くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「好きやねん大阪弁」大原穣子

2010-03-30 00:00:49 | エッセイ・ルポルタージュ
大原穣子さん。方言指導をなさる女優さんです。大阪弁、京都弁、広島弁を守備範囲として、テレビドラマやお芝居の方言指導をされている。台本にはアクセント記号をつけ、台詞を録音してテープを作ってくれるそうです。
そのなかであったエピソードをあれこれと紹介してあるのですが、これがおもしろいのです。
その土地その土地にキィになる音があって、それをつかまないと方言が生きてこないとか、時代もので若手役者が何気なく使った言葉はその時代にはまだなかったとか、なるほどなーと思うことのオンパレード。
学生時代、大阪の大学に行った友人と久しぶりに会ったら言葉が変わっていて、えらく驚いたものです。大阪弁ってインパクトがあるよね。
「好きやねん 大阪弁」(新日本出版社)。当時大原さんが携わったドラマの俳優さんが何人か紹介されていますが、なにしろ時代を感じます。光GENJIの人とか……。
方言って、今はどんどん薄められてきていると思うのですよ。子供たちと一緒にいると、自分がそのくらいの年に使っていた言葉を知らない。祖父母のいうことにはもっとわからない言葉があるらしいです。(でも、転校してきた子に言わせるとみんななまってるそうですが)
人称代名詞について言えば、自分が子供の頃は「わたし」(なまって「あだし」と聞こえますが)か女子でも「おれ」(「おら」「おい」)が主流だったのですが、今は「うち」という子が多い。中学生なのに自分の名前を一人称がわりにしている子が結構います。
大阪弁は日常的に使われているイメージがすごく強いので、最近できた言葉があるというのは意外でした。
「めっちゃ」は大正のころにはなかったのだとか。演じるということを考えると、「ナチュラルとリアルは違う」というお話も納得です。
ドラマを「台詞」、とくに「方言」で捉えるのは新鮮な感じがします。朝の連続テレビ小説だって地方色を出すのは方言だものね。これから、見る目が変わりそうです。

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