河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

第九 ベルリン国立歌劇場7 1990-18

2007-04-27 20:43:00 | 音楽

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1990年ベルリン国立歌劇場公演のスケジュールはここ。

一ヵ月半のベルリン国立歌劇場1 1990-12

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15回に及ぶオペラ公演、ガラ・コンサート1回、が終了し、後半はコンサートが14回である。最初の日は第九だが、このプログラムはこの日の一回だけ。

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19901110()6:30PM

サントリー・ホール

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ベートーヴェン/交響曲第9

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ソプラノ、エヴァ=マリア・ブントシュー

アルト、ローズマリー・ラング

テノール、ヴォルフガング・ミルグラム

バス、ジークフリート・フォーゲル

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アルド・チェッカート指揮

ベルリン国立歌劇場

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チェッカートと言えば、その昔、NHK交響楽団を振りに来て、あっさりしたサラリーマン風な背広姿が印象的であったが、演奏も手堅くまとめる感じだったのかどうか、河童の蔵からテープを掘り出さないとわからない。

今回、チェッカートは前半のオペラは振っておらず、後半14回のコンサートのうち7回を振るために来たようだ。第九は今日だけ。

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オペラ漬けにしてくれたオーケストラが、こうやってピットから這い出て、ステージの上で演奏するこのサウンドはまた格別である。浴びるといった方が良い。

演奏している方もなにかすっきり感があるのではないだろうか。

何事も気分転換が必要ですね。

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ベルリン国立歌劇場の音は重いという感じがしない。

黒光りする何かメタリックなものがビロードの帯のように流れる。何とも言えぬ独特な響きである。

数々のビロードがひらひらと宙に舞い、それらが絡み合い宇宙に浮かんでいるような。

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第九の出だしは軽快とさえ言える。刻みが明確で久しぶりに舞台にあがったオケの連中がはちきれんばかりに自分たちの演奏を楽しんでいるようでさえある。

ベルリン国立歌劇場の音は、流れるような音の連続だと思っていたのだが、そうでもなく、わりと縦に深く刻んでくる。

ただ、憂いを含んだ独特なウェットなサウンドであるため心地よい切り込みである。

ベートーヴェンの音楽は基本的にリズミックなものであり、縦の切り込みが深ければ深いほど音楽の輪郭がはっきりしてくる。ベルリン国立歌劇場の奏でる音は、そのベートーヴェンの意に沿ったものだ。全く素晴らしい。

2楽章の飛び跳ねるサウンド。

3楽章の祈りの流れるような帯サウンド。

終楽章の歌の声とオケサウンドが見事に融合した技。特にソリストのみごとな合わせ技はオペラのアンサンブルのような進化を魅せてくれた。

素直にその実力に平伏した。

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ところで、ベルリン国立歌劇場のオーケストラ・コンサートは3人の指揮者が振り分けている。

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アルド・チェッカート/第九を1

アルド・チェッカート/

エグモント、未完成、ブラ1のプロを6

ハインツ・フリッケ/ベト7を中心に5

朝比奈隆/ベト6、ベト5のプロを2

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朝比奈隆が振るというのが異色であるが、たまたまそうなっただけなのかしら。

このような一流どころを相手にベト6、ベト5のプログラムだと指揮者としては比較的楽だろうと思う。

河童もやろうと思えばできないこともない。

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思えば、今まで、朝比奈隆の棒は12回しか見ていない。

1回は確実だ。何しろライブCDがでたことがあるはずなので。

もう一回あるかないか、記憶にない。

朝比奈とミスターSの両方のブルックナーを聴いたことがある人が言っていた。

「空気が違う。」

と。

意訳すると、

「ミスターSのブルックナーを聴いていると、朝比奈の指揮するブルックナーとはレベルが違う。ミスターSは実にすばらしい。」

ということなのだが、日本の強力な朝比奈ファンが聴いたらご立腹かもしれない。

そのせりふの、ミスターSと朝比奈の単語がひっくり返っているんじゃないか、って言うだろうね。

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ということで、長丁場のベルリン国立歌劇場公演を十分に楽しんだわけだが、これで199011月も中盤。

しかし、この年、これからがすごかったのだ。まだまだ続く1990年。

終わり

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