河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2086- マーラー6番、山田和樹、日フィル、2016.3.26

2016-03-26 23:17:39 | コンサート

2016年3月26日(土) 3:00pm オーチャードホール

武満徹  ノスタルジア 13′
 ヴァイオリン、扇谷泰朋

Int

マーラー  交響曲第6番イ短調  23′13′18′32′

山田和樹 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


ヤマカズ一連のマーラー初振り。これまでの5番まで一度も聴いてなくて今回の6番、お初で聴きに来ました。
柔らかい演奏で、強固なソナタ形式の副主題の柔らかさはヤマカズ独特のものと思う。半面それ以外のところは対比が今一つ明確に浮き上がってこない。全般にソフトな演奏解釈でした。ドライヴかけるところはかけたほうがソナタ形式のいわゆるフィルムが決まると思うのですが、彼の方針はそうではないのでしょう。緩徐楽章や弱音フレーズでのメロディーラインの美しさなどがよく聴こえてくる。曲想が次々とつながっていくようなところがあまりなくて音楽の積分的ヒート感は無い。ちょっと途切れながら進行するような箇所がありました。

第1楽章のタイムチャートは、提示部(Rあり)9、展開部7、再現部4、コーダ3、
スケルツォ、アンダンテの順番、フィナーレは序奏だけで6、

第1楽章からなにもかも破格な巨大さが際立つソナタ形式。いわゆるソナタ形式で編成やらなにやらこれほどまでに巨大化したものは他にあまりみたことがない。(だから聴きに来たのかと、)
昔、吉田秀和が今の日本では演奏困難といったのがこの曲だったと記憶するが、演奏は当時でも出来たのだが、プロオケでも当時のスキルレベルではまともな演奏がなかなか難しいといった意味合いだとは思いますけれど、確かに当時の国内オケでまともな演奏ができるのはN響だけだったと思います。今はどこでも誰でもする。と思いますがだからといって曲が簡単になったわけでなくてスキル的には相対的な克服感はあるものの作品自体が変容したわけでもない。

いたるところで活躍しなければならないソロホルンはかなり健闘、ノンビブで硬直な雰囲気ありますけれど際どい一本線、この作品には合っていると思います。
トランペット、トロンボーンはもっともっと手前のオーケストラ楽器群に覆いかぶさってくるぐらいの幅広なスケールでの峻烈なソロプレイが欲しいところです。
巨大編成でのインストゥルメント配置的パースペクティヴな奥行き感は出ていたと思います。
それにしても唖然とする巨大さです。GM卒業簡単ではありませんね。


前半の武満は音楽の律動はほぼ皆無で、音楽というよりなにか音が川面の底に澱んで横たわっているよう。音楽に音楽以外の音が響いている感じで、音の律動は消されて、旋律はたまたま音で形成されている、そのように感じます。
おわり


2085- CPEバッハ、熊、ベト1、鈴木秀美、新日フィル、2016.3.26

2016-03-26 22:04:19 | コンサート

2016年3月26日(土) 11:00am トリフォニー

CPE.バッハ 管弦楽のシンフォニアヘ長調Wq.183-3 H.665 5′2′3′
ハイドン  交響曲第82番ハ長調 熊  11′8′4+8′
Int
ベートーヴェン  交響曲第1番ハ長調  9′8′4′4′
(encore)
ハイドン 交響曲第83番ト短調 めんどり、第2楽章 6′

鈴木秀美 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


週末土曜日の午前11時からの演奏会。心身ともにいいものです。
指揮者の振りはやや大きくて明快、余計な踊りとかが無くて必要なことだけをしている、それが必要なことの全てなのだといった振りです。それにおそらくリハでのトレイニングも相応な取り組みと、心得たツボが見えるよう。プログラム全般にわたり引き締まった好演でした。

CPEバッハは殊の外、激しい音楽ですぐ近くにベートーヴェンがいるような気さえします。この最初の曲からオーケストラのサウンドがグッと締まっており、なんでこんなに指揮者によって違う音になるのかとちょっと不思議に思ったり感心したりと忙しい団体ではあります。この指揮者あってのこの音なんだなぁという実感ですね。

ハイドンの熊も同じ印象で、さらに作品の素晴らしさがよくわかるもの。全体バランスがよくて、局部肥大化は皆無、作為無く作品の良さがストレートに伝わってきます。素晴らしい指揮です。

後半のベートーヴェン。ウィンドが素敵な響きで鳴り具合がいい。ホルンの跳ねるような具合もいい。オーケストラのコンディションいいですね。
第1楽章の締めの何個かの打撃音が少し緩みました。こういったあたり、気持ちの改善をするとこのオーケストラもっともっと良くなると思います。

指揮者がコンマスに媚びたり迎合するようなところが皆無で、これも好感。音楽作品の良質な表現に腐心している姿は聴く方としても見習わなければいけないところがたくさんあると実感。
いい演奏会でした、ありがとうございました。
おわり