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前島神社のクスとユニバーサルデザイン

(前島神社のクス)

大井川超散歩の最後に藤枝駅の南口のすぐ近くの前島神社に立寄った。

神社本殿右側にクスノキの巨木がある。樹齢400年で御神木に指定されている。巨樹巨木林の調査から漏れていて、どの資料にも太さなどの記録がない。幹周りは4メートルくらいは十分あるであろう。資料に記録がないくらいだから、見に来たこともなかった。樹齢400年と記録されていたが、400年というのは神社が創立時に植えられたと考えての数字であろう。幹の日陰にはびっしりと緑の苔のようなものが着いて、樹齢を感じさせたが、400年の樹齢ならクスノキはもっと太くて風格がでる。せいぜい樹齢200年ぐらいだと思った。

神社の由緒を書いた立て札を見て、息子が「御祭神がコノハナサクヤヒメだ」という。この神社は浅間神社、大井神社、稲荷神社が合祀されていて、祭神もその順に、木花咲爺姫神(コノハナサクヤヒメノカミ)、弥都波之売神(ミヅハノメノカミ)、宇賀之御魂神(ウガノミタマノカミ)の三柱が祀られている。

前島神社前に故高見三郎の銅像があった。中選挙区時代の代議士で、何度か一票を入れた記憶がある。こんなところで銅像になっていた。

銅像台座に記された略歴によると、山口県に生まれ、官界入りをし、昭和22年に静岡県経済部長、副知事、そして昭和27年衆議院議員に当選、以来当選8回、昭和46年には文部大臣に就任、引退後昭和53年に74歳で亡くなっている。前島に銅像が出来たのはこの近くに住まいがあったのだろうか。

藤枝駅から島田駅まで電車に乗ったが、両駅とも最近は利用することがなかった。その間に駅舎の新装がなって、ユニバーサルデザインが採用された駅になっていた。プラットホームの階上に駅北と駅南をつなぐ歩行者通路(南北自由通路)ができ、駅舎も改札も階上に造られている(橋上駅舎と呼ぶらしい)。階上への上り下りにはエスカレーターとエレベーターが設置され、すべてバリアフリーとなっている。


(藤枝駅パープルロード)

藤枝駅の南北自由通路は“パープルロード”というおしゃれな名前が付いていた。自分も若いときはあまり必要と感じなかったけれど、今となってはありがたい。長い道のりを歩いてきて、エスカレーターが有り難いなどと矛盾した話であるが、歩いて草臥れているからこそ有り難いのである。藤枝駅のホームへ降りる階段は上下のエスカレーターで占められ、階段そのものがなくなっていた。急いで駆け込みたい学生などは少しまどろっこしいかもしれない。

島田駅の駅前も現在全面的に工事が進んでいて、昔の面影を留めないようになるんだろうと思った。島田駅を出たすぐ左手にイチョウの大木があったが、今度の工事からはその一画が外されて、駅前広場のシンボルとして残されるらしいのは、嬉しいことであった。
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