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通しで1400キロ歩くと、身体はどうなるのか

(4月7日、第八番熊谷寺多宝塔)

お遍路で1400キロを53泊して歩いた。歩いた日数は54日、但し途中に一日休養日があるから53日である。一日平均で26.4km。前回同様、2回に区切っているとはいえ、前回は春、秋の2回であったのが、今回はゴールデンウィークを含めた10日間だけ自宅に帰っただけで、ほぼ通して歩いたのに近い。

端から見れば過酷な旅をしてきたわけだが、本人は至って快適に、毎日がハイキングの気分で歩いてきた。しかし、身体は正直でその難行を正直に受け止めてきた。お遍路の前には71キロとメタボと認定されていた体重は62キロとなり、9キロも減った。ザックの重さが8キロから9キロの間だったと思うから、ほぼ背中の荷物分の贅肉が減ったともいえる。

それならば空荷で歩くように身体が楽になったかといえば、そこは身のうちと荷物では全く違って、荷物は最後まで重く、空荷で歩ければ嘘のように楽になることは変わらなかった。それでも前半に比べれば、後半は楽に歩けたように思えるのは、体重減が無関係だとはいえないだろう。

自分の足を見れば、ずいぶん細くなったと思う。特に腿から余分な肉が落ちて、ほっそりしたのに気付き、驚いた記憶がある。贅肉が落ちて筋肉に変わったはずだが、ムキムキマンのように筋肉が付いたわけではない。必要最低限の筋肉が付いた程度である。

お腹周りは確実に余分な肉が落ちた。ベルトの穴が三つばかり細くなり、穴が足らないほどであったから10センチ近くは減ったことになる。メタボからは軽く脱出した。気になったのは胸の肉も落ちて、あばら骨が触るようになった。そこまで来るとやつれたといわれるかもしれない。顔がほっそりして人相まで変わって見えただろう。

若くても、すべて野宿して巡るお遍路は、一回りすると身体がぼろぼろになると聞いた。毎日宿に泊まって歩いていれば、そんなひどいことにはならない。毎日きっちりと食事を取り、風呂に入ってふとんに寝る。これが出来ていれば、身体は休まり、一日の疲れを取ることが出来る。野宿を続けると疲れが十分に取れないで、どんどん溜まっていくのであろう。

宿に泊まって、理想的には10日に一日、休養日を取ることが出来れば、完璧にリフレッシュが出来る。嵐の日、休養日を一日取っただけで、翌日は嘘のように元気がみなぎった覚えがある。

或るお遍路は毎年春に一回りするのを、健康のためだと家人を納得させて出てくると話していた。おそらく、家人も毎年健康になって帰ってくるから、安心して見ておれるのであろうと思った。

お遍路は投薬なしのホスピタルだといわれる。気の病、様々な生活習慣病などが知らないうちに直ってしまう。それに加えて好きなものを好きなだけ食べて、しかもダイエットが出来る。もっともそのためには通して歩かないと、区切り打ちによっては、体重が増えて戻る人もいるようである。

戻って3週間経つが、体重の戻りは今のところ2キロほどで済んでいる。
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