本人も、卒業後に、男役スターでなくなったあとに、こうした機会で、どういうスタンスで私たちと会うかいろいろ悩んだり考えたりしていたようでした。それでもやっぱり、今までと変わらず、チャーミングな人でした。可愛らしいな、好きだな、ずっと笑顔で、幸せでいてほしいな、としか思えませんでした。
 そして、ゆるく見えようとのんびりして見えようと(というか「見える」のではなくどちらも純粋に単なる事実だろうとは思うのですが)、やっぱりちゃんと意志というか今後のビジョンはあって、これまた私が勝手に受信したものかもしれませんが、今後は「澄輝さやと」としての活動はしない、インスタその他も始めない、みなさんと一緒に宝塚歌劇を観る普通の人になる…と言っていたように、私には聞こえました。
 だからもしかしたら、劇場の客席でバッタリ居合わせたときには、「わあ、お久しぶりです!」くらいは言い合えるのかもしれません。そのくらいの認識はされていたと思いますしね。

 今日、お友達たちと大楽ぶりに会ってワイキャイして、他にも会活動で顔見知りになった方々にも久々にこれまたたくさんお会いできて、でもたとえばLINEとかの連絡先を知らない、なんなら顔と名字しか知らなくて下のお名前もちゃんと知らない、西の人なのか東の人なのかすら怪しい、でも会活動中は都合が合えば入り待ちのあとの朝ごはんとか大休憩のランチとかお茶会前やお食事会前のお茶とかけっこう行ったし語り合った…みたいな方々と、「じゃあ次は集合日にね」とか「次は初日にね」「次の週末にね」「東京でね」「梅田でね」「博多でね」…みたいな約束ができず、もちろんこの先また劇場界隈でバッタリすることはあるとは思うのだけれど(少なくとも私は来週末も再来週末も遠征する予定なので)その頻度は減るのだろう、と思うとあたりまえだし仕方ないことなんだろうけれどやっぱり寂しいなあと思い、でも今さら連絡先とかを交換したからって疎遠になるものはやっぱりなるのだし、みんな誰でも次の恋に落ちないなんて予言はできないので、こういう集合離散は世の常なんだよ、それでも真実会いたい人とはまた会えるものだよ…とか、までは、考えられたんですね。
 だからそういうフェイドアウトは、しんどくても結局は受け入れられる気がしていて、でも贔屓の生徒から「もう活動しません」というシャットアウトみたいなものをされる心の準備はうまくできないままで、ああもうどうしよう!?と内心けっこうバタバタしながら解散式の席に着いたのです。
 でも、そこで出された提案?というかビジョン?が、「またどこかで見かけたら、まあよろしくね」みたいなものだったように私には思えたので、なんかちょっと拍子抜けしたような、でもそれならできる、私は厚顔だからやるよ、しれっと声かけちゃうよ、みたいなムダな自信が湧いてきて、ちょっと嬉しくなっちゃって、そういう出会いをうっすら待つ、みたいな日々も意外といいんでないかい?と未来への希望を感じちゃったり、したのでした。ホント単純ですんません…
 もちろんそういう「普通」の日々の中で、やっぱり何かやりたくなってきたら、相談できる人も手を貸してくれる人も周りにはいると思うし、もちろん私はホイホイ行くし、そうしたらお友達たちもみんな意外にちゃんと来ていてまた会えて…というのも想像できる気がしましたし、そういう機会がないならないで、でもだからといって愛した日々が消えるわけではなくてやっぱりそれは「偽りはな」かったのであり、永遠なのだ…と、思えました。
 なので、想いはいろいろグルグルしながらも、意外と楽しく部屋飲みしポメっている今なのでした。

 そう、日帰りはもちろんできた時間繰りだったのですが、夏休み最後の豪遊!ってことで、さるお泊まりをしてきたのでした。これはこれでまたちょっとおもしろいネタがあったので、また別途語りたいと思っています。

 
 このあとは雪組マイ楽、帝劇『エリザ』マイ楽、そして花組初日遠征(映画『おさラブ』もなんとか初日に観たい!)、さらにきりやんDSから大空さんトラムと、私のオタ活は続きます。引き続きおつきあいいただけると嬉しいです。
 でもホント、会活動は、ホントにホントの次の恋が訪れるまでは、もうしないかなー。チケットをその生徒さんに頼みたいから、という理由で会に入ることはあったとしても、入り出に行ったりなんたり、みたいなことはもうそう簡単にはしないかなー、ということです。それくらい、本当に本当に今回が、始めるのが意外に簡単ではなかったし、でも始めたら本当に本当に楽しくて、幸せしかなかったので…
 あと、次こそ娘役さんにマジ恋したいんだけどなー。でもこういうのって自分で望んでなんとかなるとかいうものでもないからなー…
 もう恋なんてしない、なんて言いません。私はまあまあいい歳なので、人生に絶対がないことを知っているのです。そんな私がわりと早く次の何かにソワソワし出したら、それはそれでまた生温かく見守ってください。今回だってけっこう潜伏時間は長く、会に入ったときには「何を今さら」みたいに言うお友達が周りにけっこういたりもしたものでした。知らぬは本人ばかりなり…
 でも私は、熱しにくく冷めにくくて、好きになると長いタイプなのです。その自覚はあるのです。たとえば宝塚歌劇そのものに関してもそうですが…
 だからたとえば一般人になった贔屓に対しても、たとえその消息がまったく知れなかろうと、変わらずダラダラ好きでいる自信があるんですよね…ダラダラ言うな、と言われそうですが。でもマジで。簡単に飽きたり冷めたりしない、しつこく覚えている、いつも気にかけている、ときどき反芻しては愛の熾火をかきたてる…という面倒くさい人間なのです。もちろん迷惑はかけたくありませんが、要するに勝手にそっと愛し続けさせてください、ということです。世界が終わるその日まで、命が尽きるそのときまで。
 友達でもなんでもない、言わば他人だけれど、愛し案じ想い続けられる人がいるということは、想われる人にはもしかしたら負担なのかもしれなくてそれは申し訳ないと思いますが(これは大空さんの現役末期にも私がわりと考えたことですが)、ともあれ想う側にとっては、たとえ想いが一方通行であろうとなんだろうと、想えることが幸せなことなのです。贔屓に幸せにしてもらえて、私は幸せ者です。
 …なんか言葉遊びみたいになってきて申し訳ない。でもそんな、現時点の、日記なのでした。
「誰かがいる、それだけで強くなれる」って、そういうこと、でもあるのではないかしらん…


 
 とりあえず、おしまい。
 どっとはらい。













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