駒子の備忘録

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ラスト会総見を終えて…からの、献杯。~カウントダウン澄輝日記

2019年07月20日 | 澄輝日記
 7月17日18時半公演が、ラスト会総見でした。他にも総見の会はあったようであちこちの拍手が熱く、楽しかったです。まどかテスが珍しく歌でカマしたり、舞台側はいよいよちょっと疲れが出てきたかなという気もしなくもありませんでしたが、客席側はいよいよ煮詰まってきて熱く激しく常に集中して観ている印象でした。普通のファンがいなさそうな空気、というか(笑)。イヤ、たまたまここが友会で当たったから来ただけで特に組ファンでも退団者ファンでもない、という方ももちろんいらしたとは思うんですけれどね。
 私は抽選でほぼほぼどセンター、しかも会席の中ではまあまあ前方席を引き当てました。ありがたや。パレードなら上手が、とかフィナーレなら下手が、とかあるでしょうけれど、やっぱりセンターっていいですね。ゆりかちゃんもキキちゃんもビシッといいウィンクやら視線やらを飛ばしてくれていたのが、私みたいにそこはちょっと気を抜いていても(オイ)ちゃんと感じられましたもん(ホントすみません)、ホントありがたいお席でした。とにかく全体が観やすいし、カジノ客の下級生チェックなども引き続き楽しく、堪能しまくりました。そうそう、大劇場千秋楽のお席からの眺めとほぼほぼ同じだったんですよね、それもまた感慨深かったです。
 しかして、やらかしてくれる人ですよねホント…!
「FATE CITY」は変わらずカッコ良かったですよ最高でしたよ、ホント色気とオスみがたまりませんでしたよ。てかココどういう設定の気分で踊っているんでしょうかね? 肉眼ではあまり見られていないんですけれど、りくの生真面目証券マンみたいスーツ姿も大好物なんですけど、要するに男はみんなギャンブルが好き、っつーしょーもないプロローグなのかなもしかして…とか今さらに思ったりして。うーんだからやはりこの演目そのものはそろそろ無理が来ているのであと月と雪でやろうとかしないでいいですからねマジでコレで封印でいいんですからねイケコちゃゃんと聞いてねマジで???
 脱線しましたがプロローグは変わらず素敵でした。あきりくの引っ込みと再登場に拍手が入りましたしね、これも胸アツでした。
 ぶっちゃけうちの会員さんのどなたかが意を決して切ったんだと思うんですけれど(会からの指示などはありませんでした)、それが本当に見事だったんですよね。別にいわゆる爆竹拍手っていうんじゃなくて、でもいいタイミングでいい勢いと音量で毅然として入るから、みんなが続きやすいんです。それでちゃんと大きなムーブメントにつながっていました、これホント大事。中途半端にパラパラとしかならなくて立ち消え、みたいなのは寂しすぎますからね。やるからにはやる! 絶対に成り立たせる!! という気合いを感じて、ただオペラグラスを覗いていただけの私は本当に感動しました。働かずにすみません…
 で、なのにやらかすご当人ですよツアコンさん旗持ってませんでしたよグー引率でしたよ!(笑)
 確かスーツからあのナゾのツナギへの早替わり(というか着替えてなくてプロローグのスーツの上にあのお衣装を着ているんだそうですが、それでアレってどんだけ細いのホント!?)はせーことかが手伝ってくれていると聞いたし、なら小道具を用意し忘れるなんて絶対になさそうなんだけれどなあ…? いったいどんなアクシデントだったんでしょうね?? ともあれツアコンさんは手のひらをヒラヒラさせることもなく、かといって旗を持っているというていでもない謎のグー姿のままららたんの記念自撮りにも収まり、そして明るく撤収していったのでした…まあザワつきましたよね会席は(笑)。てか周りのホテルマン役の生徒たちもどうかと思ったろうね(^^;)。
 まあしかし気を取り直して、フランクさんの「カードこそ我が人生」は、さらに磨きがかかっていて絶品だったのでした。というか気のせいかもしれませんが、ピンスポが明るくなるのが早かった気がします、そうならありがたや。
 当日券に並んでいた方が非常階段から発声練習が聞こえた、とつぶやいていらっしゃるのを見かけましたが、日々さらに高みを目指し、理想の「澄輝さやと」の完成を目指して、未だ研究し鍛錬し研磨し続けて、そうして舞台に出ているんだと思います。「♪みんな失くす」のあとの「…(吐息)」みたいなのには、どうしたそんな色気どこから手に入れた!?と仰天しましたが、でももしかして失くしたのは旗なのかな…(笑)
 あとは、お芝居ではお芝居の目をしているので会席に視線が飛んでくるようなことはそんなにはないよな、と思っていたのですが、「JUMP!」ではいつも以上に上を見て、こちらはそこまで二階席てっぺんではなかったんですけれど、でもとにかく会席をバッチリ見てくれた気がしました。てか指差し正面からくらった心地でした、ごちそうさまでした。
 パラディソ就職場面からのハケ際の「へっ、存外チョロいな」みたいな笑みはワルさ増し増しでしたよね。絶品!
 二幕のソールの演技指導は、なんか懐かしい感じの、イヤ今なんか筋トレアニメとか流行ってるから一周回って新しいのかもしれないけれど、クネクネ妙な動きしつつの「お客様、あなたのパーソナル・トレーナーです!」みたいなものだったんですけれど、なのでネタ的にピックアップはうちじゃないなと思いました(笑)。そうしたら単独指名はルーベンで、実はりんきらのところも会総見だったそうなんですが、太っちょのおじさまがビシッとポーズを決めて見せたあと「レッツ・ダイエット!」と言い放ったものだから、ホント馬鹿ウケしました。絶対すっしぃさんに事前にネタ聞いてたでしょ仕込んでたでしょ!!!(笑)
 ディーラー摘発場面では、一時はそれでボブディックにバレないのはおかしいやろという感じにライナスとのアイコンタクトがあからさまで、実はいい人というか低年齢化しすぎていた気がしましたが(単に中の人が出がちだっただけ?)、最近は少し軌道修正されたのか、セーフ!となっても真顔に戻るのが早くなり、プロみが増した気がしました。これもいい。
 ところでトクスペか何かでりくが、バシャーは今回のミッションが成功してもマジシャン協会からの追放は是正されないしマジシャンには戻れないんですよ、とせつなげに語っていたのが印象的で、りくの役作りからするとバシャーのアイデンティティはマジシャンであることにあるんだろうなと思えて、じんわりせつなくなりました。ダニーはテスの心を取り戻せて万々歳かもしれないし、たとえばモロイ兄弟は自作映画の資金を手に入れられたとかルーベンはベネディクトの鼻をあかせて気がせいせいしたとかいろいろ成果があったと言えるメンバーがいる一方で、大金が手に入ったとはいえ本当に欲しいものが得られたわけではない、というキャラクターもいるのだな、ということに改めて気づかされました。
 フランクもそのひとりですよね。身から出た錆とはいえラスヴェガスではブラックリストに載っていてもうこの地でディーラーの職には就けない、地方の場末のカジノで不機嫌にカードを捌くしかない。けれど本当はいつだって、ラスヴェガスの大きな舞台で花形ディーラーとして大きな勝負をやっていたかったのでしょう。
 その夢がこのミッションでは叶わないことを、あらかじめ彼はわかっていて、それでもダニーのために参加したのです。ああ萌える。ダニフラって過去どんな関係だったんでしょうね。天才詐欺師とイカサマディーラーとして組んで一山当てたことがある…という程度が公式設定かと思いますが、たとえば『WSS』のトニリフのように幼なじみだったりして、ちっちゃなころから悪ガキでつるんでたんだったりして、そこからダニーはテスに出会いフランクも最初の結婚をし、お互いちょっと疎遠になって、ダニーは刑務所へ、フランクはヴェガスを追われて離婚して、そして再会…だったりなんかしちゃったりなんかしたりして! なんならダニラスなんかよりずっと古い仲なんだったりして!! ああ萌える。
 でももしかしたらフランクは、これで生きがいとか人生の醍醐味ってのは大舞台での大勝負だけじゃないんだな、とやっと気づけたのかもしれません。勝負ごとのスリルから離れても、ヴェガスではない土地に暮らしても、彼が幸せでいられることを切に願ってやみません。それは中の人がこの花苑を出てフェアリーでなくなって地元に帰ったりなんたりしても変わらず幸せでいてくれますように、と願うのと同じことです。

 さて、フィナーレはタイヘンでした。ずんちゃんが前髪を下ろしていて大変よろしかったことは知覚できました、でも見えてませんでした脳は認識してませんでしたごめん。なんせ贔屓しか見られない身体になっているんですよ!
 「FEVER」でなんか手のひらを広げてからくるりんとして何かをつかむような振りするところで、噛みつくようなウィンク! 「スウィングしなけりゃ意味ないね」になってからの上目遣いみたいな会席への視線飛ばし! 銀橋に出てきてからの、上手側から斜め上に向けて流すようなウィンク! さらに本舞台への戻り際の上手の付け根でターンしながらのウィンクと盛大な投げCHU!!! これには思わず「Fooooooow!!!」って声出しました私、周りの席の方ごめんなさい。でもホント鮮やかだったんですよ、仮にも研15ってのはダテじゃなかったんですよやるときゃやるんですよやったらできる子なんですよ! 生え抜き宙組男役スター最上級生の技と気概と色気パンチ力を見せつけましたよね!!
 なのにね…パレードでお辞儀して、ひときわ大きい拍手をもらって、そこから上手袖に引っ込むときに、会席を見上げて投げかけてきてくれた微笑みがね、もう天使のような、なんてレベルじゃないの、あれはもう菩薩ですよ仏様ですよお釈迦様ですよ、このあたりの違いをよくわかっていない不信心者ですみませんがとにかく単なるニッコリとかじゃないの、もうホント慈愛の笑みとしか言いようがない、あたたかで、優しげで、愛しそうで、せつなげで…すみません、マジ泣きました。
 ラインナップ後、まず真ん中に寄って出てくるところからもう上を見すぎなのがまた、本当に微笑ましかったです。ありがたや。

 出待ちも含めて、本当に楽しい一夜になりました。
 この日はやっと少し日差しも覗いて、夜は満月でした。帰宅してから、寝る前にカーテンを閉じるときに、ベランダに出て煌々とした明かりを眺めてみました。
「月が綺麗ですね」というのは「I love you」なのだとかなんだとかという話はともかくとして、そういう「好き」という気持ちを素直に認めて、公式に伝えたくて、身内として応援したくて、四年半ほど前の私はえいやっと意を決してファンクラブに入ったのだな、としみじみ思いました。入会するまではウダウダ悩んだこともヘンにテレて自分の気持ちを上手く認められないこともあったけれど、『NW!』の発表が本当に本当に嬉しくて、もっと我がことのように喜ぶには身内になるしかない、とすでに取り寄せてはあった入会案内書にいそいそと書き込んだのでした。
 別にファンクラブがすべてではないし、ファン活動は人それぞれです。離れた土地にお住まいだとかお仕事や家庭の事情がいろいろあるとかで、入り出待ちにも行けないし観劇にもそんなに行けないから取次を頼めない、だから入会にはメリットがない、と考える方ももちろんいるでしょう。それからしたら、大劇場はともかく日比谷には電車で30分のところに住んでいて独身で可処分所得があってある程度融通がつく仕事で入り出も観劇もしようと思えばしたいだけできる私は恵まれていて、ありがたい限りです。おかげさまでしたいようにできていますけれど、だからって偉いとかそれが愛のデカさだとかは全然考えていません。思っているだけでは伝わらないかな、とは思いますが、お手紙は届くし絶対に読まれています。遠くからでも生徒さんの力になれることはたくさんあるはずです。
 実際は名前だけでも、なんと言ってもまずは会の人数が生徒さんのためにはなるんだと思いますし、悩んでいるなら入ってほしいなと思いますが、まあ入会金も年会費もかかるしいろいろな考え方がありますからお節介は焼きません。と言いつつ何人かナンパしましたし入ってくれたときは嬉しかったですけれど。負担になっていなければいいな、会活動を楽しんでくれていたらいいな、と思います。
 私は、今までずっと幸せでした。楽しいこと、嬉しいことがたくさんたくさんありました。感謝しかありません。お稽古待ちでも公演中でも、入り出や劇場に行けば誰かしら顔見知りに会ってなんてことない話ができた…という日々が終わってしまうのはとても寂しいことですが、消えないご縁もあるかもしれないし、少なくとも私は観劇し続けるつもりですしこことかつぶやきとかは続ける、というか絶対にやめられないでしょうから(笑)、ゆるくでもつながれていければいいなと思っています。

 やっと梅雨寒がなくなって蒸し暑くなり、でもすっきり梅雨明け、とまでは間に合わないかもしれないけれど、日曜日はソーラーロイヤルプリンスがなんとかしてくれるのではないかしらん。
 期日前投票もすませてスッキリしましたし、残り、走り抜けます!!!


***


…とここで昨日のうちにあげておきたかったんですけれど推敲したかったし、そうこうするうちにスカステニュースのゲストコーナーと柴田先生の訃報があったので、追記。
 結局のところなんの役が一番好きだったかなあ、ということを考え出すと本当にキリがなくて。オリジナル当て書きのありがたさを思うと『WMW』のネッドとか『神々の土地』のコンスタンチンなんでしょうけれど、それぞれ作家の性癖というかそれぞれの澄輝ドリームを感じる役だと個人的にはすごく感じていて、作家と語ってみたいよでもそんなこたできないからいずれもっと深く考えてみたいよ…とか思って棚上げ。
 キャラクターとしてダントツに好みなのは『バレンシアの熱い花』のロドリーゴで、ヤンさんも褒めてくださっていましたが本当に理想のロドリーゴ像だったと思います。柴田先生に捧げます…
 あとは『WSS』のリフ。私にはヤンキー萌えがなくむしろ優等生好きなので、国際フォーラム版では明らかにトニーにシンパシーを感じて観ていてトニリフに1ミリたりとも滾りませんでしたが(ずんちゃんのテクニック、実力は素晴らしかったと思っています。ただ、ゆりかちゃんとの学年差が埋まっていなかったというか、関係性が描けていなかった、とは残念ながら感じたのです。別にまかあきも全然距離近かないんだけどね実はね!)、梅芸版のトニリフはタイヘンでしたよね。あっきーが再演を望んでいた作品だったことは知っていましたし、こんなに大きな役がもらえて、それは本当に嬉しかったです。かつ、中の人が好きであれば当然その役はより素敵に見えるわけで、こんなリーターシップや荒々しさも表現できるんだ!という発見があり、とにかくオーラと魅力にあふれたチャーミングな役で、観劇が毎回楽しかったです。
 それから『エリザベート』のルドルフかな。これまた再三言っていますが私は演目的にはモヤっていて好きな作品かと問われれば微妙なのですが、それこそずんそらもえこあたりで回すだろうと思っていたルドルフ役にまさか呼ばれるとはと本当に仰天しましたし、でも激烈に嬉しかったです。この先もずっと役替わりの名前に残り続けられる、宝塚歌劇の歴史に刻まれたってってことですしね。お稽古は本当に大変だったようなことを今となってはよく語りますが、当時は格別そんなふうには見えなかったし、いつもどおり、ゆるゆるとにこにこと、恬淡としていた姿しか記憶にありません。でもホント意外にも熱く激しく凜々しい皇太子姿で、よかったなあ…
 でもでも、意外なところでやはり『王妃の館』のまこちゃんも捨てがたい、と思うのですよ! 配役も意外でしたが、総じて作品が綺麗に仕上がったことも意外でしたし(オイ)、ハッピーエンドのコメディって貴重なので、一幕ものであるという点でもなんなら私は『オーシャンズ11』より高く評価したいくらいです。
 それはともかく、相手役のクレヨンがりくだったというのも本当によかったんだと思います。何かというあの大劇場初日の拍手ね、でもあれはホント客席の総意でしたからね! 幸せだったなあ…ゲストコーナーで変わらずイチャイチャベタベタしてくれるあきりくが本当に好きです。これは寿退団と言われても仕方あるまい(笑)。まあそれは冗談にしても、ふたりは組の中でのスターとしての立ち位置が意外に違いながらも、絡むことが多く助け合い励まし合い支えにし合ってきたんじゃないのかな、と思うと、同時退団は寂しいですがこれもまたご縁…と思います。ああ、あきりくのトニリフだったらどんなに私の性癖に刺さったことか…!
 残り4回、事故なく、元気に、楽しく、完走してくれますように。私もお友達たちもみんな元気に走り抜けられますように。こんな夜更かししててアレですが、がんばりますので見守っていていただけたら嬉しいです。

 いつか柴田先生メモリアルコンサートが開催されたら、出演してあの甘く優しく素敵だった「瞳の中の宝石」を、もう一度聴かせていただきたいです。私にとっての柴田ロマンについては、また別に暑苦しく語りたいと思います。おつきあいいただけましたら幸いです。




 


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