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ミャンマーを襲った大型サイクロン

(庭のピンクのバラ)

今月2日から3日にかけて、大型サイクロンがミャンマーを襲った。最初サイクロンの被害と聞いたとき、被災地はバングラディシュなんだろうと思っていた。ミャンマーと聞いてもなお、ああ昔のセイロンかと思い違いをしていた。もちろんセイロンの国名はスリランカである。「軍事政権が‥‥‥」と耳に入ってきて、えっ、ということは昔のビルマか。つくづく古い人間だと思うのは、これらの国々は未だに昔の国名でないとピンと来ない。それと同時に、ミャンマー(ビルマ)とサイクロンがどうしても結びつかなかった。

聞けばサイクロンがミャンマーに来ることがそもそも珍しいことで、ミャンマーでは高潮や高波の備えが何もされていなかった。そこを襲ったから人的被害が続出し、最新情報では死者3万2000人、行方不明者3万人と発表されている。

国際支援の輪が一斉にミャンマーに向かっている。被災地では食料も底をつき、飲料水も確保できないため、2次災害として疫病の蔓延が心配されている。しかし、ミャンマーの軍事政権は物的支援は受けるが人的支援は一切拒否している。大災害にもかかわらず、国際的に批判の多い憲法改正の国民投票を強行したが、今、人的支援を受け入れれば投票の状況を含め、内政の実態が明らかになるという恐れを抱いているからである。

サイクロン被害で苦境に陥っているミャンマーにロシア・中国などが秋波を送っている。その豊富な地下資源がねらいである。冷戦が終って世界が平和になるかと思ったが、一度消えた冷戦体制が今再び陣営を固めつつあるような気がする。昔は資本主義対社会主義、自由経済対計画経済という2大勢力が対立する構図であった。社会主義と計画経済は消えたが、新たな構図が見えてきた。

国家が成り立つためには権力の集中が必要だが、その方法に大きく分けて二つの方法がある。一つは民主主義に基づく自由選挙による方法である。もう一つは、一党独裁、革命、世襲、軍事クーデターなど、自由選挙以外の方法による権力奪取の方法である。後者の場合も選挙の形式が採られることが多いが、自由選挙とはほど遠い。これらの二つの勢力が徐々に集結を始め、冷戦時代ほどには行かないにしても、勢力圏を争う様相が垣間見えだした。

アメリカで現在進んでいるオバマ、ヒラリーの大統領指名選挙を見ていると自由選挙の方法がいかに間遠いものかと思う。しかし、手間ひま掛けて衆意をはかり期間限定の権力者を決めていくのは、権力奪取に恨みつらみを残さない人類の知恵だと思う。

それ以外の方法で権力を握ると、権力を失ったときにその恨みつらみが一気に噴出し、権力を失ったものは無事には済まない。それが判っているから、一度権力を握ると死ぬまで権力を放さない。

ミャンマーの軍事政権を見ているとその典型であるように思える。軍事クーデター時には高邁な思想があったのだろうが、今ミャンマーの軍事政権は人民を見殺しにしても自分たちの権力は放さないという最悪の状況を呈している。

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昨日、中国の四川省で大地震が起きた。死者1万人以上というが、情報がもう少し明らかになったら、書き込もうと思う。
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