くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ある日うっかりPTA 」杉江松恋

2017-08-22 04:30:44 | 社会科学・教育
 杉江さん? 杉江さんって、「本の雑誌」に書いてる杉江さん?
 杉江さんの書評、おもしろいんですよ。だけど、海外ミステリの本だとわたしは知識不足で読めないと諦めたことがあります。
 今回は学校が舞台。
 しかもタイトルは、「ある日うっかりPTA」(角川書店)。
 予想以上に楽しめました!

 わたしも現在、中学生の親として校外指導部の委員長(ローテーションで当て役)をしており、小学校時代は学年委員長、学年役員三回、広報委員、環境委員、福祉委員、子ども会地区長と一通り引き受けました。
 杉江さんは、最初から会長として参加し、三年間仕事を全うされて無事卒業。そのときのことを振り返った一冊です。
 すごいアクティブ!
 PTAの予算とか、校庭開放の報酬とか、周年行事とか、もっと合理的に行えると判断したことを次々に改革していくんです。
 周囲の人たちも協力して、やりがいを感じさせられます。
 特に校長先生とのコンビネーション。校庭の芝生が損なわれるからと夏の盆踊り復活に否定的だった前任者とは違って、使用許可を出してくれる。
 そこで杉江さんは何をしたのか。
 豚の丸焼きを作ったのです!
 旧知の学童保育の保護者たちにそのパワーがあることを知っていて、ここぞとばかりに仕掛けたのですね。
 わたしは集団で何かする活動は、つい面倒がってしまう方ですが、こんなにいきいきとしている人たちを知るとなんだか嬉しくなってきます。
 また、「がんばらないことを、がんばる」を裏スローガンにしたり、役員の人数を増やしたりと、いろんなことに取り組みます。
 PTA活動に積極的になり、新聞づくりに尽力してくれた女性が、事情で学校から離れていかざるを得ない場面は、ショックでした……。
 PTAには賛否両論あるかと思います。文中で「PTAの常識」とする括弧書きがあるのは、世間一般では常識ではないということなのでしょう。
 単位PTAそれぞれで、やることが違う、というのも、言われてみればそうだなーと感じました。転勤のたびにPTAのやり方は違うものだと感じてはきましたが、概要は同じパターンなので。
 思えばわたしも、PTAに加入して四半世紀(!)。広報一筋でしたが、今年は新しい部門にチャレンジしています。週末は草刈作業で五時半集合。雨天続きで順延だとつらいなあ。いい加減に晴れてもいいと思いません?

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