河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2071- 月光、ワルトシュタイン、バーバーpfソナタ、野尻多佳子、2016.3.5

2016-03-05 23:20:01 | リサイタル

2016年3月5日(土) 7:00pm サントリー

ベートーヴェン ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 月光  4′2′6′
ベートーヴェン ピアノソナタ第21番ハ長調 ワルトシュタイン  9′3′8′
Int
バーバー ピアノソナタ変ホ短調  7′2′5′5′
(Encore)
メラルティン 「悲しみの園」から第3、第4曲  6′

ピアノ、野尻多佳子


(注)
バーバーのピアノソナタは演奏会プログラムでは以下のタイトル。
バーバー ピアノソナタ変ホ短調 add パレストリーナ「悲しみの聖母」
      (編曲と副題:野尻多佳子)
譜めくらーさんの動きと、聴いた限りでは、第1楽章と第4楽章の前にstabat materを挟んでいたと思います。
Stabat Mater  1′
第1楽章「丘」  7′
第2楽章「告知」  2′
第3楽章「ピエタ」  5′
Stabat Mater    30″
第4楽章「祭り」 5′


このピアニストはお初で聴きます。短そうなリサイタルでしたが、なによりもプログラムが魅力的でお邪魔することにしました。
技がさえた演奏でしたが、前半のベートーヴェンは草書体のスタイルで、ソナタ形式を実感したいものとしてはちょっと別のフォーカス。

後半のバーバー、なぜパレストリーナを混ぜ合わせ、かつ、副題を付けたのか。また、パレストリーナをどこに挟んでいるのかの解説は無い。
パレストリーナは殊の外、バーバーの雰囲気に馴染んでいて、違和感はありませんでした。ただ、このようなミックスにどれだけの魅力があるのか、バーバーの名作はそのまま聴きたい。
ベートーヴェンみたいな草書ではなくて、硬質で明るい高音、ダイナミックに鍵盤に垂直にはねる弾きで、幾何学模様が美しい演奏でした。

白のロングドレスに赤のバラのような花模様に驚きましたけれど、アンコール含め1時間半の短いものではありましたか、色々と楽しめました。
ありがとうございました。
おわり


2070- 未完成、運命、尾高Pfcon、広上淳一、日フィル、2016.3.5

2016-03-05 17:28:29 | コンサート

2016年3月5日(土) 2:00pm サントリー

シューベルト 交響曲第7番ロ短調 未完成  15′11′

尾高惇忠  ピアノ協奏曲 (世界初演)   11′9′9′
  ピアノ、野田清隆

Int

ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調 運命  8′10′6′11′

広上淳一 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


運命と未完成を同じ演奏会で聴いたことがあったかなとふと考えている間もなく、スペシャル席で聴く16型フルオケの地を這うような弦の迫力になぎ倒される。ブラスが奥から襲ってくる、この奥行き感。これぞオーケストラを聴く醍醐味。
メリハリとスケールの大きい素晴らしい未完成、提示部リピートあり。何回リピートしてもいい。シューベルトの艶めかしい音楽が美しく響く。日フィルの音色は柔らかい。
第1主題の締め、第2主題の開放。広上の棒も光ります。
運命はさらに地響きサウンド、ベートーヴェンが生きていたら泣いて喜びそうな音響世界、余裕の演奏。快感です。これがあるからインキネン、ラザレフの表現も出していける、ふところの深いオーケストラ。
たまにはこういう演奏会もいいものですね。

未完成と運命に挟まれた尾高兄の作品、ピアノコンチェルトの世界初演。
オーケストラを鳴らし過ぎで、それに応じた弱音コントラスト、それらのドラマチック性は何やら走馬灯のようでもある。
ご本人の弁では、プリペアードなど本来のピアノの技でないようなものには距離を置いているようで、なるほどそれはそれでよくわかる。オーケストラをこれだけ多彩に鳴らすのを聴いているとコンチェルトでなくてもよかったのではとふと思うところもある。


この日はサブスクリプション・コンサートにもかかわらず、作曲家指揮者独奏者が同じ学園の先輩後輩らしく、ホールに飾られた花束だけでなく、席もそんな雰囲気。どこぞの学園の学芸会同窓会ではない。不快であった。
おわり