駒子の備忘録

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夏休みなんて来なければいいのに。~カウントダウン澄輝日記

2019年07月03日 | 澄輝日記
 7月になりました。残り3週間です。
 今日までにすでに、最後のお稽古場とその入り待ち、出待ちが終わり(うちは舞台稽古の入り出待ちをしないので)、最後の初日の幕が開き、最後の組総見が終わり、最後のお食事会が終わり、「宝塚GRAPH」サヨナラポート掲載号が発売され、最後のお茶会が終わり、サヨナラ特番のファーストランが終わりました。明後日には「歌劇」サヨナラポート掲載号が発売されます(30年ほど定期購読を続けている友の会ダイヤモンド会員なので、一足お先に入手しました。まあ泣くよね…)。
 あえて「最後の」をつけて意識して、いっそう日々を大事にするようにしているそうです。何度も言っていますが、単に優しいだけではなく、本当に強い人ですよね。好き。

 大劇場お茶会と同様に東京お茶会もレポ禁でしたがやはり通常営業で(笑)、でもあの広い会場が本当に綺麗にテーブルでぎっしり埋まっていて、感無量でした。お歌のプレゼントが、卒業なんて話題が出るずっとずっと以前に、聴いてみたいとお手紙を書いたことがあった曲だったので、泣きました。でもそのあとの退場の顛末が本当におもしろすぎたので、涙なんか見事に引っ込みました(笑)。あの涙と感動を返して!(笑)
 サヨナラ特番にはバッチリ映り込めましたありがとうございます、一生の記念です。そういえば大空さんのときは東京初日出待ちの部分に映り込めていた気がします(笑)。
 特番のトークはこれまた通常営業で、全然カメラ目線じゃなくて、足下とかを見てそうな低めの視線で、手をけっこう動かしながら考え考え一生懸命しゃべるんで、見ようによっては全然ロイヤルではないと思うんだけれど、世の人々にあまり幻滅されていないことを祈ります…でも、とてもいい番組だったと思います。
 私はファーストランの翌日に花組の横浜アリーナ公演を観に行ったのですが、みりおのプレサヨナラ仕様に感じる部分がけっこう多くて、この流れでけっこうダダ泣きしてしまいました。歌謡曲と言ったらピンクレディーと松田聖子、チェッカーズくらいの世代の私なのですが、もちろん知識や教養として山口百恵は抑えていて、「さよならの向こう側」にはそりゃビンビンきましたよね。「♪Thank you for your everything,さよならの代わりに」ですよ、そりゃ泣くよ…大劇場千秋楽の白封筒にあったあの言葉は、ここから来ていたりしたのでしょうかね…
 私が人生の何もかもを相談してきた、35年のつきあいになる親友が今たまたま、何故か(笑)みりお担をしていて、横アリからタクシーで10分のところに住んでいるので、観劇後は久々のお泊まり会をさせてもらいました。彼女は翌日は有休を取ってマチソワ予定だったので、多少の夜更かしはできたからです。私も午前半休にして午後から出社のつもりでしたしね。
 でもまさか朝4時半まで呑み語るつもりはなかったんだけどな…(^^;)ヅカトークから世界経済からジェンダー論から純金貯蓄の話題まで(笑)、まあ語る語る。高校一年生のときのクラスメイトだったので、私も彼女もともに今年50歳になります。そしてともに贔屓の卒業を目前にしているという巡り合わせ…40歳くらいのころから「50歳になるまでにニューヨーク旅行に行こうよ」となんとなく言っていたのを、来年にはついに敢行予定です。ホラ、お互い身軽になるからね(^^;)。「そこは初日だからいない」とか「そのあたりの週末はお茶会がありそうだから空けておきたい」とかがなくなりますからね。観光と観劇とお買い物の贅沢三昧をして、発散してくる予定です。
 彼女は地域猫の避妊とかのボランティア活動みたいなこともしていて、野良猫上がりの三匹を飼っているのですが(老いた一匹だけがいやいや触らせてくれました…あとの二匹は人の顔を見るなりさささっと逃げていきました(ToT))、さらっと、
「みりおもあっきーも卒業を決心したから猫を飼ったんだろうね」
 と言うのでした。
 …そうかー、やっぱそうかー。
 イヤ飼い始めたと聞いたとき、どんな心境の変化!?とちょっと嫌な予感がしたんですよね。実家で飼っているとは聞いていたし猫派なのも知ってはいましたが、今まで飼わずにすませてきたんだから飼い始めるってやはり特別なことじゃないですか。イヤたまたまペットショップで運命的な出会いがあったとか単にそういうことだったのかもしれないけれど、やはりペットっていろいろ大変だと思うし生活変わるしある程度覚悟がないと飼い始められないものではないかしらん?と思って、それでも飼いたい、飼おうってなるのってやっぱり何かよっぽどのことがあったんじゃないの…?という、ね。確か『不滅』のお稽古のころに話が出て、その前の秋とかにはもう飼い始めていたんじゃなかったでしたかね…まあ符合するようなそうでもないような、ですが。実際のところは、どうだったんでしょうね…
 りくちゃんはお茶会で卒業をだいぶ前に決めていたようなことを言っていて、2019年の年間スケジュールが出たときに宙組の本公演の時期とかを見てここだなと思った、というような言い方をしていたように私には捉えられたのですが、みなさんいつ、どんなふうに決心するものなんでしょうね。そして組長に相談したり組のプロデューサーに申告したりするんでしょうけれど、一度にやめる人数の制限もあるし劇団や組のプランもあるだろうから、希望がすんなり通るとは限らないこともあるのかもしれませんよね。慰留されたりとかね。逆に下級生なら試験のタイミングとか、上級生なら契約更改のたびに、やんわり肩を叩かれることももちろんあったのでしょう。
 それなりに上級生だし、一生続ける仕事ではないという意識は最初からある程度はあるのだろうから、自身の進退については常にいろいろ考えてきたのかもしれません。それこそトップスターの代替わりのたびに、とかね。タカコ、かしちゃん、タニ、大空さん、テル、まぁ様そしてゆりかちゃん、と7人もの時代を見てきているんですものね。
 結局、具体的にいつ何がどう、とかいった話は全然出てこないのだけれど、以前に一度卒業を考えたことはあって、そのときはファンのお手紙なんかにもっと見てみたいというようなことが書かれていて考え直した、みたいな言い方を特番ではしていたように取れましたが、さて、どうなんでしょうね?
 まぁ様のご卒業のときは、確かお茶会で、卒業する旨を聞いたときに早いなと思った、というようなことを言っていた記憶があります。だから、自分はそこでは一緒にはやめられないな、まだやりたいことがあるな、と思った、ということかな、とそのとき私は思ったように思います。まあトップスターの卒業ってかなり早くに発表されるから、そのあと合わせようと思えば合わせられたのかもしれませんが、でも、そうしなかった、しない決心をした、ということなのかな、と思ったのです。
 でも今は本当に、『神々の土地』での卒業でなくてよかったと心底思いますよ…それじゃ毎回号泣していたと思います、それは考えるだにしんどい…まぁ様ドミトリーとゆうりちゃんイリナは悲劇言うてもラストシーンもあるし、そりゃせつない悲しいラストなんだけれどなんかこう救いがあるというか、想いは成就してるんだからよかったじゃんというか、なフォローがあったと思うんですけれど(ふたりともこれで退団でしたが)、あっきーコンスタンチンとありさラッダはさあ…ありさもこれでご卒業でしたが、これであっきーもとなっていたらホントもうせつなすぎましたよね!?
 あるいはもしそうだったらかえってこの配役にはならなかったのではないかしらん…私はこの配役にはくーみんのあっきーへの萌えとこだわりを感じるんですよ。つまりこのときの、卒業しないあっきーにだからこそ当てられた役、だったのだろうと私は考えているのですが、これもまた真相はわかりません。
 ではゆりかちゃんに代替わりして、さてどれくらいまでやろうかな?とか考えたろうかのだ…とか、ね。思えば『天河』のネフェルティティを当時あんなに嫌がっていたのは、残り少ない男役を演じる機会をひとつ失うこととになるからだったのかな…とか、ね。『WSS』の再演を望んでいたことは知っていたし、でも振り分けでフォーラムに出られないとなったときはそりゃがっかりしたろうとも思うし、そのころもう梅芸再演の話が組子に伝わっていたのかどうかは知りませんが、そこに希望や野望は、早い時期での配役の提示は、あったのでしょうか? ポポさんとの出会いはちょうどそのころだったのかなあ…?
 いろいろな経緯はあったのでしょうが、リフをやれたことは本当に本当に嬉しかったろうし、こういう言い方はアレでしょうが、満足できたのかもしれません。『異ルネ』は作品としても役としても1回休みみたいなものとして(オイ)、日本ものショーができたことは初めての体験として楽しかったろうし、『黒い瞳』のベロさんもやりたがっていた悪役の範疇だろうし珍しく髭で、これも楽しかったろうできてよかったろうと思うのですよね。もちろんこの頃にはもう卒業の話は通っていたはずなんですけれど(ところで今にして思えば、餞としてフェスタの夜はソロにしてくれていてもよかったのではあるまいか…)。
 そして『オーシャンズ11』…あいかわらず私は演目としては買ってはいませんが、そういえば『NW!』千秋楽のときに夢として掲げていた、「バウではできたから、次は大劇場でソロを1曲」というのは結局このフランクの「カードこそ我が人生」でやっと、最後に、叶えられたということになりますよね。まさしくやっと、最後に、ですよ本当に。下級生時代に抜擢されていたらソロ1曲なんてあっさりやっちゃう人はたくさんいるでしょう、でも、あっきーはそうではなかった。そういうスター街道は歩んでこない人だった。でも、それでよかったのかもしれません。

 大劇場公演中の、いつだったかな自分で忘れましたけど、「たらればなどないファン人生であった」という結論を出した、みたいなことをつぶやいたことがあったのですが。
 まあそうやって肯定するしかない、歴史は変えられないんだから、というのもあるけれど、もっと早くに出会っていたらとかもっと熱心に応援していたらとか今言っても詮ないし、同様に当人のスター人生も、絶対に当時の精一杯で努力してがんばってあがいてもがいて、それで結果こうだった、ということのはずなんだから、もっと早くどうこうとか言っても仕方ないことだと思うんですよね。
 これまたりくの話で申し訳ありませんが、りくは新公主演が早すぎて苦労したのかな、とか思わされましたし、最後の最後の新公でやっと主演ができたあっきーは、そのときでよかった、もっと早かったらこんなふうにはできなかったと思う、みたいなことも言っていて、それでよかったんだろうなと思いましたもんね。そのとき、そのタイミングが唯一で、ベストだったんですよ、きっと。
 『クラナイ』の次の『華クラ』も初舞台公演でした。そのときはまだ、新公を卒業したばかりだったわけです。そして今、初舞台公演を卒業公演にしている…
 そういえば今回、初舞台生にお化粧講習があって、指導してくれた上級生のうち一番人気はあっきーだった…というのを、とある初舞台生さんと同じバレエ教室だったという知人から聞いたんですけれど、ホントにホントかな(笑)。『華クラ』のときにはまだ指導側に呼ばれるような学年ではなくて、それこそ今だからこそ、なんだろうし、それが当人にとっては卒業公演で、下級生に遺産を受け渡していくようなところもあって、当人としてもより感慨深いものだったかもしれませんね。
 そんな奇遇さは当人もよく語っていて、私はあっきーがまゆたんのお手伝いについていたのは宙組時代のことかと思っていたんですけれど、初舞台のときにすでについていたんだそうですね? 先日スカステでマイティーがすごく悩んで悩んで慎重に決めてえりたんのお手伝いについたようなことを語っていたので、初舞台なんかでパッとつくものだとは私は思っていなかったんですけれど。でも今、もう組配属になってしまったから離れてしまったわけですが、大劇場公演時には初舞台生がお手伝いについてくれていたんだそうですよね。すごいなあっきー! まなちゃんがお手伝いについていてくれていることは知っていましたが、よもや初舞台生にとってそういう存在になれていたとは思ってもいませんでした。毎度贔屓を低く見積もるファンで本当に申し訳ないです。
 そして今回、そのまゆたんが観にきてプロローグとかをすごく褒めてくれて…というのをそれはそれはものすごく嬉しそうに語るあっきーが、本当に本当に輝いていました。スカステでも歌いましたよね「愛した日々に偽りはない」…
 まゆたんとか、意外にもヤンさんとか、まあヤンさんは暗い芝居とクールなダンスがいい、みたいな面もありましたが、どちらかというとクサい男役系統に憧れていたっぽいのもおもしろいですよね。だいもんがタニのファンでタニがかりんちょさんのファンだった、というほどのインパクトはないかもしれないけれど(笑)、「えっ、ソコ!?」ってのはある。それで下級生時代は、好きで憧れていた男役像と、でもなかなかそんな感じになれない自分…というものに悩んだこともあったのかもしれません。
 でも、本当にここ数回、つまりはそれも卒業を意識してからのことだと思いますけれど、今までお茶会では公演の歌を歌ってきたのにそうしなくなってきてから歌うのが、もちろんいろんな生徒さんが歌ってきたものではあっても主にトウコさんライン…?というのもまたおもしろいものでした。イシちゃんの『ノバ・ボサ・ノバ』で受験を考えるようになったそうだから、当時の雪組、そして星組のファンだったのでしょうか。芝居と歌がいいタイプのスター、という意味ではハナからこちらを目指していたらよかった気もしなくもないですが…でもそもそもはダンス、というかバレエが好きだったんだろうしなあ…
 要するに、そういうたらればも言っても詮ないって話です。

 サヨナラ特番のラストのナレーションが意外にも(失礼!)とても良くて、それはこういうときの言葉ってすごくとおりいっぺんなものになりがちなのではないかと私が勝手にうがっていたから、というのもあるのですが、「澄輝さやと」のイントネーションが当人が名乗るとおりの正しいものであったことはもちろん(中井さんとかそうだけれど、東京人は文字だけで見たら低い「す」から始めて「みき」をあげたくなるんですよね)、「気品」や「清潔感」を「個性」と称してくれたことに、私はすごくハッとさせられたのでした。
 そりゃタカラジェンヌは全員「清く、正しく、美しく」をモットーに育ってきています。でも、ダダ漏れの色気が売りだったりやんちゃさな愛嬌が特徴だったりクレバーさが魅力だったりするスターもいるわけじゃないですか。ある種あたりまえみたいにも思える「品がある」とか「清潔感がある」ということをことさらに言われる生徒さんって、意外と少ない。だからこそ意外に貴重で、それが立派な個性なのである、ということをきちんと言ってくれたナレーションに、私は泣かされたのでした。そういうところを私も愛してきたのかもしれない、と改めて気づかされたからです。そしてその点は、当人が憧れ、目標にしてきた先輩たちを超えられたのではないかしらん…それともそれはあまりに欲目がすぎるかしらん…
 でも、私にとって贔屓は、そういう人です。
 7月21日の卒業のその日まで、あるいはその先も、笑顔で、心を込めて、見守り、応援し続けたいです。
 実はもうあまり回数は観ないのだけれど(^^;)、入り待ちには日参できる予定ですしね。がんばります!





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