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天保七申年道中御奉行様御触書写続き(後) - 駿河古文書会

(島田市大代 河村家の母屋)

土曜日の「古文書に親しむ」講座の後、島田市大代の河村家に皆んなで見学に行った。河村家は代々御林守を務めた旧家で、建物は島田市の指定文化財となっている。河村家には500点を越える古文書が保管されており、この秋に建物と古文書を市民に公開することを計画しており、講座の学生に、古文書をその場で読む協力をしてもらいたいとの要望があったため、今回の見学会となった。

当主の河村隆夫氏から、河村家の由緒と歴史、建物の案内と、一部の古文書の紹介がなされた。氏はこのほど「御林守河村家の歴史 中世編」という本を出版され、一冊ずつ頂いた。御林守(おはやしもり)とは、幕府の御用林の管理全般を行う役で、苗字帯刀を許されていた。

河村家については、また改めて詳しく紹介することになると思う。

(金曜日、駿河古文書会の解読から)
道中奉行からの、街道筋の並木保全を指示した御触れである。近年の松くい虫の被害がなくても、松は杉のように長生きせず、よく枯れたり倒れたりで、松並木は放っておくと歯抜けになる。美しい松並木を保っているのは、絶え間ない補植がなされた結果である。その元には、道中奉行からの厳しい御触れがあった。

街道筋並木の儀、文政度相触れ候趣、敷地左右に欠け崩れ候侭に致し置き、並木を倒しまたは枯れ跡へ苗木植え付けざる場所もこれ有り、不埒に付、敷地欠け崩れ候処は、村役人ども付き添い罷り出で、置き土、足し土を致すべく、かつ年来繁茂致す並木これ有り、追々に苗木植え足し、生育いたし候様、取り計るべく候。向後、心得違いにて、敷地欠け崩れの侭、これ有るにおいては、曲事(くせごと)たるべき条、その旨心得べく候。追って見廻り者差し遣し候間、油断なく手入致すべきものなり。
 申四月廿九日
      隼人 御印
      河内 御印
                 東海道
                  品川宿より
                  守口宿まで
                  佐屋路
                  本坂通り
                   右宿村々
                    問屋
                    年寄
                    名主
                    年寄
                    組頭

往還筋並木並び敷地の儀に付、御触れ書の趣き拝見、承知畏まり奉り候。仍って御請け印仕る、以上。
  申四月廿九日
                  東海道品川宿
                    役人惣代
                     問屋
                      井澤源左衛門
                     年寄
                      八木庄九郎
 但し、御本紙封の侭、壱通 宿村請け印帳、壱冊

右の通り、南安東村名主より請け取り、即刻、川辺村名主へ差し越し申し候、以上。                             使い 弥助
 申五月十九日午下

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