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お遍路仲間の便り二つ

(ヒガンバナが満開)

朝、遅めに起きてくると、郵便が来ていた。お遍路で「頑張りさん」とニックネームをつけた、掛川のSさんから、遍路記録「おじさん独り 38日間 四国遍路歩記」が送られて来た。A4版56ページのアウトプットをファイルしたものであった。午後、さっそく読み始め、およそ3時間ほどで読み終えた。

「頑張りさん」は、後半秋に高知から歩き始めた自分と前後になって歩き、しばらく同行したりしたが、朝誰よりも早く宿を出て、足の痛いのも何のその、懸命に歩く姿から、「頑張りさん」とあだ名を付けた。氏の遍路記録の中にも、頑張りすぎてしまう自分のことが書いてあったから、あだ名もまんざらいい加減な印象では無いことが確認できた。

「頑張りさん」は、足の痛みが危惧していた痛風かと思って、持参の薬を増やしたりしてみたが、結局痛風ではなくて、軽登山靴に足を痛めたようで、湿布などの治療で克服できたのだという。お遍路はスニーカーで十分で、軽登山靴では足を痛めると思う。自分は足先に余裕のある軽く柔らかいスニーカーで、靴紐は足先の方はしっかり締めないように履いたのが良くて、マメもほとんど出来ないで歩けた。

高知から先では、自分とは後になったり先になったり、同行したりで、最終的には二日ほど先行して結願された。自分よりもはるかにたくさんの人と交流を持ち、八王子の男性や、浜松の女性など、後日自分が追い付いて言葉を交わした人とおそらく同じ人だと思った。その外、自分にはお馴染みのお遍路仲間が少しずつ場面が変わって出てきて大変楽しい。自分と少しコースが変わると、全く知らない道中になり、そんなところもあったのかと興味深く思った。

お遍路仲間から自分のお遍路の姿を書かれて、不思議な気持がした。周囲のあらゆるものに注意を払って記録もしてきたが、一番近くにあって描けていなかったのは、お遍路をする自分の姿であった。それを他者に描かれて、悪いものではないなと思った。散々にお遍路仲間のことを書いて、どうかと思ったが、たとえ悪口でも、自分の姿の一面なのだから、怒る気にはならないものだと感じ、少し安心をした。

「頑張りさん」はお酒好きで、追加のお酒を頼んで、何度かお遍路さんはそんなに飲んでは明日に差し支えると、ストップを掛けられている。下戸の自分としてはお酒の雰囲気でコミニケーションを取る姿を読んで、お酒が飲めるのも悪くないなあと思った。

一息に読んでしまって楽しかった。「頑張りさん」は外へは出さないと書かれていたけれども、リクエストすればプリントして送って頂けるのではないかと思う。

佳境に入っている頃、電話があった。名乗られて、一瞬だれ?と思ったが、昨日、梨を送っていただいたと書いたTさんの奥さんだった。「のんき夫婦」とやや失礼なニックネームを付けた、千葉のご夫婦である。頼んであったのが、送った後で連絡をもらい、前もってハガキも出す間も無く、突然で失礼しましたという。ご夫婦はこの春に第39番延光寺から続きを歩き始めた。しかし途中で奥さんが足の筋を痛めてしまい、途中になったが、ようやく疵も癒えて、10月か11月に残りを歩く予定で、この夏、朝4時半に起きて、涼しいうちに歩く訓練を少しずつしているという。今度出かける時には「四国お遍路まんだら」を持って、参照しながら歩くと話してくれた。結願したら、連絡をくれるように話して電話を終えた。

この日に偶然にもお遍路仲間の二人から便りがあって、一日お遍路のことをいろいろと思い出していた。
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