駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

坂元裕二『往復書簡 初恋と不倫』(リトルモア)

2017年12月02日 | 乱読記/書名あ行
 『カルテット』の脚本家が贈るふたつの恋物語、『不帰の初恋、海老名SA』『カラシニコフ不倫海峡』。

 アオリは「ロマンティックの極北」となっていますが、そうかな? 甘くない、という意味かな?
 男女ふたりの間を行き交う手紙やメールの文面のみで綴られた書簡小説みたいなスタイルなのですが、朗読劇というか二人芝居の脚本だったのですね。あるいは小説として先にあって、上演され、その後書籍として出版されたのかな? ともあれ、たいそうおもしろく、スリリングに読みました。
 現実の会話であれ文面で交わされるものであれ、どこに転がるかわからないようなところがあるからこそおもしろい、みたいな部分をすくうのがこの作家は本当に上手い。ユーモラスな中にせつなさがにじみ、人間と人生が浮かび上がる。技ですねえ。
 楽しい読書でした。


 
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2 コメント

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Unknown (それいゆ)
2017-12-09 15:41:36
こちらでははじめまして。Twitterいつも見ています。不帰の初恋は坂元さんの初の朗読劇として発表、再演でカラシニコフが加わりこれまで複数キャストで三演されてます。わたしは初演の高橋一生さんが好きで当時も見に行きました。坂元さんの本について書かれていること、まさに!ですね。微妙なところを描く技、素晴らしいです。
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コメントありがとうございます (それいゆさんへ)
2017-12-11 23:55:50
そうか、やはり劇の脚本として描かれたものなんですね。
でも小説としても読めました、とてもおもしろかったです。
才能ある人なんだなあ…!
高橋一生は私も好きです、舞台いくつか観ています。
またこちらでもツイッターでも語れたら嬉しいです~!

●駒子●
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