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元首相の菅さんのお遍路足跡

(菅元首相の写真がたくさん貼られた、
しんきん庵・法皇というヘンロ小屋)

菅元首相は、首相を降りるときに、自分にはまだお遍路のし残しがあると、ぽろっと話していた。そのやり残しのお遍路に、一度出て来たようで、いくつか足跡が残っていた。

ビジネス旅館小松には泊まったときの色紙が残っていた。宿の話では、にこやかで気さくな、饒舌な人だったと、意外と好感度であった。「いら菅」と呼ばれた首相時代の名残りは、お遍路では払拭されていたようだ。

愛媛県から徳島県に抜ける境目トンネルの手前、しんきん庵・法皇というヘンロ小屋に、元首相が訪れたときの写真がたくさん貼ってあった。小学生に囲まれて、これ以上ないという、にこやかな顔で写っている。同行した秘書官が小屋のノートにこれからの予定について書き込みをしていた。後で聞けば、ヘンロ小屋の写真は、岡田のオヤジさんが手に入れて、提供したという。

民宿岡田に泊まったと聞いて、オヤジさんにどの部屋に泊まったのかと聞くと、すでに部屋がいっぱいだったので、3畳の部屋に泊まってもらったと話す。元首相でも特別扱いしない、オヤジさんらしい対応である。ちなみに前回は自分も予約電話が遅くて、3畳の部屋でも良いかとことわられ、狭い部屋に泊まった。ふとんを敷くとほとんど何も出来る余地のない部屋であった。ちなみに今回は一階の食堂の隣りで、おそらく岡田で最も広い部屋だった。

岡田のオヤジさんも、首相としての菅さんの評価はとにかくとして、お遍路としての菅さんは偉ぶることなく気さくに話して、好感を抱いたようであった。

菅元首相は秘書官1名、SP1名の3人旅だった。同宿のお遍路さんの中からは、税金の無駄遣いだという人もいたが、元首相の経歴ならどこへ行っても彼らは付いてくるので、仕方のない費用である。元首相は民宿岡田に泊まったとして、秘書官やSPはその晩をどこで過ごしたのだろうとふと疑問に思った。民宿岡田が満員で泊まれないとしても、元首相を一人置いて、他の宿に泊まるわけにもいかないだろう。すぐに駆けつけられるように、外の車の中で寝たのだろうか。報道陣も付いていただろうし、ずっと3人で歩いてお遍路をしたわけでもあるまい。

その辺が微妙なところで、あちこちで聞いた噂では、ずっと歩いたわけではないだろうという。背の荷物も随分手軽なものであった。車が無ければ警護も難しくなるだろうから、元首相の身分ではこれも仕方がないことである。それよりも、世界遺産を目指そうとする四国遍路道にとっては、元首相に歩いてもらうのは大変ありがたいことだと思う。その割には騒ぎ方が随分冷静に見える。

元首相はどうやら香川県に入ったばかりの大興寺で、再度区切ったようで、その先には痕跡が全く無かった。
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